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自分の学習習慣を疑うことは「失礼で、冗談みたいなもの」とカーディナルスQBマレー

2022年07月29日(金) 11:00


アリゾナ・カーディナルスのカイラー・マレー【AP Photo/Darryl Webb】

アリゾナ・カーディナルスのクオーターバック(QB)カイラー・マレーは現地28日(木)にアポなしでメディアルームを訪れ、自分の立場を弁護した。延長契約に“自主学習”を求める項目が設けられたことが公となり、マレーの学習習慣に対する疑問が浮上するようになったからだ。

マレーは、彼が十分な学習や準備なしにここまで来られたのではないかと一部の人が考えていることを問題視している。

「俺を取り巻く今の状況や自分について言われていることについて、俺からも発言する必要があると思ったんだ」とマレーは記者たちの前で切り出し、こう続けた。

「俺がこれまでのキャリアで成し遂げてきたことすべてを、ゲームの勉強もせず、情熱も持たず、真剣に取り組んでいないと考えるのは失礼で、冗談みたいなものだ。むしろ、俺にとっては光栄なくらいだよ。俺のような体格で試合の準備もせず、真剣に取り組みもせずにフィールドに出られると思ってくれているなら、それ以上光栄なことはない。だけど、他の選手や、このリーグにいる偉大なアスリート、偉大な選手たちに失礼だ。このゲームはあまりにも厳しい。このリーグで俺のポジションをプレーするのはかなり難しいことだ」

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地25日(月)に報じた内容によれば、マレーの5年2億3,050万ドル(約310億1,838万円)の延長契約には、“少なくとも4時間の自主学習”をすることが要請されているという。この条項では、マレーが“個人的に学習しない、もしくは素材が表示あるいは再生されている間にそれを見ない”場合、また、注意力を阻害するような行動(テレビやゲーム、インターネットの閲覧など)があった場合、実績として認められないとされている。

ラポポートは木曜日の『Inside Training Camp Live(インサイド・トレーニングキャンプ・ライブ)』で、カーディナルスのオーナーであるマイケル. J.ビッドウィルが契約延長にこの条項が必要だと考えていると報じた。

「アリゾナ・カーディナルス、特にマイケル・ビッドウィルは、これが契約に含まれるべきものだと考えていたのは明らかだ」とラポポートは述べている。「私の理解では、ビッドウィルとアリゾナ・カーディナルスの組織は、“金銭面だけを考えると、カイラー・マレーに対するコミットメントには不安が残るかもしれない”と考えたはずだ。彼にそれだけの金額を渡すことに不安があったというわけではなく、それが誰であろうと、4,600万ドル(約61億8,838万円)の年俸を払うことにだ。彼らは、マレーがこれからも働き続け、求められたレベルでその契約に値するようなパフォーマンスをし続けるという確証がほしかったに違いない。だからこの条項が入っていたんだ。カイラー・マレーはサインする前にそのことを知っていた」

マレーは木曜日に、自主学習の条項を契約に入れたチームに腹を立てているかという質問に対しては答えるのを避けている。

また、熱心なゲーマーでもあるマレーは、学習習慣を疑われる筋合いはないと反発した。2つのスポーツをこなし、ハイズマントロフィーとAP通信オフェンス部門年間最優秀新人賞を受賞し、2度のプロボウル出場を経験している彼は、学習方法が悪かったら今までの成果はなかったと言う。

「フットボールでも野球でも、自分がやることには想像を絶するくらいの時間、血、汗、涙、労力を注いできた」とマレーは述べている。「大学で2つのスポーツを高いレベルでこなすにはどれだけの時間がかかるか、みんな理解できないんだ。しかも、俺のような体格の人間がそれを達成したのは初めてだ。さっきも言ったように、おかしな話だけど、俺が仕事に対する意欲を持たず、準備もせずに今日ここに立っていると信じている人がいるとすれば、そう思ってもらえるのは光栄なことだよ。だけど、そんなことはあり得ない。このことに関しては以上だ」

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