ラムズHCマクベイの下でのプレーに期待を抱くWRロビンソン
2022年05月22日(日) 17:51オールスター級の実力を持ちながらも、所属チームの不調によってそれを発揮できないことが多かったワイドレシーバー(WR)アレン・ロビンソンが、NFL9年目のシーズンを迎えてようやく成功するための絶好のチャンスを手に入れている。
昨季のスーパーボウル覇者であるロサンゼルス・ラムズに移籍したロビンソンは、キャリア史上3つ目のフランチャイズと4人目のヘッドコーチのもとでプレーすることになり、今季が自己最高のシーズンになると信じているようだ。これは、これまでの経歴を踏まえると、かなり重要な発言だと言えよう。
チームの記者であるステュー・ジャクソンによると、ロビンソンは今週に「(ショーン)マクベイ(ヘッド)コーチと彼が作り上げたオフェンス、彼らの動かしているオフェンスは、理由があってリーグトップのオフェンスになっている。俺の力を最大限に引き出してくれると心から信じているし、自分の持つすべての要素を発揮できるはずだ」と語ったという。
ジャクソンビル・ジャガーズ時代に1度プロボウルに選出されたことのあるロビンソンは、2018年にシカゴ・ベアーズに移籍して、チームの将来性を豊かなものにする存在として重要な役割を担っていた。ベアーズはロビンソンが加入した年に、アウトサイドラインバッカー(OLB)カリル・マックを獲得してさらに勢いに乗り、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区のタイトルを獲得している。しかし、その素晴らしい時間はわずか1シーズンしか続かず、結果的にロビンソンとマックは今、どちらもロサンゼルスにいる。ロビンソンがラムズと3年契約を結んだ一方で、マックはロサンゼルス・チャージャーズにトレードされたのだ。
2018年シーズンの後、ロビンソンの記録は次の2シーズンでさらに向上したが、チーム全体としては苦戦を強いられ、オフェンスのアイデンティティーは確立されなかった。
現在のロビンソンはマクベイHCと短期間しか一緒に過ごしていないにもかかわらず、すでに心を通わせているように見える。
『USA Today(USAトゥデー)』のキャメロン・ダ・シルバによると、ロビンソンは「彼は選手にプレーを許してくれる。修正することはあっても、彼には選手にプレーを委ねる才能がある」と話しているという。「俺たちは毎日、そこへ行って練習をしながら、やっていることが正しいのか、間違っているのかを判断して、修正し、調整することができる。選手たちに自由にプレーさせて、それをもとに修正すればいいというのが彼のコーチングスタイルだ。だから、フィールドに出るときはいつも、自分らしくいられる。失敗したり、間違ったりしたら、彼が修正してくれるし、俺たちはそのまま推し進めるだけでいいんだ。フィールドに立つたびに、最高の自分でいられるし、最高の状態でプレーできると思っている」
28歳のロビンソンはベアーズで当時の新人クオーターバック(QB)ジャスティン・フィールズとまったく息が合わずに残念な2021年シーズンを終えたばかりだ。とはいうものの、昨年のベアーズ攻撃陣で調子の良い選手は1人もいなかったと言える。ロビンソンは2019年から2年連続で1,000ヤードを達成し、平均100回のキャッチを決めていたものの、昨季はキャッチ38回で410ヤードという記録だった。
『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、フィールズはロビンソンが共に5試合以上をプレーした6人のクオーターバックのうちの1人だという。そのクオーターバック――フィールズ、ニック・フォールズ、チェイス・ダニエル、アンディー・ダルトン、ブレイク・ボートルス、ミッチェル・トゥルビスキー――はいずれも、キャリア平均のパサーレーティングが90を切っており、平均パスヤードが7.0以下となっている。
共にプレーしてきたクオーターバックには一貫性がなかったにもかかわらず、それでもロビンソンは継続的に成果を上げてきた。
今後は、間違いなくこれまで共に戦ってきたどのクオーターバックよりも才能と実績のある、QBマシュー・スタッフォードとプレーすることになる。
また、昨季にワイドレシーバーとして2005年以来初めてレシーブ記録で3冠を達成したWRクーパー・カップとも合流する予定だ。
2019年から2020年にかけて、ロビンソンはキャッチ200回、2,397ヤードを記録してNFL3位につけている。そのレベルのレシーバーがマクベイHC率いるオフェンスに加われば、今後の展開に期待ができるはずだ。
ロビンソンにとっては、キャリアで初めて優秀なクオーターバック、オールプロ選出経験のあるレシーバー、そして実績のあるコーチが一度にそろっている。
ロビンソンはほぼ間違いなく、最も良い状態になるための完ぺきな環境を手に入れたのだ。
【RA】