チーフスがOTブラウンにフランチャイズタグを使用
2022年03月08日(火) 16:27カンザスシティ・チーフスのオフェンシブタックル(OT)オーランド・ブラウンはクオーターバック(QB)パトリック・マホームズのブラインドサイドブロッカーとしての初年度に成功を収めたものの、長期契約はお預けになるようだ。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが情報筋の話を元に伝えたところによると、チーフスは現地7日(月)にブラウンにフランチャイズタグをつけたという。その後、チームもこのニュースを公式に発表した。
ブラウンには7月15日(金)の期限前に長期契約に合意するまでの場つなぎとしてタグが使用されたのかもしれない。ブラウンのタグは1,660万ドル(約19億2,000万円)だ。NFLネットワークのマイク・ガラフォロはブラウンが今後の交渉に向けて代理人を雇うかどうか決めておらず、それが決まるまではテンダーにサインしない見込みだと伝えている。
オーランド・ブラウンのメンターであり、元NFL選手のジャマル・ブラウンはガラフォロに「彼はそれにゆっくりと取り組んでいる。なぜなら今、彼にとって最も重要なのは、パット(パトリック・マホームズ)の結婚式をサポートし、3月末にチャリティイベントを運営し、それから人生最高のコンディションになることだから」と語った。
2021年シーズンを迎えるにあたり、ボルティモア・レイブンズからブラウンを獲得するために2021年ドラフト1巡目指名権を含む複数の指名権をあきらめたことを考慮すると、チーフスがブラウンと大型契約を結ぶのは明らかだと言える。2021年に刷新されたオフェンシブラインの主軸を担うはずのブラウンが1年契約を提示されるのはあり得ない展開だった。
チーフスのジェネラルマネジャー(GM)ブレット・ビーチは2月1日にブラウンについて「この上なく頼りになる存在だ。必ず働きかけて彼をおさえる。今後、うちのレフトタックル(LT)になることを期待している」と述べている。
25歳のブラウンは先発出場した16試合すべての攻撃スナップを逃さなかった。3年連続でプロボウルに選ばれており、昨季は初めてレフトタックルとして選出されている。チーフスにやってきたブラウンはリーグ屈指のレフトタックルになることを目指しつつ、頼もしいシーズンを過ごしていた。
ジャマル・ブラウンは「彼はカンザスシティにいたいと思っているし、そこで長期契約を結びたいと考えている」と話している。
「彼は自分がキャリアをそこで全うできるタイプの選手だとカンザスシティに理解してもらいたいと思っている。彼はレフトタックルの要だ。オーランドは自分自身に賭けてきたし、逆境に直面しなければならなかった。昨シーズンの序盤の数試合ではうまくプレーできず、彼はブレット・ビーチを失望させてしまったと感じていた。ビーチは彼にチャンスを与え、多くのものをトレードオフしたからね。彼と話し合ったときに、逆境に立ち向かわないと心は測れないぞと伝えたんだ。それからというもの、彼は素晴らしいプレーを見せてくれた。それこそチーフスが擁するオーランドというレフトタックルの姿だし、逆境を乗り越えて戦うことをいとわないヤツの姿だ」
チーフスでは今夏、フリーセーフティ(FS)タイラン・マシューやラインバッカー(LB)メルビン・イングラムを含む30人の選手がフリーエージェント(FA)になる。そのうちの1人となるブラウンにタグをつけたのは、多忙になるオフシーズンを前にチーフスが最初に取り組んだ大仕事だったと言えよう。
ブラウンが開くチャリティーイベントではボーリングが行われ、収益は子供たちに健康的な食事を提供するために使われるとガラフォロは伝えている。ブラウンの父親は糖尿病で亡くなっており、弟も同じ病で闘病中だ。また、レイブンズ時代の元チームメイトで親友のタイトエンド(TE)マーク・アンドリュースも糖尿病を患っている。ブラウンはキャリアで達成したいことが6つあり、最大の目標はフィールド外での取り組みに関わることだ。
ジャマル・ブラウンは「彼はスーパーボウルチャンピオン、プロボウラー、オールプロ、チームのキャプテン、ポジションで最も高額の報酬を得る選手になること、そして、これが最も重要だが、ウォルター・ペイトン・マン・オブ・ザ・イヤーの受賞を望んでいる」と強調しており、「彼は(アンドリュー)ウィットワースと交流があるし、(チーフスの元ガード)ウィル・シールズと彼が地域社会で行ってきたことの両方を大いに尊敬している。フィールドの上ではいろいろなことができても、善良な心を持たず、いい人間でなければ、ただの選手になってしまう」と続けた。
【RA】