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リングや殿堂より引き継ぐことが大事だったとブルース・エリアンス

2022年04月01日(金) 11:11


タンパベイ・バッカニアーズのブルース・エリアンス【AP Photo/Chris O'Meara】

いつもの『Kangol(カンゴール)』の帽子をかぶり、襟付きの半袖シャツのポケットから葉巻を覗かせたブルース・エリアンスは、すでに引退記念のゴルフを楽しむ準備ができているかのようだった。それは、タンパベイ・バッカニアーズのヘッドコーチ(HC)を退き、フロントオフィスに移ると発表した後のことだった。

3シーズンを経てバッカニアーズのHCを退任することを明らかにした陽気で不敵な69歳は、現地31日(木)に「その時が来たと自分で分かったら、それがその時なんだ」と話した。

バッカニアーズがポストシーズンから脱落して67日が経った水曜日の退任発表は、タイミングとして奇妙に見えたものの、エリアンスにとっては今後の見通しが立った状態での引継ぎプランを実行すること、そして、次のリーダーにバトンを渡す前にチームが良好な状態になっていることを確認することが重要だった。

長年エリアンスのアシスタントを務め、友人でもある守備コーディネーター(DC)トッド・ボウルズが、スーパーボウルコンテンダーのヘッドコーチに就任する。

「たくさんの人からもう聞かれたよ。なぜ殿堂入りしたり、もう一度スーパーボウルで勝つチャンスを手放すのかと」とエリアンスは言う。

「殿堂に興味はないからさ。私にとっては継承の方がはるかに大事だ。これは私の長年の夢だった。私を知る人ならば、私が自分と共に歩んできた誰かに引き継いでほしいと思っていたことを知っている。それが何よりも大事で、私には行く場所があり、戻れる場所がある。そしてもちろん、今の私には仕事があり、とても良い肩書がある。いったいどんな役割なのかはそのうち分かるが、とにかくとても良い。私はとどまり、私がとても気に入っている関係性があるし、これ以上優れている人に引き渡すことなどできない。われわれは共に歩んできたし、それが何年かとか、われわれの年がいくつかなんて言いたくないね。トッドは素晴らしい仕事をするだろう」

バッカニアーズは今季にエリアンスがチームのリング・オブ・オナーに迎えられることを発表している。木曜日、エリアンスは過去3シーズンの成功に触れてスタッフを称賛した。

エリアンスはスタッフについて「私は何にもしちゃいない。船を導いたのは君たちだ」とコメントしている。

アリゾナ・カーディナルスでヘッドコーチを5年務めた後に一線を退いていたエリアンスにとって、今回はまた新たな引退になる。タンパでサイドラインに戻ってくる前は、テレビブースで1年を過ごしていた。

ヘッドコーチを引退してフロントオフィスに移るというエリアンスの決断は、クオーターバック(QB)トム・ブレイディが復帰すると決断した後に下されている。G.O.A.T.が戻ってきたことで、エリアンスの動きはより容易になった。

エリアンスは引退について「シーズンの後にそのことは考えていた。だが、やはり良くなかった」と話している。

「コンバインが終わって、そのプロセスを終え、来年のチームをトムなしで組み立てようとする。そうしたらトムが戻ってくると言うんだ。私はこりゃ楽になったと言ったよ。こうなれば簡単だ。これまでにないほど、最高の形になっている。今以上にバトンを渡すのに適したタイミングはない。2月にどうなるのかは分からないが、今日がどうなっているかは分かるし、そのことに本当に満足している」

ブレイディが戻ってきたことで、ボウルズはもう一度チャンピオンシップ争いをする構えのあるチームを引き継ぐことになる。ボウルズがコーチ業を引き継ぐことから、ブレイディがセンターの後方とロッカールームでリーダーを続けることまで、エリアンスは今こそ動く時だと確信している。

「トムと話した後、このフランチャイズは素晴らしい形になっていると強く確信できた」とエリアンスは述べた。

エリアンスとブレイディの間に確執があると報じられたことについて、エリアンスはそれを否定するとともに、腰を据えて反論している。

「われわれは素晴らしい関係を築いている」と言うエリアンスは次のように続けた。

「彼を含めて、すべての選手が――ここにも数人いるが――、その全員がののしられたことになる。それも私の一部。特に新しいことではない。だが、われわれには素晴らしい関係がある。彼が引退してすぐ、私たちは毎週メールを送っていたと思う。“どこにいる? 何してる? いつゴルフしようか? いつ戻ってくる?”とね。そういうときに、くだらないことを書くやつがいる。これ以上ないくらい真実から遠いことをね」

フロントオフィスに移るにあたり、エリアンスは選手の近くにとどまり、チームが必要としていることに応えられるのがうれしいという。

「バイロン(レフトウイッチ/攻撃コーディネーター)が新しいレッドゾーンのパッケージを望むなら、それを彼に与えるつもりさ」とエリアンスはジョークを飛ばした。

長年コーチを務めてきたエリアンスにとって、これまでとの一番の違いは試合日になる。今の段階では、エリアンスは日曜日の自分の役割は分からないと話している。

「サイドラインにいるわけにはいかない。右に左にフラッグが投げられて、オフィシャルにぼろくそに言うことになるからな」とエリアンスは述べた。

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