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より多くの責任が伴う中で自信を深める2年目のチーフスLBボルトン

2022年06月13日(月) 11:09


カンザスシティ・チーフスのニック・ボルトン【Kevin Terrell via AP】

セーフティ(S)タイラン・マシューはもういないが、カンザスシティ・チーフスの守備陣にいる32番は2022年シーズン以降も目立つ存在であり続けるだろう。

キャリア2年目のシーズンを迎えるにあたり、ニック・ボルトンは先発ミドルラインバッカー(MLB)としてユニットの主要な司令塔になることが決まっている。新たな責任を担い、リーダーシップを発揮するようになったとき、ボルトンはカンザスシティで過去3シーズンにわたってその責任を負いながら成功してきた選手と同じ背番号を身につけるのにまさにふさわしい選手と言えるはずだ。

ミズーリ大学で32番を着用していたボルトンは、昨年の今頃と比べて快適さが上がっていると感じている。

チーム公式サイトによると、ボルトンはOTA(チーム合同練習)で「180度違うな。前よりずっとスムーズになった」と話しているという。「周りのみんなのおかげで、チームを引っ張り、速くプレーすることに自信を持てるようになった。だから、俺はみんなを頼りにしているし、みんなも俺を頼りにしてくれている。これからもそうし続けて、日々を重ねていく」

チーフスがボルトンを信頼している証拠は、オフシーズンにベテランMLBアンソニー・ヒッチンズが放出された後に明らかになっている。ルーキーシーズンの大半でウィークサイドラインバッカー(WLB)としてプレーしていたボルトンは、今オフシーズンにポジションが変更された。ボルトンはスピードを備えたミドルラインバッカーとしてプレーすることになるが、新しい責任をきちんと果たすためにはまだ改善の余地があると考えているようで、次のように説明している。

「今の俺にとって重要なのは視野で、フィールドをよりよく見ることだ。1年目を迎えてすぐの頃は全部が速く動いているように見えたけど、シーズンが進むにつれてちょっとだけ、ゆっくり見えるようになった。今シーズンは、とにかく視野を広げて、フィールド上のいろいろなことを一度に見られるようにする。そうしたら、もうちょっと速くプレーできるようになると思うから、それを目指している」

ボルトンはルーキーシーズンにチーム最多となる112回のタックルと11回のタックルフォーロス(TFL)を記録しただけではなく、86ヤードのファンブルリカバータッチダウンを決めるなど、十分な経験を積んだ。2000年以降に110回以上のタックルと10回以上のTFLを決めた9人目のルーキーとなり、インディアナポリス・コルツのLBダリウス・レナードが2018年に達成してから初めての快挙を成し遂げている。

チーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リードは「さらに理解を深めて、やればやるほど、もっと直感を信じて動けるようになると思う」と語った。「昨年はランゲームでの活躍が目立っていたが、今年はパスゲームに取り組めるようになった。このキャンプはそういうものだ。ラインバッカーが1年目から2年目、3年目へと少しずつ進歩していくのを見ることができる。パスゲームの練習を重ねることは、この先、彼のプレーを完成させるのに役立つと思う。彼は今、猛烈に取り組んでいる。本当にたくさん努力をしている」

チーフスのLBコーチを務めているブレンダン・デイリーはボルトンのメンタル面での成長を評価しており、それをチームが22歳のボルトンに信頼を寄せるようになった要因だと見ている。

「1年前のニックは特にメンタル面でとても印象的だった」と明かしたデイリーはこう続けた。「彼はそばにいればいるほど感心させられるような人だ。メンタルの面でも、コミュニケーションの面でも、リーダーシップの面でも成長している。見ていてとても楽しいし、正直、感動している。あの若さで、これだけのことをやってのけるのは本当にすごいことだ。彼はまだ2年目なのだということを思い出さないといけないときがある」

チーフス守備陣はAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームで連覇していたところから、2021年シーズンは不調に陥った。レギュラーシーズンでは1試合あたり368.9ヤードを許してNFLで27位となり、プレーオフでは1試合あたり28.0点を与えている。

今オフシーズンに契約を結んだSジャスティン・リードを除けば、チーフス守備陣は2022年シーズンに若手選手に頼っていく予定だ。ディフェンシブエンド(DE)ジョージ・カーラフティスやコーナーバック(CB)トレント・マクダフィーはルーキーとして重要なプレータイムを得ることが期待されている一方で、LBウィリー・ゲイJr.やSフアン・ソーンヒル、CBラジャリウス・スニードはクリス・ジョーンズやフランク・クラークといったベテランDEと共に守備陣を支える基本的なピースになろうとしている。

現在のロースターの中で6番目に年齢の若いボルトンは、今後何年にもわたってチーフスの守備陣をけん引していく準備ができているようだ。

ボルトンは「俺たちの時代だと思っている。俺だけじゃなくて、若いヤツらのな。ウィリーとか、ジャスティン・リード、フアン、ディフェンシブラインの若手たちの時代だ」と強調している。「今こそ、俺たちがグループとしてステップアップし、リードする時なんだ。ヒッチ(ヒッチンズ)やタイラン・マシューの代わりなんていない――彼らは特別だ。彼らがC(キャプテンの印)をつけていたのには理由があるけど、俺たちはグループとして入っていって、みんながベストな状態でプレーできるように導くことを任されている」

【RA】