オールプロ選出経験のあるワイドレシーバー（WR）デイバント・アダムスをトレードし、今回のドラフトで所有していた2つの1巡目指名権をワイドレシーバーの獲得に使わなかったが、今回、グリーンベイ・パッカーズはクオーターバック（QB）アーロン・ロジャースが不安を抱いていると心配する必要はない。ロジャースは今オフシーズンの全体像をつかんでいるからだ。

『ESPN』によると、現地28日（木）夜に2022年NFLドラフトが開催されているときに放送された『The Pat McAfee Show（ザ・パット・マカフィー・ショー）』でロジャースはラスベガス・レイダースに移ったアダムスについてこう語ったという。「タフなビジネスだけど素晴らしい仕事でもある。長い間、プレーしてこられた人なら完全に理解できるだろう。今でも驚くようなことがたくさん起こる。デイバントに提示した数字と、あと何年か一緒にプレーできることが違いを生むと思っていたけど、結局、彼は前に進む準備ができていたし、それを実現するために俺の助けを求めていたんだと思う」

「間違いなくきつい立場だったさ。彼のことは大好きだし、気にかけているし、幸せでいてほしいからね。彼がいなくなれば確かに寂しくなるだろう」

パッカーズが2022年ドラフト全体22位指名権と全体53位指名権を引き換えにロジャースのトップターゲットだったアダムスをレイダースにトレードしてから1カ月以上が経った今、ロジャースは初めてアダムスについてしっかりと語っている。パッカーズは全体22位でアダムスの代替候補となるワイドレシーバーを指名するのではなく、ラインバッカー（LB）クエイ・ウォーカーを指名した。

パッカーズがアダムスと決別したことにショックを受けたことを認めたロジャースは、今後3シーズンで1億5,080万ドル（約195億7,173万円）相当の再契約を結んだとき、アダムスはチームを離れないと思っていたと明かしている。

「デイバントのことは少し意外だった――自分が決断したときは、まだ彼が戻ってくると思っていた。彼には自分の計画や将来について、それから自分のキャリアの方向性について、あと何年プレーしたいかというところまで、とても正直に話していた。でも、彼が戻ってくるような気がしていたんだ。結果としてはそうならなかったけど、タエ（アダムスの愛称）のことが大好きだし、一緒に過ごした時間に感謝している。ベガスでデレック（カー）とうまくやっていけることを祈っている。でも、その穴を埋めるのは大変だ」

レイダースと5年1億4,125万ドル（約183億3,227万円）の大型契約を結んだアダムスは、ロジャースと同様に高額の報酬を得る予定だ。パッカーズはアダムスを引きとめるためにさらに高い金額を提示したと報道されているが、アダムス本人はレイダースでプレーする道を選んでいる。

誰がパッカーズでロジャースと一緒にプレーするのだろうか。パッカーズは今オフシーズンにアダムスだけではなくWRマルケス・バルデス・スカントリングやWRエクアニメウス・セント・ブラウンも失っているが、サミー・ワトキンスやアレン・ラザード、ランドール・コブ、アマリ・ロジャース、ジュワン・ウィンフリーをWR陣に擁している。要するに、パッカーズのWR軍団はまだ未完成だ。

注目すべきは、そこに2022年ドラフト1巡目指名選手が含まれていないことだ。パッカーズは全体22位でウォーカー、全体28位でウォーカーと同じジョージア大学出身のディフェンシブタックル（DT）デボンテ・ワイアットを指名して、今オフシーズンにライバルのミネソタ・バイキングスに移ったアウトサイドラインバッカー（OLB）ザダリアス・スミスを失った守備陣を強化しようとしている。実のところ、パッカーズは2002年にジャボン・ウオーカーを指名して以来、ドラフト1巡目でワイドレシーバーを選択してこなかった。

パッカーズが2020年ドラフト1巡目でQBジョーダン・ラブの指名を決断して困惑させられたときと違って、今回は何が起こるか（そして起こらないか）を理解していたと明かしたロジャースは、チームがこれからも積極的にWR探しに励むと期待しているようで、次のように話している。

「パッカーネーションはなんでレシーバーを取らなかったのか、トレードアップしなかったのかと疑問に思うだろう。だけど現時点では、組織を信頼して、明日以降のドラフトで誰を指名してもそれを信じなきゃいけないし、俺はそのメンバーでうまくいくように時間をかけて、（ヘッドコーチ／HC）マット（ラフルアー）のオフェンスで成功する方法を見つけるつもりだ――これまでと同じようにね」

「今年もこれまでと何1つ変わらないし、うまくやっていけるはずだ」

【RA】