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NFL歴代3位のラッシャー、フランク・ゴアが49ersの一員として引退

2022年06月03日(金) 11:52

フランク・ゴア【AP Photo/Phelan M. Ebenhack】

2005年春、サンフランシスコ・49ersは3巡目指名権を用い、膝の負傷歴があるランニングバック(RB)を指名した。その選手の有望さに賭けたのだ。

16年のNFLシーズンで1万6,000ラッシングヤードを記録したフランク・ゴアは、間違いなくリーグの歴史の中で最も生産的なキャリアを歩んだランニングバックの一人だ。

NFL歴代3位のリーディングラッシャーとなったゴアが、49ersと1日の契約を結んで正式に引退すると『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが報じている。

この報道の後、49ersがゴアとの契約とそれに続く引退、および、ゴアが49ersの殿堂に加えられることを発表した。

チームが出した声明で、ゴアは「2005年に49ersが俺をドラフトしたとき、俺が最初に言ったことが、彼らは正しい選手を選んだってことだ」と語っている。

「俺は早くから、大学時代のキャリアをケガで定義させる気はなかったし、自分が望むところにいるにはたくさんのやつらを仕事で上回らなくちゃならないって分かっていた。サンフランシスコで10年、NFLでは16年を過ごして、俺は自分の持てるものすべてをフットボールのゲームにつぎ込んだと、自信を持って言える。フットボールはこれまでも、今も、俺にとってのすべてだ。ミーティングから映像の研究、練習、そしてただロッカールームにいるだけでも、すべてが俺にとっては世界そのものだった。俺の人生のこのチャプターを正式に終えられることがうれしいし、自分が達成できたことや、自分が残してきたレガシーを誇りに思っている」

「この道を歩む中でずっと支えてくれた家族全員に感謝したい。デニーズとドクター・ヨーク、ジェド・ヨーク、そして俺が幸運にも一緒にプレーできたコーチたちにも感謝を。チームメイトたち、一緒に汗を流し、試合でピリピリした時間を共に過ごした皆に、俺が現状に満足せず、もっと上を目指すようプッシュし続けてくれたことに感謝している。すべてのスポーツの中でも最も歴史あるチームの一つである49ersの殿堂に迎えられることについては、言葉にならない。このオーガナイゼーションはこれからもいつも俺の一部であり、ずっと俺とかかわり続ける。これからの人生でもサンフランシスコのことを“俺たち”と言い続けるし、49ersと“ザ・フェイスフル”を可能な限りの方法でサポートする」

「永遠にナイナーの一人。@frankgoreが49ersと1日の契約を交わし、サンフランシスコ・49ersから引退する」

5度のプロボウラーで、プロフットボールの殿堂のオール2010年代チームのメンバーであるゴアは、キャリア5つ目にして最後のチームになったニューヨーク・ジェッツでの2020年が終わった後はプレーしていなかった。当初は4月に引退の意思を示し、カムバックのうわさに終止符を打っている。

キャリア通算1万6,000ラッシングヤードはそれぞれ殿堂メンバーであるエミット・スミス(1万8,355ヤード)やウォルター・ペイトン(1万6,726ヤード)に続く記録だ。また、ラッシングタッチダウン81回は歴代19位となっている

最終的な記録としてはキャリー3,735回(歴代3位)でキャリー平均4.3ヤード、タッチダウン計100回(ラッシングが81回、レシービングが18回、ファンブルリカバリーが1回)をマーク。49ersでの10シーズンとインディアナポリス・コルツでの3シーズン、そしてマイアミ・ドルフィンズ、バッファロー・ビルズ、ニューヨーク・ジェッツでの各1シーズンを通して、キャッチ484回、3,985ヤードを記録している。

最も大きな疑問は、ゴアがオハイオ州カントンのプロフットボールの殿堂に迎えられるかだ。

NFL歴代3位のラッシングリーダーではあるものの、ゴアはキャリアを通じてラッシングヤードでリーグのトップに立ったことがない。2006年にマークしたキャリアベストの1,695ラッシングヤードや試合平均105.9ラッシングヤードを除けば、1シーズンに1,214ヤードを超えたことがなく、1試合では105.9ヤードを超えたことがない。

ボクシングに手を出す一方で、49ersのフロントオフィスにかかわりたいとの意思を示してきたゴア。先に何が待ち受けているかは分からないが、後ろを振り返れば、最も着実で印象的なNFLのランニングバックの一人として活躍した記憶がしっかりと残っている。

不確かなことが多いNFLの世界で、ゴアはいつでも頼りになるランニングバックだった。そのことがリーグ歴代3位のラッシャーという記録にあらわれている。

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