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計画は変えずにつけ加えていくとバッカニアーズHCボウルズ

2022年04月01日(金) 12:46


タンパベイ・バッカニアーズのトッド・ボウルズHC【AP Photo/Chris O'Meara】

トッド・ボウルズは先週、タンパベイ・バッカニアーズの守備コーディネーター(DC)としての活動を終えた。現地3月30日(水)を迎えるまで、ボウルズはキャリアで2度目となるヘッドコーチ(HC)の職に就くために準備していたのだ。

バッカニアーズは木曜日に開いた記者会見で序盤にブルース・エリアンスの退陣を発表した後、ボウルズをヘッドコーチとして紹介している。チームのフロントオフィスに異動するエリアンス元HCはボウルズが後任になることを望んでいた。

ボウルズにはバッカニアーズに2つ目のスーパーボウルタイトルをもたらしたコーチの後任になるという、難しい任務が待ち受けている。幸い、優勝した第55回スーパーボウルで重要な役割を担っていたボウルズは「プログラムを変えるのではなく、つけ足そうとしている」と語った。

ボウルズはヘッドコーチを務めた経験があるが、一度はその役割から外れたということから、必ずしも華々しい昇進ではないと言えよう。2015年から2018年までニューヨーク・ジェッツのヘッドコーチを務めたボウルズは、初年度こそ10勝6敗という成績でプレーオフ進出まであと一歩というところまで導いたものの、その後の2シーズンでは5勝11敗、2018年には4勝12敗という成績に終わり、解雇されている。

困難はあったものの、その時間はボウルズにとって貴重なものになったのだろう。ボウルズはヘッドコーチとして“さまざまな役割を担う”方法を学んできたため、バッカニアーズではその経験を生かすと木曜日に強調した。

ボウルズは『NFL Network(NFLネットワーク)』のサラ・ウォルシュに対してこう述べている。「次の週に進むしかないのだ。どの週も単調なものだと思う。毎週毎週、勝てるわけではない。ニューヨークでは、それが少しできていたような気がする」

「周りにいる人たちとここに来て、どのような経緯で、どのように指導してきたかを理解することで、ものの見方やコーチング方法が変わってきたような気がしている。これは2回目に役立つと思う」

ボウルズは再び守備コーディネーターからヘッドコーチになる。この2つの仕事にはそれぞれ異なる役割があるが、だからといって、これまでの職務を誰かに譲るわけではなく、ボウルズは2022年も守備陣を指揮し続けると公表している。

ボウルズは自分の経歴を見て新しい職務を効果的に遂行できるかどうか心配する必要はないと木曜日に語った。彼は以前にもここにいたことを忘れてはならない。

「ヘッドコーチになっても、自分がディフェンス重視のコーチになるとは思っていない。私はチーム全体のヘッドコーチだ」とコメントしたボウルズは次のように続けた。「状況に応じたフットボールにするし、バイロン(レフトウィッチ/攻撃コーディネーター)とは第3ダウン残り1ヤードの状況や、2ミニッツ、試合の終え方について話し合っていく。ヘッドコーチになると、守備コーチがヘッドコーチになれるようには思えないから、ヘッドコーチになるのは無理だと言う人もいるのだが、私は全く逆だと思っている。どう見ても(ニューイングランド・ペイトリオッツのHCビル)ベリチックは優れたヘッドコーチであり、このリーグには非常に優れたヘッドコーチが数人いる。スーパーボウルを振り返ってみても・・・ディフェンスのヘッドコーチもスーパーボウルで優勝しているし、非常に優れたコーチだったという例は何年も前から見ることができる」

「しかし、NFLという面では人々はその場の雰囲気にのまれるものだ。とはいえ、攻守両面に良いフットボールコーチがいるし、もう少し公平に、平等にしていかなければならない。そのためには人々を止めるしかなく、それが私たちの目指すところだ」

ボウルズはまだこの変化を処理している最中だ。突然に訪れたこの変化は、ボウルズが自分の後任になることを確実にするために、エリアンスが危機感をもって起こした変化だと見受けられる。ボウルズは2022年の早い時期に他チームのHC候補として関心を集めていたが、結局は他の仕事を獲得していなかった。

エリアンスは月曜日にボウルズに変更を伝え、ボウルズがバッカニアーズを離れることがないように保証している。

ボウルズはウォルシュにこう説明した。「アップダウンを繰り返している。新しい仕事だが、昔の仕事でもある。ここに来れば、すべてが同じだ。スタッフを雇わなくてもいいし、建物内の全員と顔見知りだ。しかし同時に、今度は自分が責任者になる。だから、飲み込むのに1日、24時間くらいかかったけど今は最高だよ。グレイザー家や(ジェネラルマネジャーの)ジェイソン(リヒト)、ブルース(エリアンス)と話し、最高の気分だ」

明るい面もある。バッカニアーズは今、勝つことに集中しており、そのためのロースターを擁している。これは再建途中にあったジェッツと同じではなく、ボウルズにとって初めての経験でもない。

また、今回の就任は、クオーターバック(QB)トム・ブレイディが練習でディフェンスを切り刻むのを見るのではなく、ブレイディと共に一緒に準備していくことも意味しており、ボウルズは次のように明かしている。

「ああ、彼がセンターの後ろにいるのは本当に素晴らしい。ついに、対戦するのではなく、一緒にプレーできるようになった。彼にけしかけられなくても、気合の入った練習をする。素晴らしい会話もできたし、彼のことは世界一だと思っている。表面的にはそう見えなくても、私たちは現場で知らないうちに似てきているのだと思う」

「彼は私より少し冷静かもしれないから、自分もそれ以外の新しい何かを見つけなければならない。ブルースはクールさを、トムは冷静さを持っているけど、時間を無駄にすることなく自分の得意分野を見つけなければならないからね。だから、それを探して、どんな方法でもいいから見つけ出そうと思っている」

2度目のヘッドコーチになるボウルズが勝利をもたらさない場合、冷静さとクールさ、辛らつな感じ――ボウルズは木曜日に後者を獲得した――は意味を持たなくなるだろう。ただ、バッカニアーズは過去2シーズンで多くの勝利を積み重ねてきたため、誰がサイドラインを担当しても、その成果は期待できるはずだ。

【RA】