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ブラウンズQBデショーン・ワトソンに個人行動規範の違反で6試合の出場停止処分

2022年08月02日(火) 10:06

クリーブランド・ブラウンズのデショーン・ワトソン【AP Photo/David Richard】

クリーブランド・ブラウンズのクオーターバック(QB)デショーン・ワトソンがNFLの個人行動規範の違反によって6試合の出場停止処分を受けた。懲戒責任者のスー・L・ロビンソンが現地1日(月)に裁定を下している。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロは出場停止処分に加えて罰金が科される可能性もあると報じた。

NFLネットワークのイアン・ラポポートが月曜日に取得した16ページにわたる報告書の中で、ロビンソンは“ワトソン氏が性的暴行、すなわち他の個人に対してその安全と幸福な生活に真の脅威を与える行為、また、NFLの品位を弱体化させ、リスクにさらす行為”にかかわることによって“(個人行動)規範に抵触したことを示すきわめて多数の証拠をもって”、 NFLが成功裏に“証明の責任を果たし”たとしている。

元連邦地方裁判所判事のロビンソンはNFLがワトソンに少なくとも2022年シーズンの出場停止処分を推奨したことを指摘する一方、ロビンソン自身の決断によって“同様の状況にあった選手たちの処遇における公正さと一貫性の基準の制約を考慮した”と述べた。

“ワトソン氏が規範に違反したのを確認した一方、私はそれをNFLによる問題となっている禁止行為の事後定義に沿って” 行ったとするロビンソンは、次のようにつづっている。

「禁止行為の定義は法規範において非常に重要な役割を果たしており、それによって人々は自らの行為に伴う結果を予測可能になる。ある行為を、それが行われた後に禁止されたものとして定義するのは本質的に不公正であり、事後にペナルティを変更するのが不公正であることとまったく変わりない。先に触れた通り、NFLは民間組織であり、自ら適切であるとみなす方法で運営できるものの、ここで何が禁止行為に含まれるのかを事後に定義することは調査基準の“公正性”の柱を満たすもの、また、NFLが要求する先例のない制裁の適用を正当化するものではない」

6試合の出場停止処分に至った結論について、ロビンソンは“関連する先例と比較した記録を確認”し、“今回の懲戒処分が将来にどう影響するか”を検討したと述べている。

今回の裁定はワトソンにクラブ職員以外のマッサージを受けないよう要求している。また、ワトソンは“法的執行機関に敵対的な関与をしてはならず、さらなる規定違反を行ってはならない”とされている。

ブラウンズのオーナーであるディー・ハスラムとジミー・ハスラムは月曜日にロビンソンの決定を尊重する声明を発行した。

「デショーンと彼の代理人たちはこのプロセスを通じて、すべての情報を包括的に再検討し、公正な裁定を下すために、スー・L・ロビンソン判事の方針に従うというNFLPA(NFL選手会)とNFLの新たに創設され、合意されたプロセスを順守した」とハスラム夫妻は述べている。

「われわれはロビンソン判事の裁定を尊重すると同時に、このプロセスを通じて多くの個人に何らかの反応を引き起こしたことにも共感し、理解している。この状況が多くの人々に心痛をもたらしたことをデショーンが悔やんでいることをわれわれは知っており、彼はフィールド内外で自分が何者であるかを示すために必要な仕事を続け、われわれはその彼をサポートし続けるつもりだ」

NFLは月曜日に以下のような声明を出している。

「われわれは独立した懲戒責任者であるスー・L・ロビンソン判事に、デショーン・ワトソンがNFL個人行動規範に対して複数の違反を犯したと裁定するに至った膨大な記録の調査と3日間のヒアリングに感謝する」

「われわれはこのプロセスを通じたロビンソン判事の尽力とプロフェッショナリズムに感謝している」

「団体労働協約に従い、NFLもしくはNFLPAはワトソンの代理として3日間の間に今回の裁定に上訴することができる。彼女の発見に照らし合わせ、リーグはロビンソン判事が6試合の出場停止処分を義務付けたことについて検討しており、次のステップとして決断を下すことになる」

NFL選手会は日曜日に、ロビンソン判事の裁定に上訴しない意向を示していた。

ブラウンズのヘッドコーチ(HC)であるケビン・ステファンスキーは月曜日午後に行われた記者会見でワトソンの出場停止処分について説明。ロビンソンの裁定がワトソンをクオーターバックに迎えたことについての快適さに何らかの影響を与えたかとの質問に、ステファンスキーHCはこう答えている。

「まだ裁定文のすべてを読んでいない。あなたが言ったように、われわれはずっと安定していたと思う。それはこのプロセス全体を通じて、デショーンという人間に行われた多くの仕事からくるものだ。だから、われわれはこれまでデショーンという人間について自分たちが話してきたように、これからもデショーンが言ったことに言及していく。デショーンは自分にできるベストの自分であるために仕事に取り組んでいる。彼はそれを公に語ってきた。プライベートでも語ってきた。私はそれを信じる」

3度のプロボウラーであるワトソンはブラウンズのオフシーズンワークアウトプログラムやトレーニングキャンプに参加してきた。ワトソンが出場停止処分を科されている間、フリーエージェント(FA)で獲得したジャコビー・ブリセットがブラウンズの先発QBを務めるだろう。また、ブラウンズは7月に元1巡目指名選手のジョシュ・ローゼンをQBルームに加えている。

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