経験豊富なCリンダーバウムは他の新人より有利だとレイブンズHCハーボー
2022年05月08日(日) 16:49ボルティモア・レイブンズのオフェンシブラインが2021年に味わった苦悩は、クオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンが指揮を執る中で初めてプレーオフ進出を逃したシーズンと密接に関係していた。
昨季に許したサックが57回でNFL31位に終わったことを受けて、レイブンズは今オフシーズンのアップグレードによってその流れが変わることを望んでいる。そのレイブンズからドラフト1巡目で指名されたタイラー・リンダーバウムは、センター(C)に空いた最も目立つ穴を埋める立場にある。
レイブンズのヘッドコーチ(HC)ジョン・ハーボーは現地7日(土)に行われたチームのルーキーミニキャンプで、リンダーバウムが過去の経験から、新人としては有利な立場にあると考えていると語った。
チーム公式サイトによると、ハーボーHCは「彼はキャリアを通じてずっとセンターをやってきたから、いい位置にいると思う」と述べたという。「カーク・フェレンツがOラインコーチを務めているし、アイオワ大学にはいつも素晴らしいOラインコーチがいるから、アイオワ大学の他のオフェンシブラインマン(OL)と同じように、彼もよく教育されている。他の面を言うと、それはチャレンジだ。今はプロのフットボール界にいて、学ぶべきことが多くあるからね。だから、先発を務めるか務めないか、われわれがどう対処するかという観点から見ると、彼がその状況でどれほど早く成長するかが重要なポイントになってくる。他の選手もいる。パット(パトリック)メカリだ。パットにはその役割について話したし、つまり、彼は大きな役割を担っていくことになる。どれだけ揺れ動いても、どんなふうに揺れ動いても、結果はいずれ分かる」
昨年の先発Cブラッドレー・ボーズマンの後任となるのは、アイオワ大学出身の新人にとっては難しい課題となるだろう。ボーズマンはそれなりに負傷者が多いレイブンズの中で最も安定したOLの1人だった。リンダーバウムは今後数年間にわたってレイブンズの先発を務められると感じている一方で、今はベテラン選手たちに追いつきたいと考えているようで次のように話している。
「先輩たちが加わったら、できる限り吸収していきたいと思っている。特に、オフェンスとコミュニケーションの理解。今はルーキーばかりだから、何とも言えない。先輩たちのやり方と比べると、今の自分は何もかも間違っているかもしれないしね」
「センターというポジションには、リーダーシップが必要だと思っている。適切なポジションに人を配置し、適切なコールをしなきゃいけない。ずっとセンターをやってきたから、それは自然にできるようになっていると思う」
リンダーバウムに加えて、レイブンズはオフェンシブタックル(OT)アレハンドロ・ビラヌエバが引退したことで空いたライトタックル(RT)の穴を埋めるため、あるいはデプスチャートを強化するためにベテランOTモーガン・モーゼスと契約した。屈強なレフトタックル(LT)ロニー・スタンリーと、2021年シーズンを棒に振ったOTジェイウワン・ジェームスがケガからの復帰を目指している中で、レイブンズとジャクソンは今後のオフェンシブラインの可能性に期待しているはずだ。
身長約188cmとサイズを欠いているリンダーバウムはそれを積極性でカバーしている。強健な22歳のリンダーバウムはランプレーを多用するアイオワ大学でランブロッカーとして優れた才能を発揮し、最終学年にはリミントン・ペース・オフェンシブラインマン・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
2018年にジャクソンが指揮を執るようになってから、ランプレーがレイブンズの得意分野になっているため、リンダーバウムはレイブンズを立て直すのに最適な人物のように見える。
リンダーバウムはプロのゲームへの適応とショットガンの形で攻撃を仕掛けることについて「結局のところ、フットボールはフットボールだ」と語り、「俺たちは似たようなことをやっているけど、異なる言葉遣いがたくさんある。それを今、やり遂げようとしているところだ――ただ言葉やコミュニケーションを理解するだけだ。それはいい感じになってきたと思う。とはいっても、まだシーズン中にやっていくことの10%しかやっていないから、学ばなきゃいけないことはもっと多くある。でも、今のところはいいスタートが切れたと思う」と続けている。
【RA】