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かつての姿を取り戻したジャイアンツRBバークリー、「プロセスを楽しむだけ」

2022年09月12日(月) 15:39

ニューヨーク・ジャイアンツのセイクワン・バークリー【AP Photo/Mark Humphrey】

2018年AP通信年間最優秀新人賞を受賞したニューヨーク・ジャイアンツのランニングバック(RB)セイクワン・バークリーが、2022年シーズン初戦のテネシー・タイタンズ戦で完全復活を果たしたようだ。

クオーターバック(QB)ダニエル・ジョーンズが絶え間なくプレッシャーをかけられて得点はゼロという退屈な展開になった試合前半を経て、バークリーは試合後半からケガに悩まされた過去3シーズンでほとんど見られなかった爆発力を発揮し、かつてのようにゲームブレーカーとして活躍した。たった1週間かもしれないが、バークリーは全盛期の頃の調子を取り戻したことを否定しがたいプレーを次々と披露している。

ジャイアンツがタイタンズに21対20で勝利した試合で、バークリーはキャリー18回で164ヤード(キャリー平均9.1ヤード)、タッチダウン1回、キャッチ6回で30ヤードを記録。バークリーにとって、2019年シーズン第16週(189ヤード)以来最多のトータルラッシングヤードとなった。

バークリーは報道陣に「正直なところ、たった1試合に過ぎない。それが俺の見方だ」と話している。「もちろん、結局のところ、勝ったことには興奮している。でも、個人的には、これからも続けていかなきゃいけない。コーチ(ヘッドコーチ/HCのブライアン・ダボール)が言っていた、ただプロセスを楽しめ、という言葉がずっと心に残っている。この2年間、リハビリやケガと闘ってきた自分のマインドセットでもある。だから、どうなっても、勝っても負けても引き分けでも、同じマインドセットでここに来て、そのプロセスをただ楽しみ続けようと思っていた」

バークリーのパフォーマンスは全体的に好調だったが、彼の復活劇の本質はいくつかの決定的なプレーに集約される。ビッグブルーにとっての第3クオーター最初のプレーで、バークリーは猛スピードで駆け抜けて68ヤードを稼ぎ、チームにとって最初のスコアリングドライブを後押しした。また、決勝点をあげたドライブの序盤には、カバーしてきた2人のディフェンダーの間をすり抜けて体勢を立て直し、33ヤードのランを披露するというインパクトのあるプレーも見せている。

4ヤードのタッチダウンランでも、ショベルパスをキャッチして成功させた2ポイントコンバージョンでも、タックルしてきそうな相手をうまくかわす能力を見せつけたバークリー。ACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂し、さまざまな足首のケガに苦しんでいたバークリーは持ち前の抜け目のなさを失っていたようだったが、久しぶりにその能力を発揮したのだ。

あの夜はバークリーのためにあったと言える。そこには昨季に13試合に出場して593ランヤードを記録した精彩を欠く不確かなランナーの姿はなく、簡単にスペースを生み出し、ライン上での爆発的な接触を喜んで受け入れ、他に選択肢がないときに追加のヤードを稼ぎ出すバークリーがいた。

当然のことながら、バークリーのチームメイトは彼自身の言葉よりも、さらに積極的に彼を称賛している。

『New York Daily News(ニューヨーク・デイリー・ニュース)』のパット・レナードによれば、ワイドレシーバー(WR)スターリング・シェパードは「ヤツの目には見えているんだ。あいつの目を見てみな。集中し、焦点を当てている。あの男は猛犬だぜ。みんなあいつと遊ぶのはやめた方がいい」とコメントしたという。

シェパードがバークリーの瞳に見たものはフィールドにも反映されている。バークリーはすべての機会でかつての姿を取り戻したかのように見えた。今後、あのようなパフォーマンスをさらに増やすことができれば、ダボールHCがバッファローから持ち込んだオフェンスが成長する余地は十分すぎるほどあると言えよう。

【RA】