QBマレーのトレードは「確率ゼロ」とカーディナルスGMカイム
2022年04月22日(金) 12:28アリゾナ・カーディナルスのジェネラルマネジャー(GM)スティーブ・カイムがクオーターバック(QB)カイラー・マレーのトレードはあり得ないと表明したことで、チームと落ち着きを失ったマレーの状況が一変した。
現地21日(木)に行われたドラフト前の記者会見で、マレー――契約延長が決まるまでチームでプレーしないと見込まれている――をトレードする可能性があるのかと聞かれたカイムGMは「確率ゼロだ」と短く、力強く答えている。
そして、マレーもそれに同意しているようだ。
カイムGMのコメントから約2時間後、マレーは『Twitter(ツイッター)』上でその姿勢を示している。マレーがカーディナルスでキャリアを終えることに疑問を持つ元チームメイトのコーナーバック(CB)パトリック・ピーターソンとランニングバック(RB)チェイス・エドモンズが水曜日にポッドキャストで繰り広げた会話を引用して、マレーは「カーディナルスとスーパーボウルで勝ちたい。AZ(アリゾナ・カーディナルス)がホームだ」とつぶやいた。
カーディナルスのオーナーであるマイケル・ビッドウィルは『Arizona Republic(アリゾナ・リパブリック)』のケント・ソマーズとの会話でカイムGMのコメントに次のように同調している。
「そうだな、それはない。人々が耳を傾ける外部の雑音が多すぎる。われわれはそれが最近のソーシャルメディアで起こることの一部だと理解している。ただ、そうではないのだ」
カイムGMのコメントに直接的に反応したわけではないが、マレーはカーディナルス残留に専念しているようだ。とはいえ、それは新たな契約を結ぶまで実現しない。
マレーは新人契約の4シーズン目を迎えており、カーディナルスは5年目オプションを行使する可能性が高い。マレーがQBとフランチャイズ全体にとって期待外れの2021年シーズンを終えたばかりということを踏まえると、マレーが契約延長に強硬姿勢を見せたタイミングはなおさら注目に値するだろう。ロサンゼルス・ラムズに敗れたNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)ワイルドカードラウンドで、マレーはパス34回中19回成功(55.8%)、137ヤード、タッチダウンなし、インターセプト2回、パサーレーティング40.9という成績に終わった。そうして、7勝0敗で好スタートを切ったにもかかわらず、最後の6試合(ポストシーズンを含む)のうち5試合で敗れたシーズンに終止符が打たれている。
アリゾナ・リパブリックのボブ・マクマナマンによると、カイムGMは「何も変わっていない」と述べたという。「フリーエージェンシーがあり、ドラフトがあり、それから深呼吸して集中し直すというのが、うちのやり方だ。これは3年目のクオーターバックになった選手が、真夏から夏の終わりにかけて行ってきたのと同じ理由であり、われわれにとっても同じことだ」
「そういうシステムになっているのだ。長期的にも短期的にも彼がうちのクオーターバックであることに関しては、何も変わっていない」
このシステムが24歳のマレーと彼のマネジメントにとって、うまく機能していないのは明らかだ。
2度目のプロボウルに選出されてから間もなく、マレーは自身の『Instagram(インスタグラム)』のアカウントからカーディナルスに関連する投稿を削除し、そこから波乱と不確実性に満ちたオフシーズンが始まっている。
マレーがそうした行動を起こした後、カーディナルスがマレーにさらなる成熟とリーダーシップを求めているとの報道が明るみに出た。
それから程なくして、マレーとカーディナルスの関係は良好で、同じ考え方に立っていると報じられ、関係は好転したように見えていた。
しかし、そのわずか4日後、マレーの代理人が契約延長の希望を詳細に述べた斬新な声明を発表。4月14日には、新契約がまとまらなければマレーが4年目もカーディナルスにとどまる可能性は低いというニュースが飛び込んできた。
オールスターのシグナルコーラーが動揺しているにもかかわらず、カイムGMはそのスターQBをトレードする準備をしていない。フランチャイズQBを見つけることがいかに重要かを理解しており、それを追い出そうとは考えていないカイムGMは次のように語った。
「カーソン・パーマーがうちのクオーターバックだった頃、私はまともなGMだった。彼が引退したとき、私はあまり良くなかった。カイラー・マレーが私をより良いGMにしてくれると理解しているほどには賢いつもりだ。われわれは彼を全体1位で指名した。彼を愛している。彼は成長し続けている。うちをより良いフットボールチームにしてくれた。だから、彼の将来がとても楽しみだ」
マレーとカーディナルスのドラマは続いていくが、カイムGMはクオーターバックの退団でそれを終わらせるつもりはないようだ。
【RA】