ジャガーズ再建への熱意を見せたダグ・ペダーソン、「一夜にして解決するものではない」
2022年02月07日(月) 00:04ジャクソンビルにダグ・ペダーソン時代が到来した。
ペダーソンをヘッドコーチ(HC)に任命してから2日後、ジャクソンビル・ジャガーズのオーナーであるシャド・カーンとジェネラルマネジャー(GM)トレント・バールケは現地5日(土)午後に開いた記者会見で正式にペダーソンを紹介している。
元HCアーバン・マイヤーのもとで騒々しいシーズンを過ごしてきたチームにより良い運命をもたらしたい、と冒頭の挨拶でファンに伝えたペダーソンは「今シーズンも、いろいろと大変だっただろう。しかし、それはもうすぐ変わる」と語った。
2021年シーズンが3勝14敗に終わったジャガーズは、4年連続で負け越しを喫しており、2年連続でドラフト全体1位指名権を確保している。テネシー・タイタンズに敗れたシーズン第14週の後にマイヤーは解雇されており、彼の短い在任期間中にあらゆる問題が発生したことで、組織を変革する必要性が浮き彫りとなった。
現場から1年間、離れていたペダーソンは、フィラデルフィア・イーグルスでヘッドコーチを務めていた5シーズンで出した成果をジャガーズでも発揮したいと考えている。当時はレギュラーシーズンで46勝39敗1引き分けという成績を残し、4年前に開催された第52回スーパーボウルではクオーターバック(QB)トム・ブレイディ率いるニューイングランド・ペイトリオッツに勝利を収めた。
ペダーソンは「私にとって最高の1年だった。昨年のシーズン終了後、NFLに復帰する機会があったが、当時は休息が必要であるような気がして、一歩離れて、自分自身に焦点を当て直して、自分のすべてを見つめ直す必要があると感じた。心の中では、このリーグで指導したい、ヘッドコーチになりたい、成功したい、という思いがまだあると分かっていた。ただ、一歩離れて自分を少し見つめ直す時間が必要だったのだ」と話している。
休息の1年は、54歳のペダーソンが低迷するフランチャイズを再建するという新たな挑戦に立ち向かい、試練と苦難に満ちた道のりを歩んでいくための準備期間となった。
ジャガーズはすでに何人かフランチャイズの礎となる選手――QBトレバー・ローレンスやアウトサイドラインバッカー(OLB)ジョシュ・アレン、ランニングバック(RB)ジェームズ・ロビンソン――を擁しているが、まだまだ課題は山積している。ペダーソンはその基盤を作っていく準備ができているようで、次のように強調した。
「一夜にして解決するものではない。ただ指を鳴らせば勝てるようになる、というようなものでもない。われわれの目標は試合に勝つことだが、それを一気に選手、コーチ、組織の人間で達成するつもりだ。そして、チームにも、ファンにも挑戦していく。オーナーシップ、サポート、リーダーシップ。それこそが、私がもたらすものだ。この組織にもたらすのだ。そして、妥協してチャンピオンシップを目指すチームより劣るものになるつもりはない」
ルーキーイヤーは浮き沈みがあったものの、ローレンス――2021年ドラフト全体1位指名を受けた――はスターとしてのポテンシャルを発揮することをフロントオフィスに期待されている選手だ。クオーターバックとして13シーズンの間、プレーした経歴を持つペダーソンは、若き日のQBカーソン・ウェンツとの時間を通じて、若手クオーターバックを育成する方法を実証してきた。マーケットを模索する中で、ペダーソンはローレンスの指導にあたることにひかれていた部分もあっただろう。
ペダーソンはローレンスについて「それは、ヘッドコーチを探しているチームと共に “誰がクオーターバックになるのか”や“その人材は存在するのか”といったことに、もちろん注目していた。そして、ここには存在すると心から信じている。トレバーについて調べたり、いろいろな人に話を聞いたり、この1年で彼らと対戦したコーチにも聞いてみたが、全部が素晴らしいという声ばかりで、それが尽きないといった感じがする。(中略)ここへ来て、腕をまくって仕事して、彼のスキルを高めるシステムを構築して成功することに期待がふくらんでいる」
そのシステムの構築や実行は当然、ペダーソンとそのスタッフの肩にかかっている。なお、スタッフには今のところ、新規に採用されたコーチしかいない。コーチとアシスタントの適切な組み合わせを見つけることも、ペダーソンがプレーコールを続けたいと望むかどうかに関係してくるだろう。ペダーソンはイーグルスで働いていたときも、カンザスシティ・チーフスの攻撃コーディネーター(OC)を務めていたときも「本当に快適」だと感じていたと述べている。
長時間におよぶ記者会見で触れられた多くの話題の中で、NFLへの復帰に対する興奮が何度も彼の返答の中で際立っていた。容易ではない上に、どのようなコーチにとっても、めったにできないことだが、ペダーソンは今後の課題を把握していると明かしている。これまでに受けた歓迎が、新しい仕事を軌道に乗せる上での支えになっているようで、ペダーソンは次のように語った。
「今朝、妻と地上に降り立ったときから、空港にいる人々まで、ジャガーズを取り巻く熱気をすでに目の当たりにしている。そのことは私個人にも、ジャクソンビル・ジャガーズのヘッドコーチになった私にも、素晴らしいメッセージとなっている。ここには、どうしても勝って欲しいと願うファンがいるのだから。だから、今日、ここへ来て、この建物の中を歩いただけでそう感じたのだ。これから新しいビルができて、それが熱狂を生み出すのも楽しみだし、われわれはここで成長を続け、人々が誇りに思うような成果をフィールドで出していくだけだ」
「ペダーソンコーチのファーストタッチダウン #DUUUVAL」
Coach Pederson’s first touchdown in #DUUUVAL pic.twitter.com/KQLcryn6Dj
— Jacksonville Jaguars (@Jaguars) February 5, 2022
【RA】