最後に報道陣の前に現れてから、クオーターバック（QB）ジミー・ガロポロのサンフランシスコ・49ersとの状況にはほとんど動きがなかった。

現時点でのガロポロの投球能力についても同じことが言えるかもしれない。ガロポロは手術を受けた肩のリハビリ中で、まだフットボールを投げる許可を出されていないが、だからといって、将来に向けて準備をしていないわけではないようだ。

『SiriusXM NFL Radio（シリウスXM NFLラジオ)』に出演したガロポロはこう語っている。「まだ自分が望んでいるような状況ではない。肩の手術はうまくいったし、リハビリも順調だけど、まだプロセスの途中だ。手術を受ける前から、肩を正常に戻すには何が必要かは分かっていたけど、もうすぐここで投げるから、正しい方向に進み続けないとね。オフシーズンは長いし、トレードとか他チームへの移籍とか、いろいろな動きがあってすでにクレイジーになっている」

「分からない。結果がどうなっても仕方ないっていう状況だし、いつも通り全力で仕事に取り組んだら良い結果が得られると思っている」

先発の座を次に譲る計画が明らかになっていても、理想的なチームメイトであることを証明してきたガロポロ。2021年ドラフトでトレードアップした49ersが全体3位指名でQBトレイ・ランスを指名した後も自己憐憫（れんびん）に陥ることなく先発を務め、複数のケガを抱えながらもチームをNFC（ナショナル・フットボール・カンファレンス）チャンピオンシップゲームに導いた。

ガロポロはシリウスXMの『Mad Dog Sports Radio（マッド・ドッグ・スポーツ・ラジオ）』で『NFL.com』のアダム・シャインに「不思議な年だった。誰かにそれを望むかどうかは分からない。うまくいった。俺たちは今ここにいる」と話している。

ガロポロの努力と低迷するQB市場によって、ガロポロは49ersに戻るかもしれない。オフシーズンのトレードを見越してガロポロは2月1日に実質的に別れを告げているが、クオーターバックの回転木馬はガロポロのスペースを残すことなく乱暴に回転していた。それ以来、49ersは適切なオファーを見つけられなければガロポロを放出しない可能性が高いと公言し、ガロポロを呼び戻して次のシーズンもプレーさせる可能性を開いている。

チームに戻れば、ガロポロは自分の立場を維持するためにランスとのポジション争いに勝つ必要があるかもしれない。

ガロポロは今週、チームのオフシーズンワークアウトが行われているサンタクララに姿を見せなかったが、リハビリがまだ終わっていない状況でチームメイトとウエイトトレーニングをしないのは当然だと言えよう。注目を集めているチームメイト、ワイドレシーバー（WR）ディーボ・サミュエルも出席しておらず、少なくとも彼のトレード要請が受け入れられれば、2022年に49ersの一員ではなくなる可能性もある。

ガロポロは「舞台裏で何が起こっているのか、すべてにどんな理由があるのか、正確には分からないけど、ディーボを得るっていうのは、俺がこれまで一緒にプレーした中で最高の選手の1人を得るってことだ」と強調した。「最高のフットボール選手の1人であり、これまで一緒にプレーしてきた最高の仲間の1人だ。ディーボがルーキーだったころから一緒にやってきたから、彼の進化と成長を目の当たりにしてきた。練習でも、試合でも、ミーティングでも何でも、俺たちのために調子を整えているとき、いつでも全身全霊を込めているし、ああやってすべてを懸けるのをいとわないチームメイトがいることに感謝しなきゃいけない」

「この件がどのように解決されても、彼はその報酬を得るに値するし、どっちみち彼はそれを手にするから、彼にとってベストな状況になるように願っている。彼は史上最高だし、友人として感謝している」

サミュエルがいようがいまいが、ガロポロは今のところ49ersのメンバーのままだ。今後の成り行きが来週に開催されるドラフトの展開に大きく左右される中、カロライナ・パンサーズあるいはシアトル・シーホークスなど、他チームに移籍する余地はまだ残されている。

場所がどこであろうと、ガロポロには準備しなければならないシーズンがある。復帰の目処は立っていると話しているが、タイムテーブルは明かしていない。

「どの程度までかはまだ分からないけど、必ず準備する。まだ本格的に投げ始めてもいないから、まだまだこれからだけど、今は間違いなくいい感じだし、それに満足している」とガロポロはコメントしている。

ベテランとしてあらゆる正しいことをやり遂げてきたガロポロは、プレミアクラスのクオーターバックと比べたらそこまで実力は高くないが、間違いなく役に立つ存在だ。来月、彼の将来に何が待ち受けているのか見てみよう。

【RA】