古巣に未練を残すも故郷で活躍する機会に期待を抱くラムズLBワグナー
2022年07月17日(日) 16:53ロサンゼルス・ラムズのラインバッカー(LB)ボビー・ワグナーはここ数カ月でロサンゼルスでの新しい生活と新しいチームに適応している。そのワグナーは、シアトル・シーホークス時代が終わったことに対していまだにほろ苦さを感じているものの、これから起こることに対しては期待していると語った。
キャリア最初の10年間をシーホークスで過ごしてきたワグナーは、今オフシーズンにチームからリリースされている。ワグナーは『Seattle Times(シアトル・タイムズ)』に、ラムズと契約することによって地元でプレーする機会を得られて感謝していると話した一方で、シアトルを離れた経緯についてはまだ解消できていない思いがあるようだ。
ワグナーは「もちろん、(リリースされたことについては)思うところがある」と明かしている。「でも、最終的には違う見方をしている。もし、他の場所に行っていたら、また違った意見になっていたと思う。でも、故郷に戻って、家族からそれほど遠くないところでプレーする機会を得たんだ。こんなに家族の近くでプレーするのは高校時代以来初めてだ」
「シアトルを離れたくはなかった。でも、シアトルを離れるんだったら、故郷に戻ってくるのが自分にとって次善の策だったし、こうして故郷にいられて、平穏な日々を過ごしている。でも、コンペティターだったら誰でも、自分にはもう何も残っていないと思われている場所に戻って、彼らが間違っていたことを証明するのを楽しみにしているはずさ」
ワグナーは現地3月8日(火)にシーホークスから放出されている。これはシーホークスが長年擁していたクオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンをデンバー・ブロンコスにトレードすることで合意したと報道されてからわずか数時間後の出来事だった。この日、シーホークスは第48回スーパーボウル優勝チームの最後のメンバーであり、最も長くチームに在籍した2人の選手と別れている。シーホークスがワグナーの放出によりサラリーキャップスペースを確保した一方で、ラムズはこの機会を利用して、32歳のワグナーと5年5,000万ドル(約69億2,658万円)の契約を結んだ。
ラムズへの移籍は10代の頃ぶりに常に家族の近くでプレーできる絶好の機会だと考えているワグナーは、2年連続で優勝争いに絡む可能性のあるチームで、全盛期の頃の実力をまだ発揮できるということをアピールするのも楽しみにしている。
ワグナーは「さらにプレーしやすい状態になったと思うし、キャリアの初期にやっていたようなことをする機会も増えると思う。だから、自分以外のみんなを驚かせることができるはずだ」とコメントしている。
批評家や元チームに対してまだ実力があることを証明するのを楽しみにしているワグナーだが、この10年間、自分が属していたコミュニティに対しては何の敵意も抱いていないと強調した。自宅を移す予定はないというワグナーはちょうど先日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が大流行してから初めてとなるキング郡ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブの運動会を主催している。シーホークスに在籍している間、定期的にボーイズ・アンド・ガールズ・クラブと活動を共にしてきたワグナーは、シアトルのコミュニティと関わり続けることはチームを離れた後であっても自分にとって非常に大切なことだと言い、こう話している。
「10年間、俺を愛してくれたこの街に、離れる前に少しでも愛情を示して、シーホークスでプレーしていなくてもこのコミュニティと無関係になるわけではないということを伝えたかった。これからもずっと、このコミュニティの一員であり続ける」
ラムズでの生活が始まることで、1つの章が終わり、また新たな章が始まるというほろ苦さはあるものの、シーホークスと共に過ごした素晴らしい年月に永遠に感謝していくと強調したワグナーは次のように語った。
「シアトルでプレーしていた頃は、目標のすべては自分の足跡を残すことだった。ただそこにいて、引退した途端にそこでプレーしていたことをみんなに忘れられるのは嫌だった。この街に捧げた時間とエネルギーにいつも感謝している。自分の持っているものをすべて捧げられたような気がする。良い年がたくさんあったと思う。組織だけじゃなくて、街に対してもコミットしてきた。だから、1つのチームでキャリアを全うしたと言えるような選手の1人になれなかったのは残念だ。でも、故郷に戻って家族の前でプレーできるのにはワクワクしている」
【RA】