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初めてのシーホークス戦は“特別”だったとブロンコスQBウィルソン

2022年09月13日(火) 17:42

デンバー・ブロンコスのラッセル・ウィルソン【AP Photo/John Froschauer】

クオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンのデンバー・ブロンコス時代はかつて所属していたチームとのシーズン初戦をもって正式にスタートしている。

ウィルソンは文字通り、そして比喩的な意味でも騒音に満ちていた試合に立ち向かったが、激しい戦いの末に16対17で試合を制したのはシアトル・シーホークスだった。

試合には敗れ、ブーイングを浴びせられたにもかかわらず、ウィルソンはただただかつてのホームに感謝している。

試合後の記者会見で「俺にとって、シアトルはアメージングな場所だ。すでに言ったように、別の言葉を考えている人は、俺の気持ちを分かっていないし、俺にとってこの街がどれほど大きな意味を持つのかも分かっていない」とコメントしたウィルソンはこう続けている。「今夜は特別だった。慣れ親しんだところの反対側にいたけど、それでもやっぱり特別な環境で、ずっと大好きな場所だ」

今オフシーズンにブロンコスへのトレードが実行される前、ウィルソンが多くの歴史を刻んだルーメン・フィールドに戻ってきたらどのような歓迎を受けるのだろうと、多くの人が疑問に思っていた。しかし、ウィルソンがシアトルのファンから歓迎されるという希望はすぐに打ち消されている。

試合後、ウィルソンは笑みを浮かべながら「気にはならなかったよ。敵対的な環境であることは常に変わらないし、たまに拍手をしてもらえるなんて思ってもみなかった」と語った。

“The 12th Man(12番目の選手)”と呼ばれるシーホークスファンは、情熱的な態度で大きな声援を送ることで知られている。彼らは現地12日(月)に行われた試合でもウィルソンのプレーに影響を与えるために、はばかることなくトレードマークの騒音を出していた。

ウィルソンが初めてオレンジとネイビーの新しいユニフォームを着てトンネルを抜けると、スタジアム中にブーイングが響き渡った。そして、ウィルソンがブロンコスの最初の攻撃ドライブを開始するために正式にフィールドに入ると、ノイズはさらに増加。ブーイングはシーホークス守備陣が良いプレーをしてそれに声援を送るときだけ一時的に止んでいた。

シーホークスのヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルは「彼らはどう対応するのだろうと考えていたのだが、彼らは勝ちたいと思っていたから、できるだけ相手を苦しめるような対応をするのだろうと思っていた」と述べている。「それが競争というものであり、われわれのファンは今夜、型破りな方法で立ち向かった。ここは今夜、最初からすぐにアメージングな場所になっていた」

ウィルソンはかつてのチームメイトであり、これまで何度もパスをつないできたシーホークスのワイドレシーバー(WR)D.K.メットカーフとジャージーを交換する姿も見せている。メットカーフは長年一緒にプレーしてきたQBが他チームのジャージーを着ているところを見るのは奇妙な気分だと話した。

「実際にブロンコスのジャージーを着ているところを見ただけでも、本当に衝撃的だった」と強調したメットカーフは「そんなに動揺することはないと思っていたけど、実際に見たら本当に衝撃的だった」と続けている。

そのメットカーフは“Greatest player I ever played with(今まで一緒にプレーした中で最高の選手)”と記したシーホークスのジャージーをウィルソンに贈った。

ウィルソンは試合後、結果はともかくとして、自分のキャリアを形成した場所で再びプレーする機会を得たこと、そして、たとえ敵対する立場であっても、今でも親しい友人だと思っている選手たちと対戦できたことに感謝していると明かし、次のように語っている。

「地球上で最も大きなゲームのいくつかに出場し、どこよりも多くの人に見られてきた。この試合は特別なものだった。親しい友人たちに会って対戦し、彼らのそばにいられたからね。それと、俺にとって特別な場所であるこのスタジアムにまた戻ってこられた。この場所がなければ今の自分はないし、感謝している」

【RA】