ブロンコスに敗れた49ersの“ずさんな試合”を象徴するQBガロポロのセーフティ
2022年09月27日(火) 13:21現地25日の夜にサンフランシスコ・49ersがデンバー・ブロンコスに11対10で敗れた試合の第3クオーターで、クオーターバック(QB)ジミー・ガロポロが誤ってエンドラインを超えてセーフティとなり、不名誉な選手の烙印を押された。
49ersが7対3とリードしていた第3クオーターの残り10分あまり、第2ダウン残り10ヤードを自陣2ヤードの地点で迎えたジミーGは、プレッシャーをかけられて後方へと下がると、そのままエンドゾーンの端を踏み越えてしまい、セーフティとなっている。その直後にガロポロが投げたボールはブロンコスのアウトサイドラインバッカー(OLB)ブラッドリー・チャッブがインターセプトし、危うく彼のタッチダウンが有効になるところだった。
セーフティについてガロポロは「かなり厳しい状況だった」と振り返る。「時間をかけてプレーを決めたいと思っていただけなんだ。難しい状況だった。試合を通してずさんなオフェンスばかりだった。きれいにプレーが決まったドライブは1回くらいしかなくて、その時に得点することができた。それ以外はディフェンスに押されっぱなしで、とにかくずさんな試合だった」
これまでで最も不名誉なQBによるセーフティは、デトロイト・ライオンズの元QBダン・オルロフスキー(現在は『ESPN』のアナリスト)が、ライオンズが全敗に終わった2008年シーズンのミネソタ・バイキングス戦でエンドゾーン後方に向かって思い切り走っていった時のことだ。そんなオルロフスキーに仲間ができた。
IVE NEVER BEEN HAPPIER
FFFFREEEEEDDDOOOMMMM
— Dan Orlovsky (@danorlovsky7) September 26, 2022
「これ以上うれしいことはない。不名誉なQBから解放された」
両チームがボールを進めるのに苦戦した試合でブロンコスに2点を与えたこのセーフティは極めて重要なプレーとなった。
ヘッドコーチ(HC)のカイル・シャナハンは、ジミーGをこのような状況に追い込むようなプレーをコールした自分に責任があると言う。
「あれは厳しい状況だった」とシャナハンHCはコメントしている。「ブロックされていないディフェンスが彼に向ってくるような状況を私が作ってしまった。ビッグプレーを決めるだけの時間があって、この状況を脱することができれば良かったのだが。難しい状況だったんだ」
試合開始から2回目のドライブで49ersはタッチダウンを決めているが、その後にプレーらしいプレーはほとんどなく、第4クオーターにフィールドゴールを1本決めただけだった。この試合で49ersはパントを7回も行い、ファンブルを2回――そのうち1回は試合終了を招いた――喫した上に、ガロポロはひどいインターセプトを投げている。
日曜日にジミーGは29回のパスのうち18回を成功させて211ヤードと、タッチダウンとインターセプトを1回ずつ記録し、パサーレーティングは81.2となった。これでガロポロは先発した試合で6試合続けて(プレーオフを含む)100以下のパサーレーティングを付けられたことになる。
シャナハンHCはガロポロについてこう話している。「前半はすごく良かった。想定されていたものもそうでないものの、プレーをしっかり決めていた。だが、後半は私も含め、オフェンスの誰一人として良いプレーをした者はいなく、リズムをつかめないまま終わってしまった。なんとか食らいつくためにディフェンスが頑張ってくれたが、それを得点につなげることができなかった」
49ersは10回中1回しか第3ダウンをコンバートすることができず、ダウンフィールドまでボールを運ぶことはめったになかった。QBトレイ・ランスがケガによりシーズンを終了するまで、49ersが今シーズンにジミーGから離れることを計画していた理由が、このパフォーマンスに凝縮されていると言えよう。
ガロポロは多くの投球をミスし、中にはありえないようなミスも見られた。その結果、49ersの優秀なディフェンスは窮地に追いやられることになった。オフシーズンに肩の手術を受けたことでトレードの機会を失い、チームとのオフシーズンのトレーニングにも参加しなかったガロポロは、まだプレーできる状態に戻っていないことを認めている。
「腕がようやく感覚を取り戻したところだ」とガロポロは説明している。「今までとは違う。2番手としてできる限りの練習や準備をしてきた。チーム合同練習(OTA)やトレーニングキャンプには参加しなかったから、とにかく試合で戦えるだけの体勢を整えるしかない」
シーズン第4週のマンデーナイトフットボールでスーパーボウルチャンピオンのロサンゼルス・ラムズと対戦する1勝2敗のガロポロと49ersは、一刻も無駄にすることはできない。
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