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グッデルコミッショナーが議会に対して証言、コマンダースオーナーは再び召喚へ

2022年06月23日(木) 15:28


NFLロゴ【Ric Tapia via AP】

アメリカ下院監視・政府改革委員会によるワシントン・コマンダースの職場文化の調査の一貫として、NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは現地22日(水)に2時間ほどにわたってリモートでの証言を行った。

コマンダースオーナーのダン・スナイダーも召喚されていたものの、海外への出張やリモートで証言する上でのプロセスへの懸念を理由に、この1週間の間に2度これを拒絶している。委員会の議長であるキャロリン・マロニー下院議員(ニューヨーク州選出民主党)はこの公聴会の中で、来週に供述録取で強制的に証言させるべく、スナイダーに召喚状を発行する計画だと発表した。

水曜日の公聴会に先立ち、委員会はスナイダーが、職場でのセクシャルハラスメントを訴えた元従業員の信用を傷つけるべく“影の調査”を行い、目撃者を脅すために私立探偵を雇い、海外の訴訟を口実として電話記録やeメールを取得しようとした疑いを示す29ページにわたる文書を公開している。

この覚書は、スナイダーが自分や他のチーム幹部たちを不品行で非難する人々の信用を落とし、ベス・ウィルソンの弁護士事務所が行っているチームの調査に影響を与えようとしたと主張している。

委員会はまた、スナイダーの弁護士がNFLにスライド100枚からなるパワーポイントのプレゼンテーションを行っており、その中には“スナイダー氏が自分の名誉を傷つけるための陰謀に加担したと考えている様子である50人近くの人々の私的なテキストメッセージ、eメール、通話記録、通話内容、ソーシャルメディアの投稿が含まれていた”としている。

水曜日に公開されたリリースの中で、スナイダーのスポークスマンはこのレポートと公聴会を“政治色の強い見せしめの裁判”とし、議会は“フットボールチームが1年前に解決した問題”を調査すべきではないと述べた。

グッデルは水曜日、議会に対してチームの文化はウィルキンソンの調査の結果によって変わったとし、“ダン・スナイダーは責任を課された”と話している。下院議員のラシダ・トライブ(ミシガン州選出民主党)からスナイダーをオーナー職から退かせるか尋ねられた際、グッデルは「私には彼を解任する権限はない」と答えた。

NFLのオーナーを解任できるのは、他のオーナーたちの4分の3が解任に投票した場合のみだ。

昨年、NFLはチームに1,000万ドル(約13億5,505万円)の罰金を科しており、スナイダーはウィルキンソンが調査結果をグッデルに伝えた後に日常業務から退いている。しかしながら、リーグはウィルキンソンの調査結果を文書の形では公表しておらず、この決断はグッデルによれば調査官と話をした元従業員たちのプライバシーを守ることを意図したものだという。

グッデルは冒頭の発言で「われわれは今日まで続いているやむを得ない理由で、ウィルキンソンさんの調査結果を文書の形では受け取っていない」と話した。

「あらゆる職場調査において重要なのは、現従業員と元従業員の双方からの幅広い参加だ。従業員たちに前に進み出て、彼らの経験を共有するよう促すこと――多くは苦痛や感情的な揺れを伴う――が、組織の過ちやそれをどう正していくかを突き止める上で欠かせなかった。この理由から、われわれはウィルキンソンさんの仕事の監督を引き受けてすぐに、調査に参加した人々の個人情報を守る一方で職場の評価を行い、チームが職場を改善するためのポリシーやプロセスを設定するために必要な情報を受け取るには、口頭でのブリーフィングが最良だと判断した」

懲罰について発表した際、NFLはセクシャルハラスメントを訴えた人々で今もワシントンのチームで働いている人物はいないと述べていた。しかし、その後、スナイダー本人に2件のセクシャルハラスメントの訴えが持ち上がっている。

元従業員のティファニー・ジョンストンさんは2月に行われた議会の円卓会議の際、スナイダーがチームのディナーで彼女に痴漢的な行為をし、自分のリムジンに彼女を強制的に乗せようとしたと話しており、これらの訴えをスナイダーは否定。また、『The Washington Post(ワシントン・ポスト)』が火曜日に伝えたところによれば、一人の女性が2009年にチームの飛行機内でスナイダーから性的な暴行を受けたと訴えており、この件については160万ドルで合意に至ったという。

ジョンストンさんの訴えを受け、NFLは元証券取引委員会委員長のメアリー・ジョー・ホワイトにスナイダーとチームについての新たな調査を依頼しており、リーグは今回の調査結果については公表する計画だ。

グッデルは委員会に対し、NFLは2009年の疑いについては2020年7月までに把握しており、ウィルキンソンが確実に“疑いについて把握”するようにしたと話している。

マロニーは水曜日、職場における秘密保持契約の適用を制限し、プロフェッショナルとしての肖像を誤って利用された従業員への保護を提供する法案を提出したと発表。コマンダースに対する訴えの中には、チアリーディングチームが関連する写真撮影時にチームの従業員がわいせつな別ショットのビデオを作成したというものがある。

覚書によれば、スナイダーはインドのオンラインメディア企業への名誉毀損の訴えを用い、ワシントン・ポストに職場での嫌がらせについて語った元従業員のeメール、通話記録、テキストメッセージなどの情報を得るべく召喚したとされている。召喚状の対象は非常に広範囲であり、対象とされた人々の多くはインドのメディア企業と“もっともらしいつながりを持たない“と議会は非難している。

委員会はまた、スナイダーがワシントンの職場文化の問題についての責任を元チーム社長のブルース・アレンに負わせようとし、スナイダーの弁護団がウィルキンソンとNFLにアレンのアカウントが送受信した40万通のeメールを提供して、その中の特定のいくつかには“不適切”との判断を沿えていたと主張している。アレンのeメールの中には、ジョン・グルーデンからの同性愛嫌悪および女性蔑視のコメントが含まれていた。これらのメールは昨秋に報道陣にリークされ、ラスベガス・レイダースがヘッドコーチ(HC)だったグルーデンを解雇するに至っている。

目撃者らはまた、スナイダーが雇った私立探偵が自宅を訪問し、口止め料を提案してきたと委員会に話している。委員会が取得した文書によれば、NFLはスナイダーが私立探偵を起用したことを把握していたものの、その実践を止めなかったと目撃者は語った。

さらに、チームの元チーフオペレーティングオフィサー(COO)であるデビッド・パウケンによって、新たな疑いが持ち上がっている。水曜日に公開された宣誓供述書で、パウケンは委員会に、一人の選手、もしくは一人のコーチと性的関係を持ったとして、スナイダーが2人の女性従業員の解雇を直接的に指示したと述べている。また、それらの件にかかわった男性には懲罰はなかったという。

委員会の共和党員は、民主党員がNFLチームを追求することでより差し迫った問題を阻害し、委員会のミッションの領域を超えているとして批判している。

委員会の幹部メンバーであり、ケンタッキー州選出の共和党員であるジェームズ・カマーは「この委員会の中心となる責任は行政機関の監督を行うことだが、この委員会全体で、民主党員はバイデン政権に目をつぶっている」と話した。

「それなのに、監督委員会は数年前に起きた単一の私的な組織における職場での不適切な行為を調査している」


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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