チーフスは勝利を「追い求めるように作られている」とヴィーチGM
2022年04月24日(日) 11:032022年NFLドラフトまで1週間もない状況で、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)ではいまだにチームの増強を目指して激しい競争が繰り広げられている。デンバー・ブロンコスやラスベガス・レイダース、ロサンゼルス・チャージャーズは、ディビジョン王座に自分たちにも権利があることを主張したいと望みながら、あらゆるビッグネームをチームに迎え入れてきた。
一方、6年連続でAFC西地区王者に輝いているカンザスシティ・チーフスはどうだろうか。今オフシーズンの動きとしては、チーフスに所属していた大物選手――ワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルやセーフティ(S)タイラン・マシュー――が相次いで退団している。ディビジョン内での獲得が続いていることを踏まえると、チーフスのこうした損失によってファンや評論家の期待値が下がると考えてもおかしくないだろう。ただ、チーフスのジェネラルマネジャー(GM)ブレット・ヴィーチを、ビジネス以外のことを期待している大衆と一緒にしてはいけない。
チーフスに関して言えば、そのビジネスとは勝つことだ。
ヴィーチGMは現地22日(金)に行われたドラフト前の記者会見で「前にも言ったが、(クオーターバック/QB)パット(パトリック)・マホームズを擁しているとき、われわれは毎年それを追い求めるように作られているのだ」と述べている。「優れた選手をトレードで手放したからといって、われわれが再建モードに入ったということでは決してない。ただ、新しいリソースを見つけてアグレッシブになろうというだけのことだ」
チーフスの新たなリソースはフリーエージェント(FA)だったWRのマルケス・バルデス・スカントリングとジュジュ・スミス・シュスターとの契約という形でもたらされた。バルデス・スカントリングがWRメコール・ハードマンと連携して相手ディフェンスを打ち負かすと推測されている一方で、ポゼッションレシーバーのスミス・シュスターはマホームズが2021年シーズンと同様にセーフティ2名でのカバレッジに悩まされるような場面でその問題を解決するべく判断していくだろう。
ヴィーチGMは改造されたWR陣をさらに肉付けするために、保有している12のドラフト指名権を活用する可能性を除外していない。9月時点でのロースターの最終形態はともかくとして、最終的にヒルの空白を埋められるというヴィーチGMの自信は、チーフスで重大な位置を占めているややスピード感に欠ける存在に起因しているようだ。
「忘れるときもあると思うが、アンディ・リード(ヘッドコーチ/HC)がいかに偉大なコーチであるかという考え方や発想があると考えるときもある。彼はあらゆるタイプのクオーターバックとさまざまな攻撃スキームで勝利を収めてきた」と語ったヴィーチGMは「良い選手を集めようとしているし、4.2(秒で走るような選手)ではないかもしれないが、良い選手ばかりだ。プレーを作りだせる位置に彼らを配置して多くの試合に勝つつもりだ」と続けた。
リードHCとマホームズがコンビを組んだ2018年以降、チーフスがレギュラーシーズンで50勝を挙げ、AFCチャンピオンシップに4年連続で出場し、スーパーボウルで優勝してきた事実がヴィーチGMの指摘を強調している。AFC西地区のチームが戦力を増強している理由はチーフスにあり、彼らがその犠牲になるわけではなさそうだ。
【RA】