コマンダースが議事堂での暴動を軽視する発言をしたデル・リオDCに1,300万円の罰金
2022年06月11日(土) 16:38ワシントン・コマンダースは、ジョージ・フロイドさんの死に対する抗議活動と、2021年1月6日に米国連邦議会議事堂で起きた暴動を比較する発言をした守備コーディネーター(DC)ジャック・デル・リオに10万ドル(約1,344万円)の罰金を科した。
コマンダースは現地10日(金)、ヘッドコーチ(HC)ロン・リベラがデル・リオDCに罰金を科し、その金額を合衆国議会警察メモリアル基金に寄付することになったと発表している。
リベラHCは声明で次のように述べた。「今朝、デル・リオコーチに会って、水曜日のコメントにどれほど失望しているかを伝えた。彼のコメントは組織の見解を反映したものではなく、ここDMV(コロンビア特別区、メリーランド州、バージニア州)の素晴らしいコミュニティを極度に傷つけている。昨晩の公聴会で見たとおり、2021年1月6日に議事堂で起こったことは国内テロ行為だった。市民グループが自由で公正な選挙結果を覆そうとし、その結果として、人命が失われ、国会議事堂も被害を受けた。デル・リオコーチは水曜日の発言について謝罪し、あの暗黒の日の出来事と、民主主義の象徴である平和的な抗議活動との違いを理解している。彼は米国市民として自分の意見を言う権利があり、それは憲法上でも当然の権利だ。しかしながら、言葉には結果が伴うものであり、彼の言葉は私たちのコミュニティの多くの人々を傷つけている。私たちの組織は、ジョージ・フロイドさんの殺人事件をきっかけに正義を求めた人々と、1月6日に政府を倒そうとした人々の行動の間に、いかなる同等性も認めないということを明確にしておきたい」
「状況や経緯を振り返った結果、デル・リオコーチに10万ドルの罰金を科すことにし、チームはそれを合衆国議会警察メモリアル基金に寄付する予定だ。今朝、会話を交わした後、彼が自分の言葉が持つ影響力とチームが支持している価値観についてより深く理解するだろうと強く感じている」
59歳のデル・リオDCが抗議活動と暴動を比較する内容を『Twitter(ツイッター)』に投稿したことを受けて、10万ドルの罰金が科されることが決定している。水曜日に記者会見に臨んだデル・リオDCは自分の意見を擁護し、暴動を軽視して「騒動」と呼んでいた。
デル・リオDCはその際に「人々の生活が破壊され、店が焼かれても問題ないとされる。その後に国会議事堂で騒動があって、何も燃えていないのにこっちは大きな問題として取り上げられている。これはダブルスタンダードだと思うのだ」と強調していた。
暴動を「騒動」と軽視する発言が拡散された後、デル・リオDCはそうした表現を使ったのは「無責任であり、過失だった」と謝罪している。
デル・リオDCの発言はワシントンの元選手や他のNFL選手、多くのメディアから非難を浴びた。NAACP(全米有色人種地位向上協会)もこの発言を受けて、デル・リオDCの辞任か解雇を要求している。
今週、複数のコマンダースの選手がデル・リオDCについてのコメントを求められた。ディフェンスのキャプテンを務めるディフェンシブエンド(DE)のジョナサン・アレンは『NBC Sports Washington(NBCスポーツ・ワシントン)』に対して「彼の意見はどうでもいい。毎日出勤して一生懸命働いてくれるなら、俺が守備コーディネーターに求めるのはそれだけだ」とコメントしている。
2003年から2011年までジャクソンビル・ジャガーズ、2015年から2017年までオークランド・レイダース(現ラスベガス・レイダース)でヘッドコーチを務めていた経験のあるデル・リオは、2020年にリベラHCが指揮を執るようになってからワシントンの守備コーディネーターとして活動している。
デル・リオDCが就任した2020年に守備陣は許したトータルヤードで2位につけていたものの、2021年には22位となった。同じように、許したパスヤードでは2位から29位に、試合ごとに許した得点では4位から25位に、サック数では6位から17位に順位を落としている。
【RA】