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NFLとNFL選手会が脳しんとうプロトコルの更新内容に合意

2022年10月02日(日) 17:30

【NFL】

NFLとNFLPA(NFL選手会)が、シーズン第3週に行われたバッファロー・ビルズ戦でのマイアミ・ドルフィンズのクオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアのように、粗大運動の乱れを見せた選手を要因のいかんを問わず除外する最新の脳しんとうプロトコルの内容に合意したという。情報筋が現地1日(土)に『NFL.com』に明かした。

今回の合意はNFLPAの安全衛生委員会などの正式な承認を経てから、シーズン第5週の試合に間に合うように効力を持つようになる可能性がある。

NFLとNFLPAは土曜日に発表した共同声明で“選手の安全性を高めるために”変更が必要だと両者が同意していると述べた。

その声明には「マイアミ・ドルフィンズのクオーターバック、トゥア・タゴヴァイロアに関する脳しんとうプロトコルの適用についてのNFLとNFLPAの合同調査は、現在も継続中だ。したがって、医療ミスやプロトコル違反に関するいかなる結論も出していない」と記されている。

「NFLとNFLPAは選手の安全性を高めるために脳しんとうプロトコルを修正する必要があることに同意している。NFLPAのマッキー・ホワイト安全衛生委員会とNFLの頭部・首・脊椎委員会はすでに“粗大運動の乱れ”という用語の使用について話し合いを始めており、これまでの検討過程で判明したことをもとに、数日のうちにプロトコルに変更が加えられると予測している」

「NFLとNFLPAは選手の安全性を高めるためだけに時間と専門知識を提供してくれる外部の神経外傷コンサルタント(UNC)に強い感謝の念を抱いている。このプログラムにより、過去12シーズンでプレーしていた選手にとって、われわれのゲームはより安全なものとなっていた」

最新のプロトコルはまだ有効になっていないが、シーズン第4週の日曜日に14試合が予定されている中で、土曜日の声明によってすべての関係者は厳戒態勢をとることになるだろう。少しでも疑いがあれば、選手は除外される。

タゴヴァイロアに関する2つの事例を踏まえて、リーグの脳しんとうプロトコルはこの1週間で広く議論の的となってきた。医師たちは先週の日曜日に、頭を打って立ち上がった後によろけたタゴヴァイロアに対し、背部のケガだと診断して復帰の許可を出している。その4日後、タゴヴァイロアはシンシナティ・ベンガルズ戦で恐ろしいほどの脳しんとうを起こした。救急車でスタジアムを去る前、タゴヴァイロアはフェンシング反応によって腕が固定され、指がねじれていた。

日曜日の試合でタゴヴァイロアが見せたよろめきは背部に起因するものであり、神経的な問題によるものではないと判断されたため、既存の共同交渉による脳しんとうプロトコルの下では“出場不可”と見なされなかった。NFLPAとNFLPA会長のJC・トレッターはこの結論に異議を唱えている。トレッターは金曜日に発表した声明で今回の件を医学的判断の失敗だと指摘し、選手たちがそれに対して“憤慨”していると述べた。

タゴヴァイロアは木曜夜に退院し、チームと共に飛行機でホームに戻っており、金曜日に発表した声明には「調子はだいぶ良くなっていて、チームメイトと再びフィールドに立てるよう回復に専念している」と記している。

木曜日の試合以降、NFLの脳しんとうプロトコルに置かれているタゴヴァイロアは、首の痛みにも対処しているところだ。飛行機に乗っている間、彼の首は念のため固定されていた。その後、CTスキャンなどの検査を受け、金曜日にもMRI検査を受けている。情報筋によると、これらすべての検査で異常は見つからなかったという。

最新のプロトコルは本質的に、ビルズ戦でタゴヴァイロアにフィールドに戻る許可をすることになった抜け穴を閉じるものとなり、選手の不安定性の原因に関する主観性を排除し、単に選手を除外するものとなる。リーグは水曜日に、プロトコルが守られていたと確信していると発表。最新のプロトコルでは、医師は選手が不安定になった理由を判断する立場ではなくなっている。

NFLPAは9月25日に起きた最初の出来事の数時間後、タゴヴァイロアに対してとられた脳しんとうの評価について調査を開始した。その調査は団体労働協約(CBA)に基づいてNFLとNFLPAが共同で行っており、来週か再来週には結論が出ると見込まれている。

調査担当者は金曜日、タゴヴァイロアの脳しんとうの診断に関与したドルフィンズのチームドクターとUNCに聞き取り調査を行った。また、選手会は土曜日、UNCが自分の役割を理解していないことや、調査の過程で敵対的な態度が見せたことなどを要因として挙げ、UNCを解雇する権利を行使している。

2020年のCBAでは“サイドラインのUNCは自ら質問を提示したり、追加検査を行ったりすることができ、脳しんとうの診断と治療を支援する。しかしながら、脳しんとうの診断と選手の試合復帰の決定に関する責任は、チームの医長または外傷性脳損傷の管理を担当するチームドクターの専門的判断にのみある”とされている。

ドルフィンズのヘッドコーチ(HC)マイク・マクダニエルは金曜日に記者会見に臨み、“自分たちの対応に100%の確信”を持っていると述べ、医師は先週日曜日にタゴヴァイロアが頭部の負傷に見舞われていないという結論に達したと繰り返した。

ベンガルズ戦でタゴヴァイロアの代わりにQBテディ・ブリッジウォーターを出場させたドルフィンズは、27対15で敗れて今季初黒星を喫している。ドルフィンズはタゴヴァイロアの負傷から10日後にあたる10月9日(日)にニューヨーク・ジェッツとの試合に臨む予定だ。今のところ、タゴヴァイロアの復帰時期は未定となっている。

【RA】