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NFLオーナーたちが空席のQBコーチ職へのルーニールール適用を承認

2022年05月25日(水) 10:18

NFLロゴ【AP Photo/Kyusung Gong】

今年の春季リーグ総会ではNFLのコーチの採用プロセスに関する決議がいくつか行われたが、おそらく最もインパクトのある裁定は、クオーターバック(QB)コーチの採用に適用されたものだろう。

空席となっているQBコーチの職もルーニールールの対象となると、現地24日(火)に『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが報じている。

この裁定により、NFLの各チームは空席のQBコーチ職を埋めるにあたって、外部のマイノリティや女性候補者と必ず面接をしなければならない。

この変更はリーグにおけるコーチ陣の多様性を求める声が高まっていることを反映している。QBルームからキャリアをスタートさせるヘッドコーチ(HC)候補が多いことから、この裁定により、今後はヘッドコーチとして採用されるマイノリティが増えることが期待される。

NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは春季リーグ総会の記者会見でこう語った。「もう少し努力しなければならないのはオフェンス面だということは、かなりオープンにしているつもりだ。なぜなら、多くのチームがクオーターバックを育て、攻撃システムを構築できるオフェンスコーチを雇うことの必要性をこれまで以上に強調しているからだ。攻撃コーディネーター(OC)、そしてヘッドコーチとして採用されるような、そういう立場の候補者がもっと増えることを期待している」

NFLのオーナーたちはリーグのタンパリング防止ポリシーを修正する決議案も承認した。

各チームは、他のNFLチームに雇用されている者をヘッドコーチの候補者として面接するにあたり、候補者の雇用主がプレーオフに参加していない、またはワイルドカード出場で1回戦が免除されている場合に限り、候補者が所属するチームの第18週の試合が終了した3日後まで行うことが禁止される。

ワイルドカードゲームに参加するチームの候補者は、それらのプレーオフ1回戦の試合終了後の火曜日(土曜日と日曜日の試合の場合)または水曜日(月曜日の試合の場合)に面接を受けることができる。

一方で、候補者が採用を希望するチームにすでに所属している場合、あるいはNFL内で雇用されていない場合は、ワイルドカードゲームが終了する前に直接面接を行うことができる。

NFLの上級副社長兼、多様性および包括性推進担当のジョナサン・ビーンは次のように述べている。

「われわれはそのプロセスについて、より良い方法や、時にはスピードを落として、チャンピオンシップを争うチームにとって負担にならない方法などを模索しながら議論を重ねてきた。その結果たどり着いたのが、まずは候補者との面接に3日間は待たなければならないということ。それは候補者自身から、プレーオフの試合を終えた翌日に面接を申し込まれた場合、特にその試合に負けた場合はかなり無理がある、と言われたからだ。そこでわれわれはその点に着目し、候補者自身の声に耳を傾けるようにした。また、採用に関しても、オンラインでの面接が可能なため、実際のプロセスを遅らせるのではなく、対面での採用のプロセスだけを遅らせたいという意図がある。シーズン終了後、つまり、シーズンが終了したチームが多くなるワイルドカードゲームの後まで待てば、リーグ全体としてより効率的に対面での面接を進められると考えている」

火曜日の裁定は、他のチームに雇用されているHC候補者に面接の準備をする時間を与え、プロセス全体を向上させるものとなる。この新しい決議により、レギュラーシーズン第1週にヘッドコーチが退団したチームについては、レギュラーシーズンの最後の2週間にヘッドコーチの面接を行うことが許されるという昨年の裁定は事実上無効となった。

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