新人RBピアースに“確実に目を奪われた”とテキサンズHCスミス
2022年08月16日(火) 12:02過去に活躍した偉大なライターでプレシーズンのたびにこう言っている人がいた。われわれはチームの結果ではなく、傑出した才能を見ているのだ、と。
要点はシンプルであり、プレシーズンの動きでチームを分析するのは愚行だということだ。クラブは相手に合わせた作戦を練らず、ベテラン選手はほとんどプレーしない。そのような状態であれば、実際にチームがどのように機能するのか、正確に判断することはできないのだ。しかし毎年、数人の選手、とりわけ新人選手がバックアップとして出場しながらも場違いなほど目立つことがある。
昨年にそのような目立ち方をしたのはデンバー・ブロンコスのランニングバック(RB)ジャボンテ・ウィリアムズだ。ウィリアムズはプレシーズンでの活躍で、タックルを振り切る能力があることを垣間見せている。
一方、今年のプレシーズン第1週でひときわ目立っていたのは、ヒューストン・テキサンズの新人RBデイミオン・ピアースだ。
現地13日(土)に行われたニューオーリンズ・セインツ戦にバックアップとして出場したピアースは、最初のキャリーから輝きを放ち、フィールドを駆け抜けて20ヤードを稼いでいる。5回のキャリーで49ヤード(キャリー平均9.8ヤード)を記録したピアースは、ホールの突破力、優れたバランスと視野、タックルに対するパワーを見せつけていた。
チーム公式記録によれば、ヘッドコーチ(HC)ラビー・スミスは試合後に「デイミオン・ピアースは確実に、私を含めて見ていた人全員の目を奪っていた。われわれはそれをトレーニングキャンプでも見ていた。彼は優れたフットボール選手だ」と述べたという。
トレーニングキャンプでも注目を浴びていたピアースは、このまま輝きを発揮し続ければRBマーロン・マックから先発の座を奪う可能性も秘めている。
また、クオーターバック(QB)デイビス・ミルズは「(ピアースは)今夜、ものすごく上手にボールを運んでいたと思う。1回のキャリーで平均9ヤード以上走っていた。彼がああいう活躍を続けられたら、うちはオフェンスの幅を大きく広げられるだろう」とコメントしている。
カレッジでの最終2シーズンのキャリー数はわずか206回と、ピアースはフロリダ大学時代に注目を集めるような選手ではなかった。とはいえ、レッドゾーンで多用されていたピアースは2021年シーズンにタッチダウンラン13回をマークしている。レシーブを含め、ルーキーが改善すべき点はまだある――土曜日の試合ではQBジェフ・ドリスケルからのいいパスをキャッチできず、インターセプトを喫した――ものの、純粋なランナーとして見た場合、ピアースはルーキーシーズンに大きな成果を挙げる才能を持っていると言えよう。
先発の座を得ようと努力しているピアースについて聞かれたとき、スミスHCは「少し早いと思う。それはなるようになるだろう」と答え、こう続けた。「参加してプレーの練習をするたびに、何かを言われる。われわれはそれほど急いでいない。インディ(インディアナポリス・コルツ)が来るのはしばらく先だ。デイミオンは練習で印象的だった。今夜、出場してこれまでやってきたことをいくつか見せてくれると期待していた。われわれはただ戦い続けるだけだ。だが、デイミオンを確実に気に入っているというのは間違いない」
【RA】