ニュース

6年契約を全うすることを想定しているビルズOLBミラー

2022年07月05日(火) 10:09

バッファロー・ビルズのボン・ミラー【AP Photo/Mark Ludwiczak, File】

昨季、シーズン半ばに行われたトレードでロサンゼルス・ラムズに入団し、キャリア2度目のスーパーボウル制覇を経験したアウトサイドラインバッカー(OLB)ボン・ミラーは、今オフシーズンにバッファロー・ビルズと6年1億2,000万ドル(約162億9,210万円)の契約を結んだ。

複数年の大型契約は必ずしも最後まで履行されるとは限らない。スター選手は昇給あるいは契約の見直しを受ける。また、チームはデッドキャップの額(またはその不足)と選手のパフォーマンスの低下が一致したときに選手を放出するのが一般的だ。

しかし、ミラーは長期にわたってバッファローにいる意向を示している。

『The Buffalo News(バッファロー・ニュース)』のマーク・ゴーハンによると、ミラーは「今回は6年契約だから、最後までプレーするのが楽しみだ」と語ったという。「最後までプレーできるよう試みるつもりだ。(タンパベイ・バッカニアーズのクオーターバック/QB)トム・ブレイディも、(元ディフェンシブエンド/DE)ブルース・スミスもそうしてきた。俺が尊敬する人たちは皆、長くキャリアを積んでいる。だから、一日一日を大切にして、神が与えてくれるものは何でも受け止めるつもりだ。俺は最後までプレーする意思を持っている。俺のことを知ったら、俺が本当に狂人だって分かるはずさ。考え方が違うんだ」

ミラーは今年3月に33歳になった。仮にビルズとの契約を全うすれば、最終年にあたる2027年終了時には39歳になる目前の38歳になっている。

これまでにプロボウルに8回、オールプロに3回選出されているミラーは、スーパーボウルMVPにも輝いている。守備選手でスーパーボウルMVPに選ばれた選手はミラー以降出てきていない。長期的にプレーすることをミッションとしている彼が、偉大な選手たちと自分を比較するのは理にかなっていると言えよう。ブレイディのように44歳にして圧倒的な強さを誇り続けるのは再現不可能であり、ポジションが違うことからもその比較は難しい。一方で、歴代のサックリーダー(200回)であるスミスと同じようなキャリア後期の支配力を手に入れることは実現できる可能性がある。

ミラーは現役選手の中でリーグトップの115.5回のサックを記録。腓骨筋腱(ひこつきんけん)脱臼で2020年シーズンの全試合を欠場したミラーは、2019年シーズン以降、2桁のサックを記録していないが、最も注目を集めるような場面では優位に立てることを定期的に証明している。ミラーは昨ポストシーズンに何度もパスラッシュを成功させており、第56回スーパーボウルでの2回のサックを含む4回のサックを記録した。

このような圧倒的な強さを6シーズンにわたって発揮し続けられるかどうかは未知数だが、時の流れに打ち勝つにはまず健康状態を維持することが重要になってくる。それを実現できると考えているミラーは次のようにコメントした。

「33歳だけど、正直、33歳っていう実感はない。精神的に老いを感じ始めたら、もうおしまいだ。長い間リーグにいると、もちろん、ケガとかいろんなことがあるけど、外は寒いとか、今日も練習だとか、そういう文句を言い始める人がいる。そういう小さいことには関わらないようにしている。気持ちをポジティブに保つようにしているんだ」

「もちろん、歳は重ねている。でも、33歳という実感はまったくない。何より、まったく33歳には見えないのさ。みんなと一緒に走っているときはチームメイトに、33歳だけど一緒に走れるんだぜってアピールして、信頼を得られるようにしている。俺は誰とでも一緒に走れるし、健康だし、自分の体を大切にしている」

ミラーは今、自分がまだ若いと感じているため、契約を全うするような長期的な未来を思い描いている。短期的な目標は、新しいチームで最も重要な場面でフィールドに立つことだけだ。

「ローテーションとかそういうのには賛成なんだけど、ふんばりどころでは俺が試合に出ないといけない」と強調したミラーは「その点では、コーチもみんなも文句はないだろう。正念場になれば、俺が試合に出るつもりだ」と続けている。

【RA】