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受託者義務違反を妹に告発されたチャージャーズオーナー

2022年06月12日(日) 19:51

ロサンゼルス・チャージャーズ【NFL】

ロサンゼルス・チャージャーズのオーナーであるディーン・スパノスは自身の妹が提出した訴状で度重なる受託者義務違反と女性差別的な行動が告発されている。

今回の出来事はフランチャイズの経営権をめぐるスパノス4兄弟の争いをエスカレートさせるものだ。

ディア・スパノス・バーベリアンは現地9日(木)にサンホアキン郡高等裁判所で、チャージャーズの所有権の36%にあたる家族信託の単独支配を求める訴えを起こした。また、ディーンの共同受託者としての資格を停止して解任することと、マイケル・スパノスの後継共同受託者の資格を剥奪することも裁判所に要求している。

一方で、ディーン、マイケル、アレクシス・スパノス・ルールは、球団の所有権継続に向けて団結しているとの声明を発表した。

声明では次のように記されている。「明らかに家族のビジネスに参加し続けることに興味のない妹のディアが、自分の意志を家族の他のメンバーに押しつけるために、虚偽の挑発的な言動に走ったことは残念だ。私たち3人とその子どもたちは、一族の75%以上と事業の所有者を代表して、チャージャーズの所有と運営の継続を含め、両親と祖父母の意思を支持するために団結している」

2018年にアレックス・スパノスとフェイ・スパノスが亡くなった後、ディーンとバーベリアンは信託の共同受託者になった。

チャージャーズの残りの64%の所有権のうち、ディーン、バーベリアン、ルール、マイケルがそれぞれ15%ずつ所有しており、残りの4%は親族以外が所有している。

1984年にアレックスがサンディエゴ・チャージャーズを買収し、1994年にディーンが経営を引き継いだ。

バーベリアンは申し立ての中で、マイケルとディーンが「一家の男性に共通する根深い女性差別的な態度と権利意識」に基づく行動を繰り返したと非難している。また、この2人が「両親が意図し、遺言に記していたことに関係なく、男性が主導権を握り、女性は黙っているべきだと、心の底から信じている」と主張している。

一方、ルールは申し立てが事実無根であるとの声明を別途発表した。

「姉のディア・バーベリアンによって正当な理由なく引き起こされた騒動の中、兄のディーンは私と私の意思を常に尊重してくれました。そして、弟のマイケルと私と共に、私たち家族とこのビジネスに関する母フェイの願いを実現するために戦ってくれました。ディーンが家族の女性たちに十分な敬意を払っていないと決めつけるのは間違っています」

信託の財務諸表によると、負債は12月31日時点で3億5,800万ドル(約481億2,057万円)以上あり、債務返済と経費は年間少なくとも1,100万ドル(約14億7,857万円)だという。この信託の保有株でチャージャーズの株式は83%を占めている。

『Forbes(フォーブス)』は最近のフランチャイズランキングでチャージャーズを26億ドル(約3,494億7,900万円)と評価した。信託の持分は9億8,800万ドル(約1,328億0,202万円)近くになる可能性がある。

バーベリアンはディーンとマイケル・スパノスが飛行機を買うために信託から6,000万ドル(約80億6,490万円)以上を借りたとも告発しており、彼女自身とギリシャ正教会の牧師との関係を“故意に”損ねたとも非難した。

バーベリアンは昨年3月にロサンゼルス郡高等裁判所に対し、信託とチームの所有権を売りに出すよう求めている。バーベリアンは今週、この問題をNFLの仲裁で審理してもらうことに同意した。

NFLはこの件に関してコメントを控えている。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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