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第56回スーパーボウルのオープニングナイトで自由に思いを語るラムズとベンガルズ

2022年02月08日(火) 13:31


第56回スーパーボウルのバナー【Ryan Kang via AP】

スーパーボウルウィークが始まった。シンシナティ・ベンガルズとロサンゼルス・ラムズはオープニングナイトのセレモニーが始まる数時間前の現地7日(月)にメディアからの質問に答え、ビッグゲームについての感想などを述べている。

急成長を遂げたベンガルズのクオーターバック(QB)ジョー・バロウには数多くのニックネームがつけられている。

ジョーイB、 ジョー・シースティー 、ジョー・ブラー 、ジョーイ・フランチャイズ、ジャックポット・ジョーイ、ジョー・クール、ジョー・チル、スモーキンジョー、ザ・タイガー・キング。

どれが一番気に入ったと聞かれると、バロウはただ笑っていた。

月曜日の第56回スーパーボウルのオープニングナイトでバロウは「ジョーって呼んでくれればいいよ。好きなように呼んでもらって構わない」とコメントしている。

分かったのはそれだけではない。新人ワイドレシーバー(WR)のジャマール・チェイスは週に3回もグリディダンスを練習していると言い、ランニングバック(RB)のジョー・ミクソンはベンガルズの誰よりもチェイスが上手く踊っていると述べた。日曜日の第56回スーパーボウルでベンガルズがラムズに勝った場合、キッカー(K)のエバン・マクファーソンもグリディダンスを踊るらしいと知らされたチェイスは「それは死ぬほど受けるな」と答えている。

一方で真面目な話題にも触れた。バロウは高校卒業時には大型新人という扱いではなく、オハイオ州立大学からルイジアナ州立大学(LSU)に移籍しているが、オハイオ州立大学での3シーズンはほとんどベンチに座っていたという。そんなバロウは若い選手たちに賢明なアドバイスを送った。

「良くなることに集中するんだ」とバロウは話している。「練習した様子を次の日に“Instagram(インスタグラム)”に投稿して、本当はその次の4日間はさぼっているのに、周りは自分が頑張っていると思っている、なんてことにならないように。黙って努力しろ。自分がやっていることをみんなに見せる必要はない。フライデーナイトやサタデーナイト、サンデーナイトの試合で自分の努力の成果を見せつければいい。ソーシャルメディアのことなんて気にするな」

歴史的なルーキーシーズンの真っただ中にいるチェイスにとって、このアプローチが有効だったのは明白だ。レギュラーシーズンに1,455レシーブヤードをマークしたチェイスは、スーパーボウル時代におけるルーキー記録を打ち立てた。チェイスはプレーオフの3試合でレシーブ20回、279ヤード、タッチダウン1回をさらに積み上げ、それぞれのカテゴリーでベンガルズのトップに立つ。プレシーズンの頃はディフェンスを引き離してパスをキャッチすることに苦労していたLSU出身のチェイスからは想像もつかない姿と言える。この5カ月間、彼はむしろこの2つのことしかしていない。悪い流れを断ち切るのに時間がかからなかったチェイスはシーズン第1週に101ヤードとタッチダウン1回を記録している。だが、本人はそもそもあまり考えていなかったという。

「自分ができることが何かはすでに分かっていたし、それを証明する必要もあまりなかった。いろいろと心配するタイプじゃないんだ。自分のゲームをプレーして、誰かが自分の邪魔をしたり、気を散らそうとしたりしていないかに気をつける。俺はそういうことに集中して、自分の仕事を確実にやり遂げようとしているんだ」とチェイスは説明した。

スーパーボウルでのキックといえば、引退したKアダム・ビナティエリに勝る者はいない。ビナティエリはスーパーボウルでウイニングショットを2回も決めただけでなく、6回のスーパーボウルで得点している。このポストシーズンの過去2試合でさよならフィールドゴールを成功させているマクファーソンは、ビナティエリの再来を彷彿とさせる。

ルーキーのマクファーソンは「スーパーボウルで試合を決めるフィールドゴールを蹴ることは、どんな子どもにとっても夢だと思うよ」と述べた。「たとえ彼は俺のことを知らなくても、俺のキャリアのためにたくさんのことをしてくれたと思っている。誰かがああいうキックをするのを見るだけで、自分も自信を持ってキックをすることができるんだ」

NFLで最高のコーナーバック(CB)であると主張して、すぐに否定されないコーナーバックは限られている。ラムズのジャレン・ラムジーは月曜日に「俺は自分がNFLで最高のコーナー、もとい、最高のディフェンスバック(DB)だと信じている。だから、キャリアを通してそれが間違っていないことを自分自身に証明し、周りにも証明しようと常に心がけているんだ」と強気な発言を残した。

その証拠は実績に表れている。ラムジーは5年連続でプロボウルに出場し、2年連続を含む3回のオールプロのファーストチーム選出を果たしている。このような栄誉を手にしているDBは他にいない。

ラムズのWRオデル・ベッカムのメディアセッションには、親友でもあるクリーブランド・ブラウンズのWRジャービス・ランドリーがサプライズゲストとして登場した。元チームメイトのランドリーはベッカムに大好きだと伝え、「リングを取って来い」と言った。ベッカムはシーズン途中でフリーエージェント(FA)になった際、ニューオーリンズ・セインツやニューイングランド・ペイトリオッツなどを差し置いてラムズと契約し、自らを今の立場に置いている。

ベッカムはランドリーについて「彼ほど俺を人として成長させてくれた人はいない。君のことが大好きだ。この瞬間は俺たちのものだ」とコメントしている。

ベッカムは、もし今のラムズが映画化されるとしたら自分はウィル・スミス、QBマシュー・スタッフォードはベン・アフレックが演じるだろうとつけ加えた。

アウトサイトラインバッカー(OLB)のボン・ミラーもシーズン途中からラムズに加わっている。ディフェンスのベテラン選手として、ミラーはラムズの中ではデマーカス・ウェアのような存在だと言う。「レナード・フロイドやアーロン・ドナルドのように俺はキャリアの後半にピークを迎えた。俺の場合はちょうど全盛期を迎えた時にこのチームに来て、フットボールフィールドの内外を問わず、自分にできることは何でもしてやりたいと思った。それが俺の役割だ。俺はこのチームのデマーカスなんだ」

この2年間でバロウはフットボール界の尊敬を集め、低迷していたフランチャイズを勝者へと導いた。その尊敬の念は日曜日に対戦する相手チームにまで及んでいる。ベッカムが最も言い得ていたかもしれない。「クールという言葉を辞書で調べると、カルティエのサングラスをかけた彼の写真が出てくる。彼は人当たりもいい。チャンピオンシップをかけた試合を前にして会っても気さくで、好きにならずにはいられない男だよ。彼は大物になると俺は信じている」

ラムジーもバロウについてこうつけ加えている。「彼は威勢が良くていつも全力でプレーしようとしている。そういう部分は絶対に測れない。そんな彼がフランチャイズクオーターバックであることは、間違いなくチームメイトにも良い影響をもたらしている。周りも自然とそういう人格になっていく。それが彼らのプレーにも出ている」

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