ウェンツ時代は“間違い”だったとコルツオーナー、「そこから離れなければならなかった」
2022年03月31日(木) 15:57インディアナポリス・コルツのオーナーであるジム・アーセイはプレーオフを逃してシーズンが終わったことに怒っていた。こういった苦い感覚はまだ続いており、アーセイのコメントからは、カーソン・ウェンツからのクオーターバック(QB)交代はどうしてもしなければならなかったことのようだ。
現地29日(火)、NFL年次総会の会場であるフロリダ州パームビーチにて、アーセイは1シーズンでウェンツをトレードしたことについてじっくりと理由を語った。
『Indy Star(インディ・スター)』によれば、アーセイは「最も悪いのは、ミスを犯しながらも、それを抱えたまま前に進もうとすることだ」と話したという。
「われわれにとってはフランチャイズとしてそこから離れなければならないものだった。それは実に明らかだった」
アーセイはシーズン末に3勝のジャクソンビル・ジャガーズに敗れたのが最後の一撃だったと指摘。26対11での敗北によってコルツがプレーオフに進む道は断たれている。
「ジャクソンビルに対する敬意はあるが、私が言いたいのは、彼らはリーグでワーストのチームだったという点だ。第1クオーターかそれくらいまではうまく、懸命にプレーしていたが、彼らはロッカールームに行ってそこを片付けようとするんだ。この人生でそんなものを見たことがない。“神よ、何かが間違っています”という感じだ。それを正さなければならない。われわれはそれをやったと感じていると思う」
チームが危機を乗り切れなかったことについて、アーセイがウェンツに責任があると考えているのは明らかだ。
「うちの選手なら、ジャクソンビルを通り過ぎてチームを導かなければならない。彼にはそうする必要がある。それは選択肢ではなく、しなければならないのだ。言い訳も説明もいらない」
アーセイのウェンツに対する否定的な見方は、ウェンツのフィールド上との苦戦とはあまり関係がない。しかし、その苦戦はシーズン終盤に明らかになり、ウェンツはラスト5戦のそれぞれで230ヤードを下回った。アーセイが求めるようなロッカールームでのリーダーシップがウェンツにはなかったというのが、このオーナーの見方だ。
「どのチームとも正しい親和力を求めようとするものだ。フットボールではどのスポーツにも劣らないくらいその部分が重要になる。親和力がなければ非常に有害であり、驚き、衝撃を受けるほど極端にパフォーマンスが落ちることもあり得る」とアーセイは言う。
「われわれにとって、そのフィットがうまくいかなかった。なぜかは知らない。理由など分からないときは多いものだし、とにかくうまくいっていないことは分かっていて、われわれとしては違う方向に進むことが重要だった」
行動と言葉によって、アーセイは落胆のシーズンの責任をウェンツに負わせている。シーズンが崩壊した後に大きな変更があるのは分かっていたことだが、コルツが行った大幅な変更はクオーターバックだけだった。ヘッドコーチ(HC)もジェネラルマネジャー(GM)も、チームに戻っている。
結局のところ、コルツはウェンツの買い手を見つけ、カットしたいQBを差し出すのと引き換えに3巡目指名権と条件付き3巡目指名権を送るようワシントン・コマンダースを説き伏せた。
「強力なトレードの関心を生み出し、ワシントンとの契約を完了したのは本当に驚くべき仕事であり、クリス(バラード/GM)に大きな賛辞を送りたい。われわれがいた位置、そして、事態があのレベルで実現しなかったときにわれわれがいたはずの場所については、フットボールの神々からの大きな恩恵であるということを忘れてはいない。カーソンをカットすることになったかもしれないし、そうなればわれわれは何も得られなかった」とアーセンは語っている。
QBマット・ライアンを獲得できたのはアーセイとコルツにとってボーナスだった。彼らはロッカールームでの存在に疑念がもたれる選手から、チームメイトたちによる評判がほぼ非の打ちどころのない選手へと乗り換えている。
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