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頭部へのダメージ軽減を目指し、“ガーディアンキャップ”がデビュー

2022年06月09日(木) 15:00

カロライナ・パンサーズのダクアン・ジョーンズ【AP Photo/Nell Redmond】

トレーニングキャンプに向けて各チームがオフシーズンのワークアウトを進めていく中で、多くの選手が頭部のプロテクトのための新しい装備を初めて着用する姿が見られている。

今週から始まっているミニキャンプの中で、ヘルメットの上に装着するソフトシェルのパッドである” Guardian Cap(ガーディアンキャップ)”が初めて登場している。これは頭部へのコンタクトがもたらす力を軽減し、シーズンに向けた準備の中で発生することのある脳しんとうの件数を減らすことを意図している。

NFLは3月に行われた年次リーグ総会でガーディアンキャップの使用を義務付ける決議を通過させた。これにより、特定のポジションの選手たちはトレーニングキャンプ開始からプレシーズンの2試合目までの間にガーディアンキャップを使用することが求められる。NFLは頭部の衝突でかかる力を、衝突にかかわった選手の1人がガーディアンキャップを使用することで10%、すべての選手が使用することで20%軽減できるとしている。この試みは脳しんとうをはじめとする負傷につながる頭部の衝突を、回避可能な範囲で減少させるためのNFLの取り組みの中での大きな動きとなっている。

トレーニングキャンプが始まるのは7月後半からだが、一部のチームはすでにOTAやミニキャンプでガーディアンキャップの使用を開始している。

このキャップの使用がトレーニングキャンプからプレシーズンゲーム2試合目までに求められるのは、この期間の脳しんとう発生率が高いからだ。これは一部には、最終的なカットに向けてチームが選手たちの評価を行うべく、より多くの選手がフィールドに立つことや、フルコンタクトの練習がトレーニングキャンプで始まることに起因すると見られる。

現在のところ、着用が義務付けられるのはフルコンタクトのトレーニングキャンプで最も多くのヒットを受けるラインマンとタイトエンド(TE)、ラインバッカー(LB)だ。しかし、一部のチームはさらに多くのポジションに適用する可能性があり、ピッツバーグ・スティーラーズでは火曜日のミニキャンプで全選手がソフトシェルのパッドをつけている姿が見られている。

『Pittsburgh Tribune-Review(ピッツバーグ・トリビューン・レビュー)』によれば、ヘッドコーチ(HC)のマイク・トムリンは「彼らの安全のためだ。私たちがそこから逃げることはない。われわれはそこに向かっている。われわれは、これを自分たちにとって問題のないものにするつもりだ。それはわれわれのやっている仕事に関するものだ」と話したという。

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