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QBライアンのトレードで生じた巨額のデッドマネーに「今年は耐え忍ぶ」とファルコンズGM

2022年03月24日(木) 11:46


アトランタ・ファルコンズのマット・ライアン【AP Photo/John Amis】

クオーターバック(QB)マット・ライアンをインディアナポリス・コルツにトレードに出した後、アトランタ・ファルコンズの2022年のサラリーキャップには4,052万5,000ドル(約49億1,264万円)ものデッドキャップが残された。

ライアンとワイドレシーバー(WR)フリオ・ジョーンズ(1,550万ドル/約18億7,907万円)、ディフェンシブエンド(DE)ダンテ・ファウラー(466万7,000ドル/約5億6,578万円)、ディフェンシブタックル(DT)タイラー・デービソン(121万3,000ドル/約1億4,705万円)を合わせ、ファルコンズは今季に6,209万7,000ドル(約75億2,690万円)ものデッドマネーを抱えることになる。

ファルコンズのジェネラルマネジャー(GM)であるテリー・フォンテノーは現地23日(水)、デッドマネーは厳しいものの、2022年にこれらをさばくことで将来の柔軟性が確保されると話した。

「われわれは今年、これに耐え忍ぶ」と言うフォンテノーGMは次のように続けている。

「しかし、今年に耐えることで、来年のわれわれがどこにいるかが重要だ。そうでなければ、そして、われわれがそうしないのであれば、彼の契約を再構築したり、契約上で何かしたりして、彼を今年もとどめていたはずだ。そうなればシーズン後にやはり彼をトレードせざるを得なかったかもしれないし、そのときもサラリーキャップの状況はかなり厳しいものになる。今回のことで、われわれはこれを今年に食らっており、そのデッドキャップの中でもフリーエージェンシーで価値あるものを見つけ、ドラフトを成功させ、良いフットボールチームをフィールドに出すのがわれわれの仕事だ。これは障害物ではあるが、機会としても見ている。それがわれわれの仕事なのでね。これについて言い訳をするつもりはない。今これに耐え忍ぶことで、来年やその先のわれわれに大きな違いが生まれてくる」

トレードの動きが、ファルコンズが完全な再建モードに入っていることを明確にしている。ライアンは過去のシーズンに根差した選手の中で、アトランタが最後まで手元に置いていたピースだった。今、チームは未来を見据えており、そこでなら数年をかけて穴を埋めていくための大きなキャップスペースがあるはずだ。

「(再建だとは)決して言わない。なぜなら、単にそれではフェアではないからだ。ここにいる選手たちに対してフェアではない。来年には17試合があり、そのすべてで戦うつもりだ。だからこそ、われわれはこれを再建だという気はない」とフォンテノーGMはコメントした。

また、フォンテノーGMはおそらくはドラフトによってQBルームを増員する可能性を指摘し、こう述べている。

「われわれはマーカス・マリオタについてエキサイトしている。そして、そのルームに引き続き加えていく」

ライアンのトレードは巨額のデッドマネーを残しただけではなく、ファルコンズは元MVPと引き換えに3巡目指名権しか手にすることができなかった。しかし、フォンテノーGMはトレードによって最大のものを得ることではなく、14年にわたってチーム組織に貢献してくれたライアンを本人の望むところに送ることが目的だったと述べている。

「彼はそこにかかわる権利を自ら手にし、だからこそかかわった。彼はこのプロセス全体にかかわっていた。アーサー(スミス/ヘッドコーチ)は彼と日々しっかりコミュニケーションを取ったし、われわれは彼にチームとコミュニケーションを取れるようにした。われわれにとっては最大の価値を得ようとすることより、マットがかかわること、そして、マットが望むところに行くことが重要だった。繰り返すが、われわれは彼や、彼という人間に感謝している。これが来年のわれわれに与える影響や、来年の今頃の状況を考えるとき、この決断は長い期間を見据え、彼にふさわしいことをし、チームにとって正しいことをしようとしたものだ」

ライアンのトレードはファルコンズがQBデショーン・ワトソン獲得の話し合いを行っている中で動いたものだが、そのワトソンは最終的にクリーブランド・ブラウンズを選択した。アトランタの首脳陣は、ワトンソンが可能性として浮上する前からライアンのトレードを検討していたと以前から主張している。

「デショーンの獲得についてわれわれが動こうと動くまいと、われわれはマットのトレードについて話し合っていた。われわれはすべての選択肢を検討し、何がチームにとってベストなのかを考えて話し合っていた。したがって、こういった話し合いはもうあった」とフォンテノーGMは説明した。

結局のところファルコンズがワトソンを獲得することはなく、長きにわたってフランチャイズの顔だったQBが去り、後には大きな穴が残っている。アトランタでの再建は本格的に進行中だ。

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