NFLのシルズCMOがトレーニングキャンプでのガーディアンキャップ着用の重要性を説明
2022年07月28日(木) 17:52NFLチームたちがプレシーズンのトレーニングキャンプに突入していく中、選手たちは今後、安全性の向上を目的とした新しいガーディアンキャップをかぶることになる。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のジュディ・バティスタが現地27日(水)に『Inside Training Camp Live(インサイド・トレーニング・キャンプ・ライブ)』の中でNFLのチーフメディカルオフィサー(CMO/医務部長)を務めるアレン・シルズ医師と対談を行い、リーグ全体で導入されたガーディアンキャップの着用義務について議論し、この変更によってNFLは何を目指すのかについて尋ねた。
ガーディアンキャップとはフォームと詰め物で創られたシェルのことで、選手用ヘルメットを上から覆うように装着される。プレー中に頭部エリアに加わるあらゆる衝撃を減らそうとして特別に設計されたものだ。これはNFLが危険な頭部外傷の頻度を減らし、選手たちのためにより安全な環境を作り出そうとする努力の一環として可決した法案の1つだ。
「われわれはリーグ全体で頭部への衝撃を減らすことにコミットしてきた。それは、頭部に衝撃が加わる回数を減らすことも含むが、それが起きた時の衝撃の強さを減らすことも含まれる」とシルズ医師は述べた。「若干の頭部への衝撃はどうしても起こってしまうものだ。選手たちは地面に倒れることもあれば、お互いにうっかりぶつかってしまうこともある。そのため、われわれの狙いはヘルメットを通して選手の脳に伝わる力を減少させることにある。ひいてはそれが選手にとって安全性を高めることにつながるからだ」
3月の年次リーグ総会でNFLはチームにガーディアンキャップ着用を求める決議を通し、頭部に衝撃を最も受けやすいポジションの選手たちはトレーニングキャンプの練習開始からプレシーズンゲームの2戦目までシェルを着用することを義務づけられた。対象のポジションはタイトエンド(TE)、ラインマンとラインバッカー(LB)だ。
いくつかのチームは最低要件を越えた対応をすでに見せており、先月のOTA(チーム合同練習)やミニキャンプでもシェルを着用させるところが複数現れている。また、ピッツバーグ・スティーラーズのようにポジションにかかわらず、全選手にキャップをかぶるよう求めたチームもいる。
シルズ医師によると、NFLはトレーニングキャンプを通して多くの形でデータを記録することになるといい、キャップの効果を評価し、さらなる安全性向上につなげていくということだ。今のところ、ヘルメットキャップは接触した片方の選手が着用している場合は頭部への衝撃を10%減少させることが分かっており、両方の選手が着用した場合は20%の減少につながるという。選手からキャップの感触についても意見が入ってきているとのことで、着用している際に衝撃が軽減されるのを感じているとの声や、ぶつかったときの衝撃音も小さくなっているとの感想があるという。
トレーニングキャンプでガーディアンキャップが義務づけられたのは、頭部外傷の発生する頻度が最も高く、衝撃が最も多く蓄積されるのがこの時期だからだ。最終的なカット前で多くの選手がフィールドに出ていること、またオフシーズンを終えてフルコンタクトの練習がスタートすることも関係している。ガーディアンキャップの使用によってトレーニングキャンプ中のケガの数が減るだけでなく、シーズンを通して蓄積される衝撃の累計が少なくなることで頭部のケガが減ることが望まれるとシルズ医師は述べた。
「このキャップについてわれわれが重要だと考える点の1つは、プレシーズンで受ける衝撃を減らすことができれば、蓄積される衝撃量を減らすことにつながるので、シーズンを通した安全性が高まると考えられることだ」と彼は説明した。
30日(土)にはファンがトレーニングキャンプを訪れて、シーズンのスタートを祝うイベント、『Back Together Saturday(バック・トゥゲザー・サタデー)』が開催されるが、そこで彼らはユニホームにお気に入りの選手たちの安全と健康を守る新しい装備が追加されたのを目にすることになる。
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