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自分の才能を最大限に発揮できるチームとの契約を目指すカーディナルスOLBジョーンズ

2022年03月13日(日) 11:42

アリゾナ・カーディナルスのチャンドラー・ジョーンズ【AP Photo/Mark Zaleski】

アリゾナ・カーディナルスのアウトサイドラインバッカー(OLB)チャンドラー・ジョーンズは2012年にNFLに参加してから通算107.5回のサックを記録しており、この間に彼以上の記録を達成した選手は1人もいなかった。

32歳のサックマスターは全盛期を少しばかり過ぎたかもしれないが、瞬時にパスラッシュで追い込む能力を未来の所属チームにもたらす準備はできている。フリーエージェント(FA)期間が始まれば、ジョーンズはどこに向かいたいと思っているのだろうか。ジョーンズを最もうまく活用できるチームであれば、そこが彼の向かうところになる。

チーム公式サイトによると、ジョーンズは『The NFL Players Podcast(NFLプレーヤーズ・ポッドキャスト)』でジャイアンツのセーフティ(S)ローガン・ライアンに対して次のように語ったという。「本当に正直に言うと、お金はまったく関係ない。キャリアを通して契約を取り、スーパーボウル優勝も経験したけど、スキームはとても重要だと思っている。それか、もっと多くのチャンピオンシップを勝ち取ることが大事だ。何度も言うけど、お金の問題じゃない。自分の才能を最大限に発揮できる場所に行きたいということだ。今までのキャリアの中で、ポジションから外れてしまったこともあった。責任は自分でとるけど、同時に“あれ、それをする必要があったのかな?”とも思ってきた。そんなことを言えるほど、今のキャリアとこの年齢に心地よさを感じている」

32歳のジョーンズはニューイングランド・ペイトリオッツで4年間、キャリアを積んだ後にカーディナルスに移籍し、6シーズンにわたって在籍してきた。その過程で、ペイトリオッツではスーパーボウル優勝を経験し、プロボウルに4回、オールプロに2回選出されている。また、AP通信ディフェンス部門年間最優秀選手の投票でトップ3に2回入っており、2桁のサックを7シーズンで記録してきた。

2020年シーズンは上腕二頭筋のケガにより5試合しか出場できなかったものの、2021年シーズンは第1週に行われたテネシー・タイタンズ戦で5回のサックを決めるなど、威勢よく復帰を果たしている。しかし、それはその後の活躍ぶりを予感させるものではなかった。シーズンを通して記録した10.5回のサックはほぼこの1試合で達成したものであり、それからシーズン第9週までは1度も決められていない。

つまり、ジョーンズは守備コーディネーター(DC)バンス・ジョセフのシステムが自分の才能を最大限に発揮するのに最も良いものであるとは考えていないと推測できるだろう。

『NFL.com』が選ぶ2022年フリーエージェントトップ101で5位につけているジョーンズは「チャンドラー・ジョーンズはどこでチャンドラー・ジョーンズになれるのか」と問いかけている。「その才能を最大限に発揮できる場所はどこか。今シーズンは何度か、こいつは誰だ? と思われるようなことがあったと思う。第1週はサック5回・・・だから、みんなその閃光を見たわけだけど、“なんでそれが消えたのか、どこへ行ったのか”と言われていたときもあったはずだ。ゲームプランのせいだけじゃなく――いろいろなことが関係していると思う。でもやっぱり、フリーエージェントになって、チャンドラー・ジョーンズの才能を最大限に生かすのはどのチームなんだろうか」

そうは言うものの、ジョーンズはまだカーディナルスの一員であるため、彼の才能にうまくフィットしないチームを想像するのは難しく、彼のようなパスラッシャーを拒むチームもほぼないだろう。ジョーンズの移籍先として候補に挙がっているのはシアトル・シーホークスをはじめとし、インディアナポリス・コルツ、ボルティモア・レイブンズ、カンザスシティ・チーフス、デンバー・ブロンコスだ。ブロンコスはオフシーズン中に行われた数々の大型トレードの舞台となったAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区にある。

10年にわたるキャリアで初めてフリーエージェントになるジョーンズ。ペイトリオッツからカーディナルスへトレードされ、今まで一度もオープンマーケットに出ることはなかった。相手クオーターバック(QB)を追い詰める能力で有名なジョーンズは今、腰を据えて選択肢を検討する立場になっている。

「いろいろと考えなければならないことがある」と言うジョーンズはこう続けた。「今は自分自身に集中し、何が自分に合っているのかを考える時期だ。フリーエージェントになったけど、10年とか11年とかプレーしてきた中で、どんなスキームを希望しているのか、どんなディフェンスの一員になりたいのか、選ぶ機会は一度もなかった。いつも与えられてきたんだ。文句を言っているわけじゃないけど、ドラフトでペイトリオッツに入団し、それからアリゾナ・カーディナルスにトレードされた。カーディナルスにいる間に3人くらい守備コーディネーターが変わって、多くの守備コーチが変わってきたけど、“これこそ自分がやりたかったことだ”と言えるような機会はなかった。どんなスキームにするかを選べるし、それは自分の決断に大きな影響を与えるだろう」

何シーズンにもわたって目を見張るような成績を残してきたにもかかわらず、ジョーンズの活躍はしばしば見落とされてきた。素晴らしい経歴を持つジョーンズは残りのシーズンをそのレガシーと結びつけ、殿堂入りの最終候補となるかもしれない。それには強力な後押しと最後の仕上げが必要となる。ジョーンズはその可能性を最大化するために自分に適したチームを求めているところだ。

【RA】