QBタゴヴァイロアの強みを生かしてオフェンスを調整していくドルフィンズ
2022年02月25日(金) 12:42
マイアミ・ドルフィンズの新たなコーチングスタッフにとって、一番の課題となっているのはクオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアの成長だ。
QBコーチ兼パスゲームコーディネーターに就任したダレル・ベベルによると、タゴヴァイロアへのコミットメントは彼に最も適したオフェンスを形成するところにまで及んでいるという。
『The Miami Herald(マイアミ・ヘラルド)』によれば、ベベルは現地23日(水)に「まずは彼をシステムに根付かせることだ。それができれば、システムが構築されていって、彼に適合していくと思う。そして・・・ポジティブな面をすべて引き出せるはずだ」と述べたという。
過去10年間にラッセル・ウィルソンやマシュー・スタッフォード、トレバー・ローレンスといったクオーターバックたちと仕事をしたことのあるベベルは、他のポジションではなくクオーターバックが得意なことを中心にオフェンスを組み立てることが肝要で、そうでなければ作戦全体が軌道に乗らないと指摘している。
ベベルは「合わないものを無理に当てはめるのではなく、彼らやその才能に合わせて調整することが重要だ。一人ひとりの長所を引き出すために、オフェンスを調整できるはずだ」と語った。
タゴヴァイロアの強みは、接近戦での正確さと、素早くパスを投げる能力だ。タゴヴァイロアの素早い読みとリリースが、サックやそれ以上に悪い状況を防ぐ場面が多くあった。
ベベルは「本当に正確に投げると思う。彼を見ていてすぐに目に飛び込んできたのはそれだ。まだ完全にのめり込んで見ているわけではない。ただ、その正確性が好ましいと分かるくらいには映像を見てきた。予定外のプレーをする能力も気に入っている。彼はポケットの外に出られる。主要なランナーにはならないが、ランでプレーを展開していける。そういったところは本当に好ましい」と語っている。
一方、タゴヴァイロアの腕力のなさは攻撃面での足かせになりかねない。タゴヴァイロアは2021年シーズンにダウンフィールドやアウトサイドのディープな位置にいる選手をあまりターゲットにしてこなかった。タゴヴァイロアの腕力に限界があるかどうかは実際に一緒に取り組んでみるまでは分からないと言うベベルは、次のようにコメントしている。
「彼が実際に投げるところを見ることができるというのが自分にとって重要だと思う。映像でも確認できる。いくつか投げている場面を見ることができる。疑問も持っている。しかし、実際に彼の手からボールが離れるところを見てみたい。映像では実際の速度は分からないから、芝生に連れてきてどのような感じかただただ見てみたい。私が見た限り、彼がフットボールを投げられるようになれば、間違いなく高い成果を上げられるだろう。こちらが求める多くの球を彼は投げられる。できないものがあれば、別の方法をとっていくつもりだ」
ヘッドコーチ(HC)に就任したマイク・マクダニエルが展開していくオフェンスの大部分が、マクダニエルがこれまで所属していたサンフランシスコ・49ersのカイル・シャナハンHCのスキームに依存すると仮定すると、それはスペースにいる選手にパスを通したり、中央にいるディフェンスに働きかけたりするというタゴヴァイロアの得意分野にフィットするはずだ。また、ドルフィンズのランパスオプション(RPO)は2022年に新しいシステムでより良くなっていく必要がある。
クオーターバックを支えるために、ドルフィンズは2021年で苦戦していたランプレーとオフェンシブラインを改善しなければならない。
ベベルは「ボールを動かすとき、それがいつでもクオーターバックの一番の味方になる。無事動かしてクオーターバックにボールを渡せば、多くのプレッシャーから解放される。その一方で、フェイクで守備の流れをゆがめることができたら、いい意味でディフェンスにも影響を与えられる」と語った。
新たなスタッフ陣は、タゴヴァイロアがフランチャイズQBと呼ばれるにふさわしいことを証明するあらゆる機会を得られると示唆している。タゴヴァイロアが2022年シーズンに苦戦すれば、また振り出しに戻ってしまうだろう。
【RA】