ドルフィンズがDEイングラムと6億円の1年契約に合意
2022年05月17日(火) 10:07マイアミ・ドルフィンズがディフェンシブエンド(DE)メルビン・イングラムと1年500万ドル(約6億4,446万円)の契約で合意したと、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地16日(月)に伝えた。
昨シーズンに同地区の2チーム――バッファロー・ビルズとニューイングランド・ペイトリオッツ――がプレーオフ進出を果たしたことを受けて、ドルフィンズはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)東地区で再び互角に戦えるチームになるために今オフシーズンに多額の出費を重ねている。ドルフィンズは攻守両面のデプスを強化するべく、影響力の強い選手と再契約を結んだり、そうした選手を新たに獲得したりしてきた。
イングラムはロサンゼルス・チャージャーズ在籍時の2017年から2019年にかけて、ディフェンシブエンドとして3回連続でプロボウルに選出されている。2015年から2019年にかけては毎シーズン、最低でも7回のサックをマークし、キャリアハイの10.5回を2度達成した。2021年シーズンの途中に2022年ドラフト6巡目指名権と引き換えにピッツバーグ・スティーラーズからカンザスシティ・チーフスにトレードされたイングラムは、すぐにチーフス守備陣の貴重なピースとなっている。イングラムを獲得する前、チーフスはシーズン開幕から4勝4敗という成績で、ディフェンシブフロントから複数の負傷者が出ていたこともあってトータルディフェンスはNFLで29位に位置していた。イングラムがロースターに加わってから状況が好転したチーフスは、その後の成績を8勝1敗とし、最終的にAFCチャンピオンシップゲームまで駒を進めている。
チーフスでレギュラーシーズンの6試合に先発出場したイングラムはタックル15回とサック1回をマーク。その後、プレーオフの3試合にもすべて先発し、タックル5回とサック2回を記録している。サックの回数は全盛期の頃と比べると少なくなっているが、イングラムのクオーターバック(QB)プレッシャーはチーフスのパスラッシュユニットにとって不可欠な要素となっていた。
そのイングラムは、グレッグ・ローゼンタールが選ぶ2022年フリーエージェント(FA)トップ101のリストで25位にランクされている。
ドルフィンズはこれまで、できる限り多くの守備選手を呼び戻し、オフェンスを勢いづけてくれるような選手を獲得することで、2021年シーズンの9勝8敗という戦績を改善させようとしてきた。今季、イングラムの反対側でプレーする可能性が高いのはドルフィンズと4年の再契約を結んだDEエマニュエル・オグバだ。ドルフィンズと再契約した選手としては、ディフェンシブタックル(DT)ジョン・ジェンキンス、ラインバッカー(LB)デューク・ライリー、ブレナン・スカーレット、エランドン・ロバーツ、そしてコーナーバック(CB)ザビエン・ハワードなどが挙げられる。つまり、イングラム獲得に向けた動きと同時に、ドルフィンズは既存の守備選手のほとんどをそのままチームにとどめる一方で、さらなる強化を目指して新しい顔ぶれを加えていた。
ドルフィンズはオフシーズンに攻撃陣の補強をするために何度も大きな動きに出たことでも話題になっている。大型トレードでのワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルの獲得を始めとし、WRセドリック・ウィルソンやランニングバック(RB)チェイス・エドモンズ、ソニー・ミシェル、ラヒーム・モスタートなどとも契約を結んでおり、今秋にQBトゥア・タゴヴァイロアのターゲットになれる人材を集めている。
【RA】