ニュース

QBのポジション争いの行方は分からないと49ersのTEキトル

2022年05月23日(月) 12:21

サンフランシスコ・49ersのジョージ・キトル【AP Photo/Marcio Jose Sanchez】

サンフランシスコ・49ersではクオーターバック(QB)トレイ・ランスの時代が始まると、すべての兆候が示している一方で、QBジミー・ガロポロがロースターに残っている限りは疑問が消えることはないだろう。

スタータイトエンド(TE)のジョージ・キトルはそのように最も関心を寄せられている話題に触れ、どちらのクオーターバックがいいのかという質問に対しては2人の特徴を分析して説明している。

『Pro Football Talk(プロ・フットボール・トーク)』によると、キトルは現地20日(金)に報道陣に対して次のように語ったという。「その質問は難しすぎるだろう? 自分が49ersのヘッドコーチ(HC)じゃなくてよかったと思う理由の1つさ。全部(カイル)シャナハンコーチの判断にかかっている。俺はどっちの可能性も示しておくよ。ジミーGはハドルを組んだとき素晴らしいし、みんなを導いてくれる素晴らしいリーダーだ。彼が話していると、みんなが注目する。投げる判断が速いし、オフェンスも熟知している。すでに言った通り、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームに2回出場しているし、自分が何をしているのかも理解している。トレイ・ランスは走れるし、プレーの幅を広げられるし、信じられないようなプレーアクションもできるし、70ヤードのパスも投げられる可能性もある。分からない。俺には甲乙つけがたいことだ」

ガロポロが司令塔を務めていた過去3年間で、49ersは2回NFCチャンピオンシップゲームに出場し、2019年シーズンには第54回スーパーボウルにも出場した。その49ersは2021年ドラフトに臨む前にランスに好機を見いだし、大量のドラフト資本と引き換えに全体3位指名権を獲得して彼を指名している。

そのような動きに出たことで、QBポジションに対するチームの思惑は明らかになった。しかし、簡単に機能不全に陥りそうな居心地の悪い状況にもかかわらず、ガロポロはすべてを冷静に受け止めていたとキトルは明かしている。

「つまり、誰でも分かることだ。クオーターバックを獲得するためにドラフト1巡目指名権を3つトレードした時点で、その前兆はあるわけだろう? ジミーは毎日、ただただプロフェッショナルであり続けた。一度たりとも文句を言わなかった。隅に寄ってその状況についてくだらないことを話していたわけでもない。毎日、サンフランシスコ・49ersの先発クオーターバックとして姿を現した。毎日、出てきて練習をした。毎日欠かさずに一生懸命に取り組んでいた。若い選手たちだけじゃなくて、俺たち全員に対して良い手本を見せ、みんなをやる気にさせてくれた」

「NFLの中で、あの状況に対してジミー・ガロポロ以上に優れた対応をするプロフェッショナルはいないと思う。あの年、彼は周りのみんなをより良くしてくれた。誰も直面していないことに向き合っただけじゃなくて、見事にやってのけたんだ。俺は自分のことなら何でも対処できるし、前に進んで、ただフットボールをしに行ける。あれは素晴らしかった。彼の対処の仕方は俺たちにとって素晴らしいものだった。俺は他の誰かにそうしてほしいと望んだことはないけど、彼はそれで多くを成し遂げて高いレベルでプレーしていた」

ガロポロは今オフシーズンに肩の手術を受けており、それが2021年以降に話し合われてきたトレードの可能性を低くしているようだ。49ersのジェネラルマネジャー(GM)ジョン・リンチは最近、トレードが実現しなければガロポロを手放すつもりはないと公言している。また、今夏にトレーニングキャンプが始まったときにガロポロがチームに残っていても、ロッカールームの注意が散漫になることはないと見ているキトルは次のように強調した。

「今となってはもう慣れてしまったことだ。ACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂した2018年シーズンの後から、ジミーGはずっと厳しい目で見られてきた。あのシーズンはずっと、“ああ、ジミーGなんだ”という感じだった。それから彼は復帰して、みんなをスーパーボウルに導いて、そこで負けて、次のオフシーズンも“ああ、ジミーGなのか”という感じだった。2020年にはまたケガをした。ナイナーズにとってはタフな1年だったけど、その後に調子を取り戻してまたNFCチャンピオンシップゲームに出場した。俺たちはこれを経験してきた。それが現実だ。だからあまり支障はないと思う。建物の中にいると分からないもんさ。毎日、みんなやって来て、ルートを走り、ウエイトトレーニングをし、ミーティングに参加しているけど、それは話題にもならない。ジミーGもトレイ・ランスも、ネイト・サッドフェルドも、あるいはわれらが“ミスター・イレレバント(ドラフト最後に指名された選手)”のブロック・パーディーも、俺たちはみんな、より良くなるためにここにいる。投げてくれる人が誰であれ、誰よりも多く俺に投げてくれることを期待している」

キトルはオフシーズンに、ランスに“すごく大きな伸びしろがある”とコメントしており、ランスは今季にチームの指揮を任される予定だ。説得力のある主張を展開していた一方で、どちらのクオーターバックが投げることになってもまったく問題ないと明言したキトルはこう語っている。

「俺にボールを投げてくれるんだったら、どうなってもいい。フットボールはコンペティティブなスポーツだ。競争がなかったら、毎日のように先発の座を争っていなかったら、それ以上成長することはないだろう。あの2人が1年を通してお互いを高め合っているのを見られてよかった。トレイはジミーから多くを学んだと思う。もしトレイが先発で、そこに成長痛が伴ったとしても、それは仕方がない。うちにはトレント・ウイリアムスも(ブランドン)アイユークも、うまくいけばディーボ(サミュエル)も、そして俺も、ランプレーで動くヤツらも、彼が成功するのに貢献できる選手は十分にいる。彼の周りにはその成功を支えてくれる選手がたくさんいると思う」

【RA】