49ers、QBキャパニックがいよいよ先発へ
2016年10月12日(水) 20:22
サンフランシスコ・49ersのクオーターバック(QB)コリン・キャパニックが戻ってくる。
QBブレイン・ギャバートがチームの舵を取る中、49ersは現在4連敗中。かつてのドラフト1巡目指名のギャバートはここまで4タッチダウンパス、6インターセプト、平均パスレート65.1ポイントと振るわない。ヘッドコーチ(HC)チップ・ケリーは現地11日(火)、この状況にメスを入れると宣言。ケリーとチームスタッフは火曜日の朝方に集まり、QBの入れ替えを検討した。
ケリーは今回のQB変更がキャパニックの間もなく条件変更されるだろう契約とは全く関係のないものだとした。キャパニックが結んだ現行の長期契約には故障癖のある彼にとって有利なケガへの保証があり、チームはその項目を無効にすべきところだ。キャパニックは火曜日、記者に対して契約についてはなおも進展中だと明かした。『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロは自身が再びフィールド上に姿を現す前までには、新しい契約が結ばれるだろうとキャパニックは予想していると報じた。
49ersの先発QBを再び任されることに関して問われたキャパニックは「とても嬉しいし、準備できている」と明かした。
一方でギャバートは「話にならない。気に入らない」と不満を露わにした。
ビジネス面の話とは切り離しても、今回のQB変更の件はラムズ戦以降、数週間に渡って勝利から遠ざかっているチームに改革を施すという点で納得できる。ケリーはキャパニックを起用するにあたってリーグからの風当たりや、将来的に2017年度のドラフトで獲得するかもしれないQBにも影響があることを認識した上で今回の決断に至った。何よりもまず、ケリーはベンチを温めているメンバーに事の概要を伝える必要がある。
今シーズン、ギャバートが16試合全てに先発することはほぼ確実にないとしても、キャパニックの復帰には数々の問題が立ちはだかる。
キャパニックはオフシーズンに複数の手術をし、ワークアウトにもほとんど参加できなかった。ケリーは1週間ほど前、キャパニックの体重が「フィールドに戻れる状態ではない」と語り、一方のキャパニックはこれに対し、「全く問題ない」とコメント。
手術したことによって49ersを去る意志が明白になったキャパニックは実力派QBが次々と移籍するというオフシーズンの波乱の一端となった。最終的にはマーク・サンチェスがデンバー・ブロンコス、その後、ダラス・カウボーイズへと移籍、また、サム・ブラッドフォードがミネソタ・バイキングスと契約した。
49ersは結局、かつてのスーパースターであるキャパニックをチームに留めた。これは組織を悩ませていたケガの保証を無くすことでサラリーキャップの上昇を抑え、以前よりも少量の負担でキャパニックに仕事をしてもらうことが可能になるのを願ってのことだった。
ある情報筋はキャパニックが「良い球を放っている」とNFLネットワークのイアン・ラポポートに伝えており、体重は依然ほどにはまだ戻っていないが彼の肩の強さはほぼ通常状態に戻ったとしている。しかしながら、ラポポートはキャパニックが練習ではギャバートより勝ってはいなかったと警鐘を鳴らす。今回のQB変更は連敗中のチームに刺激を与えるという意味合いが強そうだ。
キャパニックはHCレックス・ライアンが指揮するバッファロー・ビルズ戦で今シーズンのデビューを飾る。ライアンはキャパニックによる国歌斉唱中の静かなる抗議について一定の理解を示した後、「国に従事した人たちや今なおわれわれの国に尽くしている人たちに敬意を示すという意味があると私は思っている」と語り、選手たちには国家斉唱中に立つよう促している。
ライアンが8月下旬にコメントして以降、キャパニックの人種や社会的不平等での抗議はリーグ全体に波紋を呼び、多数のチームで特定の選手が国歌斉唱中に抗議の所作を見せた。
キャパニックが最後に出場した試合はおよそ1年前の2015年11月1日のラムズ戦に敗れた試合だ。2015年のキャパニックはQBとして2勝6敗、59%のパス成功率で6タッチダウン、5インターセプトだった。