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これがQBブレイディ最後のNFLシーズン、という共通認識が広がる

2022年09月11日(日) 21:50


タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/AJ Mast】

世の中年のお父さんたちがみんなうなずく言い方で、トム・ブレイディは明瞭簡潔に言った。「僕にもいろいろ(禁止用語)あるんだよ」

今年が通常のトレーニングキャンプでなかったことは確かだ。タンパベイ・バッカニアーズのクオーターバック(QB)は謎めいた11日間の休みを取って物議を醸し、タブロイドはこぞって彼のプライベートな家庭生活について書き立てた。チームが現地11日(日)の夜、待望のダラス・カウボーイズ戦に臨もうとしている中で、ブレイディの現在の状況は次のようになっている。

彼の考えを知る人々から伝え聞くところによると、45歳のブレイディがこれから迎えるシーズンは、彼にとってNFLで最後のものになると思われるという。彼がそれを公言したことはないものの、昨年の引退発表そして引退撤回という流れを経た今、関係各所はいよいよ終わりの時が近づいてきていることを知っている。これが最後の年になる、そういう認識だ。

11日間の休暇について、ブレイディはその大半を家族とバハマのプライベートリゾートで過ごしたとされている。8月になったら20年ぶりにバケーションを楽しもうと引退中に妻のジゼルさんにした約束を遂行したのではないかといわれている。バッカニアーズはそれを尊重し、家族だけの時間を過ごさせたという。フットボール関連の連絡や、バハマにプレーブックをメールすることもなかったそうだ。それは彼の個人的なことであり、チームは彼の自由にさせた。

戻ってきて出場したインディアナポリス・コルツとのプレシーズンゲームで、ブレイディは8回中6回のパスを成功させて44ヤードを記録している。

今週の記者会見中、ブレイディはこれが最後のシーズンになるのかと質問されている。

「僕たちはみんな1日ずつ年を取っている」と彼は答えた。「来年もここにいるのかどうか、確信を持っている人なんて誰もいない。全選手、全コーチ、全ての親にとってそれが現実だ。誰にも分からない。その時々に現れる機会を僕たちは利用するべきなんだ」

ブレイディが次のシーズンの契約を持たない状況は、彼のキャリアで2度目のことだ。前回彼が次季契約なしで開幕を迎えたのは2019年、ニューイングランド・ペイトリオッツでの最後となった年だ。そして彼はフリーエージェントとしてバッカニアーズに移籍した。

ブレイディに近い人物によると、それは重要ではないという。もし彼が戻ってくるなら、契約はどうにでもなるというのだ――これは注目に値する。ブレイディは今年、2021年のサインボーナス1,500万ドル(約21億3,758万円)を含む3,000万ドル(約42億7,515万円)を稼ぐことになっている。4月に契約を改定した後、1,388万ドル(約19億7,797万円)のロースターボーナスを獲得。ベースサラリーは112万ドル(約1億5,961万円)となっている。だが新しい年数は現在の契約に追加されなかった。

来年以降、フリーエージェントとなるブレイディが別のチームでプレーすることはあるのかという質問に、彼に近しい人物はブレイディのバッカニアーズへの愛情を強く強調した。それは選手、コーチ、フロントオフィス、オーナーシップにも及ぶものだという。

夏の初めに、マイアミ・ドルフィンズが一時期ブレイディと不正な接触をしていたことが発覚した。これにはブレイディにも隙があったといえる。

ブレイディの引退に関して、ある人物は警告する。感情というのは変化するものであり、シーズンの終わりに誰がトロフィーを掲げるのか、それがブレイディなのかどうかによって、決定は変わるものだというのだ。それは想像できる。

だが、それよりも可能性が高いのは、ブレイディが今年で終止符を打ち、『Fox Sports(フォックス・スポーツ)』に向かうことだ。そこには10年3億7500万ドル(約534億3,938万円)で解説者・アンバサダーとしての契約が用意されている。

ブレイディは8月3日に45歳になった。これも重要な意味を持っている。彼はこれまで公私の場で45歳までプレーすると発言してきた。昨年、彼が44歳で引退を発表した際には、なぜ予定より1年早く? という疑問が持ち上がっていた。

今年で最後、ということであれば、スケジュール通りといえる。

【M】