NFLがポストシーズンのファンの嘆きを聞き、それに沿って対応した。

リーグのオーナーたちが現地29日（火）に、オーバータイム（OT）で両チームがポゼッションを確保できるようにするルール変更を承認したとNFLが明らかにしている。『NFL Network（NFLネットワーク）』のイアン・ラポポートは後に、この変更についての投票結果は29対3で賛成多数だったと伝えた。

このルール変更はポストシーズンのみに適用される。レギュラーシーズンに比べ、ポストシーズンではオーバータイムのコイントスで勝ったチームに優勢が偏っていた。2010年に以前のOTフォーマットが適用されてから、コイントスの勝者が10勝2敗を記録している。

NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは火曜日に「われわれは常にファンに耳を傾ける。それが重要だ」と話し、こう続けた。

「われわれは常に改善を試みている。この決断を真に駆り立てたのは最終的にはデータベースであり、事実や何が起こったかを振り返ることだったと思う。最も影響したのはオーバータイムにもつれこんだポストシーズンの12試合だろう。そこに、最も大きな影響が見てとれた。オーバータイムに至ったポストシーズンの12試合で、7試合が最初のポゼッションで決着したと思う。それを見れば――コーチや全員が見ていたことだと思うが――これは解決すべきポストシーズンの問題だった」

グッデルはさらに、新たなポストシーズンのOTルールが必ずしもレギュラーシーズンに適用される必要はないと考えているとつけ加える一方、すべてのシーズンと同様にリーグは議論を続けていくと話している。

「レギュラーシーズンのオーバータイムルールは受け入れられていると思う。ポストシーズンに適用するからといって、それを必ずしもレギュラーシーズンにも適用すべきだとは考えていない。ご承知の通り、さまざまなソリューションがあり、オーバータイムのルールは多くの変更を経てきた。2010年、2012年、そして2022年に変更されているはずだ。したがって、これについては検討し続け、すべてのルールと同様に磨いていく。私がこのリーグでとても誇りに思っていることの一つが、毎年ルールを検討し、このゲームにとってのベストのために、そしてこのゲームの安全性にとってのベストのため、選手にとってのベストのため、さらに、何よりファンにとってのベストのために進化させようと努力していることだ。それがわれわれのゲームのクオリティとなって報われていると思う」

プレーオフについては以前からトーク番組で熱い議論が交わされ、人々の日常の話題になってきた。今年はAFC（アメリカン・フットボール・カンファレンス）ディビジョナルラウンドでバッファロー・ビルズとカンザスシティ・チーフスが激突したスリリングかつ疲労困憊（こんぱい）の一戦で議論が再燃している。この試合の第4クオーターでは両者がスコアボードを点灯させ続け、どちらのディフェンスも相手を止めることができなかった。

ビルズにとっては残念なことに、オーバータイムで最初に守備に回ったのは彼らだった。そこからどうなったかは、ご存じの通りだ。

今回のルールの下では、ビルズとスタークオーターバック（QB）ジョシュ・アレンにはチーフスのタッチダウンの後にポゼッションの機会があったことになる。カンザスシティが得点してからの両チームの戦略的アプローチも変わっていただろう。

興味深いことに他のオーバータイムルール変更案には、最初にボールを持ったチームがタッチダウンと2ポイントコンバーション成功の場合に、そこでゲーム終了というものがあった。

ペリセロが『Twitter（ツイッター）』で指摘していたように今回の変更はその提案とは違う。コーチたちは最初のポゼッションでタッチダウンした後に、相手が自分のタッチダウンと2ポイントコンバージョンで巻き返すのを避けるべく、2ポイントで先行するべきかどうかを検討することになるだろう。相手もタッチダウンに成功した場合を踏まえれば、タッチダウンとエクストラポイントだけでは試合を決めるのに十分ではない。

当然、ポゼッションの交代を強いるほど効果的な守備を実践すれば、こういった議論はすべて解消される。ゲームには3つのフェーズがあり、ビルズの心痛む敗北の翌週、シンシナティ・ベンガルズはまさにそれを実践してAFCチャンピオンシップ戦を制した。だが、特定の状況だけを取り上げるべきではない。

先を見据えていくリーグは今回のルール変更によってゲームの近代化を進めていく。このルール調整がすべてのゲームに適用されるのも、それほど先の話ではないかもしれない。

火曜日に承認された他のルール変更の中で注目されるものとしては、次のようなものがある。リーグはフリーキックのフォーメーションに健康と安全上の変更を適用。また、NFLドラフト終了前に2番手クラスの首脳陣（アシスタントジェネラルマネジャー等）が他チームによって雇用されるのを各クラブが防ぐことを可能にしている。

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