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トム・ブレイディ抜きで進むバッカニアーズに「チャンス」を見いだすエバンス

2022年02月12日(土) 12:19


タンパベイ・バッカニアーズのマイク・エバンスとトム・ブレイディ【AP Photo/Mark LoMoglio】

マイク・エバンスはジョシュ・マカウンとマイク・グレノンからパスを受け、キャリアをスタートさせた。その後、ジェイミス・ウィンストンとライアン・フィッツパトリックを司令塔に経験を積んでいる。さらにこの2年間、プロボウルにも出場したワイドレシーバー(WR)のエバンスは“GOAT”と称されるクオーターバック(QB)トム・ブレイディによって成長を遂げる。

エバンスは『PLANTERS®(プランターズ)』のプロモーションインタビューで『NFL.com』に「この2シーズンは信じられないほどだった」と語り、“All or One(すべてかいずれか)”の論争に一役買った。「スポーツ史上最高のアスリートであるトム・ブレイディと一緒にプレーする機会があるなんて、想像もしていなかった。彼はこのチームに多くのことを植え付けてくれたし、俺たちもそれを実践していくつもりだ。もちろん、(ブレイディの)後継者を務めるのは非常に大変なことだけど、俺たちはステップアップしていかなければならない」

そのブレイディの後釜を誰が務めるのかが、今シーズンのバッカニア―ズの最大の疑問である。ブレイディが来る前のバッカニアーズは、タレントが揃っていても毎年物足りないチームであり、12シーズン連続でプレーオフ出場を逃していた。

スーパーボウルでの優勝、そして2007年以来の地区優勝達成を踏まえ、エバンスは「ブレイディから教えられたことは、たとえ将来殿堂入りするような有望なクオーターバックが現れなくても生き続けるだろう」とコメントしている。

「これまでやってきたことをやり続けないとね。クオーターバックのことは、その時が来れば分かる。新しいクオーターバックが早く見つかって、一緒に仕事ができるようになるといいんだけど。でも、さっきも言ったように、(ブレイディは)俺たちにプレーへの考え方を教え込んでくれたし、毎週毎週、最高の状態で試合に臨めるようにしてくれた。体のコンディションが良好であることを確認し、そのコンディションと同じくらい調子がいいと感じることができるようにしてくれた。この2年間、彼は間違いなくその方法を教えてくれたし、俺らはそれを続けていく必要がある」

バッカニアーズは、このオフシーズンのクオーターバック市場においてワイルドカードのような存在だ。タンパを包む勝利の雰囲気とともに、ジェネラルマネジャー(GM)のジェイソン・リヒトはビッグネームを獲得するために大きな動きを取るかもしれない。彼は経験豊富な一方で一貫した成功を収めていない何人かのベテランをフリーエージェント市場で獲得することをもくろんでいるだろう。ウィンストンとの再会はありそうにないが、奇妙なことが起こっているようだ。バッカニアーズはフリーエージェントになる控えのブレイン・ギャバートを続投させることも可能だ。または、加入1年目には試合出場がなかったドラフト2巡目指名のQBカイル・トラスクに手綱を渡すかもしれない。

また、エバンスはどのクオーターバックを求めるか、フロントオフィスに働きかけるつもりはないともNFL.comに明かしている。

「トム・ブレイディと一緒にプレーできたのだから、それは最高だったよ。クオーターバックが誰であろうと、彼らのためにできるだけオープンなポジションをとって、できるだけ多くのボールをキャッチするのが俺の仕事だ。チームが何を考えているかは分からないけど」

ブレイディの後ろに陣取ったトラスクの実力は依然として未知数である。プレシーズンゲーム全3試合に出場した新人は師匠から学びながら生徒役を務めた。

エバンスは「カイルは本当に才能のあるヤツだ。彼はトムの後ろに座り、たくさんそのプレーを見ながら観察していた。本当に才能のある選手。本当に素晴らしい才能を持っているし、今年は後ろに座りながら多くのことを学んでいる、試合における生徒だった。来年は大きく飛躍してくれることを期待している」とコメント。

「俺たちがどのクオーターバックを選ぶかは分からないけれど、それが誰であろうと、準備は万端にする」

クオーターバック以外では、バッカニアーズは他にも大物がフリーエージェント市場に登場する予定になっている。ACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断裂に苦しんでいるにもかかわらず、クリス・ゴッドウィンはフランチャイズタグでプレーし、大きな契約を結ぶ可能性がある。ロブ・グロンコウスキー、ライアン・ジェンセン、アレックス・カッパ、レナード・フォーネット、ロナルド・ジョーンズ、ジェイソン・ピエール・ポール、O.J.ハワード、カールトン・デービス、ジョーダン・ホワイトヘッドらがバッカニアーズのフリーエージェントの可能性がある選手としてリストに上がっている。

不確実な状況を苦労して進んでいるにもかかわらず、新たなQBを見つけた場合、若い中心選手がバッカニアーズを競争の中に維持してくれるだろうとエバンスは指摘した。

「俺たちにはまだ多くの中心選手がいるけど、来年は若い選手がたくさん戻ってくる。うまくいけば、フリーエージェントのほとんどの選手を取り戻すことができる。チャンスがある。タフなチームだからね。ただ、クオーターバックが誰なのかを見なければならないだけだ」

エバンス自身は殿堂入りの軌道に乗っており、キャリアを開始してから8年連続で1,000ヤードのシーズンを記録している。今シーズンは4回目のプロボウルに選出され、スーパーボウルのリングも獲得している。

また、彼はトリビアの答えとしても語り継がれている。トム・ブレイディの伝説的なキャリアにおいて、最後のタッチダウンパスを捕ったのは誰かということだ。

NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のディビジョナルラウンドでロサンゼルス・ラムズに敗れた際の55ヤードタッチダウンについて、エバンスは「この先も記憶に残り続けるだろう」と話した。「負けたからこそ思い出深いんだ。振り返ってみると、確かに素晴らしいなものになりそうだ」

トム・ブレイディの時代が終わり、バッカニアーズにとって次の段階が始まる。しかし、エバンスはまだ全盛期である。2022年にブレイディの後継者が誰になろうとも、バッカニアーズのオフェンスは競争力を保つだろう。

エバンスは、プランターズブランドのプロモーション活動の一環として、NFL.comの取材に応じた。最新のスーパーボウル広告では、アメリカの人々がPLANTERS®の『Deluxe Mixed Nuts(デラックスミックスナッツ)』をどのように食べているか、いくつかのナッツを一緒に食べるか、ひとつずつ食べるか、という論争を巻き起こそうとしている。

エバンス自身はひとつずつ食べる派だと説明する。

「プランターズがこの国で最高のピーナッツブランドだと宣伝するのを手伝っているだけなんだ。彼らのミックスナッツと今度のスーパーボウルのコマーシャルを宣伝するのを手伝っているんだ。コマーシャルは本当に面白い。『ハング・オーバー』のケン・チョンが出演しているんだ。みんなに質問したいのだけど、ミックスナッツをどうやって食べている?」

「俺は一度にひとつずつ食べる派なんだ。5種類のナッツが入っているから、ひとつずつ好きなものを選んで、そのあと残っているものを食べるんだ。お気に入りはピスタチオ。だからピスタチオを最初に取り出すんだ。ピスタチオかアーモンドを最初に探して、残りはそのお気に入りの2つがなくなってから食べる」

【AK】