ブロンコスオフェンスでの使われ方にいら立っていたTEファント
2022年04月01日(金) 00:13ノア・ファントは2019年のNFLドラフトで生粋の運動能力と才能に基づき、ブロンコスオフェンスの急成長中のポジションで違いを生み出せると期待され、1巡目で指名された。彼はタイトエンド(TE)としてデンバーで3シーズンをプレーし、時に光るところを見せたものの、それが一貫したプロボウル級のプレーになることはなかった。
マイルハイシティにいる間、ファントは一度も700ヤード越えを記録していない。さらに、彼のレシーブ平均ヤードは3シーズンにわたって減少の一途をたどった。ルーキーシーズンは40回のレシーブで平均14.1ヤードを獲得したが、それが2020年には62回で10.9ヤード、2021年は68回で9.9ヤードに下がっている。
ブロンコスにラッセル・ウィルソンを呼ぶトレードの一環として、ファントはシアトルに向かうことになった。彼は今週『104.3 The Fan』に対し、攻撃コーディネーター(OC)パット・シューマーが指揮するブロンコスオフェンスでの使われ方にいら立っていたと発言した。ファント自身はフィールドを奥まで使ったプレーが自分の武器だと感じているにもかかわらず、チームではラン・アフター・キャッチの能力を主とした使われ方をされていたという。
爆発的なプレーメークについて、「俺がリーグに来たのはそのため、それをやるためにドラフトされたんだろ? 違うか?」と彼は言っている。「フィールドの奥まで行って、そういう爆発的なプレーをする。そうしたパスキャッチができるタイトエンドとして期待されていたはずだ。なのに、デンバーにいる間はそういう部分がちょっとぼかされてしまった気がするんだ。どっちかというと俺はいつでもフラットボールをキャッチすることが中心になっていた。それからシフティで捉えどころのない選手として、ヤードを稼ぐためにできるだけ多くタックルをブレークすることを求められていた。俺は自分のことをダウンフィールドの脅威だと思っている。オープンスペースに行って、そこでプレーを作り出せるんだ。ショートフィールドで使われるのはちょっとイライラしたよ」
このコメントは彼がデンバーで過ごした3シーズンで、シューマーと一貫しないクオーターバック(QB)の下でオフェンスがさまざまな制限を強いられていたことを強調している。残念なことに、ファントはラッセル・ウィルソンとナサニエル・ハケットHCの時代に立ち合うことはできない。
ファントはシアトルへのトレードをテレビの報道で知ったという。できることならもっと直接的な形で知りたかったと24歳のTEは述べた。
「正直言って、俺は完璧な理想としてデンバーに指名されたわけじゃないと思っている。けど、そこではかなりいい仕事をしたと思うし、いい瞬間だっていくつかあった」と彼は言っている。「でもまあ、それもビジネスの一部だし、この経験全体から俺が一番学んだのはそのことだよ。俺はさ、何て言うか、少しチームのやり方に傷ついているんだ。いや、ラッセル・ウィルソンを手に入れるチャンスだったんだから、こうなったのは完全に理解できる。ただ、そのためには誰かが切り捨てられることになる。よくあることだけどね」
こうしてファントは、QBの状況がはっきりしないシアトルに向かうことになった。先発として有力なのは元デンバーのチームメイト、ドリュー・ロックだが、それはこれからの数週間で変わるかもしれない。
ブロンコスは結局ファントを本来の武器として生かすことができなかったが、シアトルへの移籍によって状況が変わるかどうかに注目してみよう。シーホークスは、ウィルソンの時代にTEがキャッチ平均11ヤードを越えたことがなく、2016年のジミー・グラハム(14.2ヤード)が最後となっている。新たなQBを得た今年、ピート・キャロルHCの描く新たなビジョンでTEの使い方が劇的に変化することはあるのだろうか?
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