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「DTドナルドは怒り心頭だ」とラムズDTブロッカーズ

2016年10月01日(土) 09:20

シーホークスQBラッセル・ウィルソンにタックルするラムズDTアーロン・ドナルド【AP Photo/Kelvin Kuo】

数字は時に正しい評価とはならない。特に、インサイドのディフェンシブラインマンたちに関して言えば当てにならないものだ。

相手を妨害するだけでも、チームにとってはプラスだ。ディフェンシブタックル(DT)がポケットを崩せば、どんなに素晴らしいクオーターバック(QB)にさえスローミス、判断ミスを誘発させる。しかし、必ずしもその全ての妨害プレーがサックと記録されることはない。ボックススコアラーにとって、QBが2ヤードロスでアウト・オブ・バウンズに抜けていく際に最も近いプレーヤーがディフェンシブエンド(DE)だった場合のサックと、ダブルチームを押しのけたDTによる3つのQBヒットを見分けることは困難だ。

今シーズン、ロサンゼルス・ラムズのDTアーロン・ドナルドがこの表に現れない数字の問題を象徴している。相手ブロッカーたちを玉砕し、相手ポケットを歪めているにもかかわらず、ドナルドにいまだサックの記録はない。

ラムズのDTマイケル・ブロッカーズは『ESPN.com』に対し、笑いながら「ドナルドがどんなにイラついていたか知っているか? 今ごろ俺は殴られてあざだらけだったかもしれない!」と語った。

3試合を通じ、ドナルドは9タックル、3スタッフ(1ヤードも与えないタックル)、2パスディフェンスを記録。1つのサックもないがNFLのデータ分析サイト『Pro Football Focus(プロ・フットボール・フォーカス/PFF)』によると、ドナルドはインサイドのディフェンシブプレーヤーの中で1番良いデータを残している。ドナルドが95.8パスラッシュポイントを記録しているのに対し、守備部門で9月の月間MVPを獲得したフィラデルフィア・イーグルスのディフェンシブエンド(DE)フレッチャー・コックスは81.4ポイント。PFFはドナルドから17QBプレッシャーが生み出されたと解析。

サック不足でうっ憤がたまるのは理解できるが、ドナルドはまだユーモアのセンスを持ち合わせていた。先ごろ行われたコーチとのミーティングの際にドナルドは「QBのやつらもサックしたらどうだ?」と語った。

ラムズのヘッドコーチ(HC)ジェフ・フィッシャーは「相手は2人1組でドナルドに向かってくる。彼はかなりタフなポジションを任されているが、これによりわがチームの他の選手に絶好のチャンスが与えられる。ドナルドには継続して動き回ってもらい、1対複数という状況を作り出す。数字には表れていないが、ドナルドのチーム貢献度は素晴らしい」とコメント。

数字は当てにならない。サックの記録があろうがなかろうが、ドナルドは相手攻撃陣にとってNFLの中で最もやっかいなディフェンシブプレーヤーだ。年間最優秀守備選手を議論する際にドナルドを候補から外す者はおそらく、単純にボックススコアの数字だけを見て判断しているに違いない。