リングを手にしたラムズのマクベイHC、「さあ、ページをめくろう」と呼び掛け
2022年07月24日(日) 18:05現地21日(木)の夜に行われた第56回スーパーボウルリングの授与セレモニーはロサンゼルス・ラムズの1年間の戦いが最高潮に達した瞬間だった。そしてまた、それは2022年に同じ場所を目指す彼らのクエストの始まりでもあった。
翌朝、トレーニングキャンプにやってきたラムズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクベイはそう捉えている。キャンプは23日(土)に全員が集合したところで公式に始まった。マクベイは2021年シーズン最後の祝宴からの早い切り替えを望んでいる。
「なかなかいいタイミングだったよ。ちょうど、“さあ、ページをめくろう”という感じだ」とマクベイは金曜日に『Associated Press(AP通信)』を通じて述べた。「昨年が素晴らしい年だったことを矮小(わいしょう)化する気はない。だが、それは今年とは何の関係もないことだ」
2022年のラムズはNFLで18年ぶりとなる連続王者を目指す。よく言われる“スーパーボウル・ハングオーバー(スーパーボウルの二日酔い)”を避けるためには、組織全体が気を抜いてしまってはいけないとマクベイは信じている。
「“ハングオーバー”というのは、自分たちのことを実際よりいいと考えるような人々が起こすものだと思う」と言うマクベイ。ラムズは第53回スーパーボウルに出場した翌年にプレーオフ進出を逃している。「そういう人々は正しいやり方をやめてしまい、慢心が生まれ、以前の成功が未来の成功に関係していると考えるようになってしまう。われわれのロッカールームには正しいタイプの選手たちがいて、本質的にモチベーションを備えた正しいタイプのコーチ陣がいる」
フランチャイズ史上2度目のスーパーボウル王者となったラムズのオフシーズンはとても忙しいものだった。その主な目的はタイトルを制覇したチームのコアを維持することにあった。契約の再構築によって、引退の可能性もあったスターディフェンシブタックル(DT)アーロン・ドナルドを引き留めたことがまず彼らのTo doリストの上にあった。他にもスタークオーターバック(QB)マシュー・スタッフォードとスターワイドアウトで昨シーズンのトリプルクラウンに輝いているワイドレシーバー(WR)クーパー・カップに大型延長契約を与えることもそこに含まれている。
マクベイのトレーニングキャンプ中のTo doリストの一番上には、フリーエージェントで加わった選手たちの順応がある。WRアレン・ロビンソンはラムズのダイナミックなオフェンスの中でオデル・ベッカム(現在もフリーエージェント)が務めていた役割を引き継ぐために呼ばれたと考えられており、オフェンシブタックル(OT)アンドリュー・ウィットワース(引退を発表)とガード(G)オースティン・コルベット(カロライナ・パンサーズと契約)のいない新しいオフェンシブラインを作り出すことがキャンプ中の注目点となるだろう。
守備面では、ベテランラインバッカー(LB)ボビー・ワグナーがチームで初めてのキャンプを迎えている。彼はライバルであるシアトル・シーホークスで何度もオールプロ選出のシーズンを過ごしてきた。また、フリーエージェントとなって去っていった先発ディフェンシブバック(DB)ダリウス・ウィリアムスの代わりには、新たに獲得したコーナーバック(CB)トロイ・ヒルが入るとみられている。DTセバスティアン・ジョゼフの後任を見つけることも、ラムズの守備コーディネーター(DC)ラヒーム・モリスの課題の1つだ。
不測の事態はまだ起きておらず、いくつかのキャンプバトルが予想され、ディフェンディングチャンピオンを待ち受ける障害に限りはないが、これこそが連覇を成し遂げたチームが20年近くいない理由の1つだ。そのチャレンジに立ち向かうマクベイは2023年にまたスーパーボウルリングのセレモニーを開けるよう、チームをベストなポジションに持っていこうとしている。
「数え切れないほど多くの物事がうまく進まなければならない」とマクベイは言う。「今年のわれわれはもっといいチームになれるし、そのチャンスはあると思う。だが、それでもスーパーボウルに勝てる保証はない。ゲームでは多くのことが起こり得るからだ。ボールの跳ね方のように、自分たちではコントロールできないものもある」
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