3度のプロボウラーであるRBリビオン・ベルがユライア・ホールとの試合でプロボクサーデビューへ
2022年10月07日(金) 10:36リビオン・ベルがプロの世界に入ろうとしている。
およそ1カ月前に行われたエキシビションマッチでもう一人の元NFLランニングバック(RB)を倒したベルのプロボクシングデビューが現地6日(木)に発表された。ベルは長くアルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)ミドル級で活躍したユライア・ホールと10月29日(土)に対戦する。この試合は『Most Valuable Promotions(モスト・バリュアブル・プロモーションズ)』および『Showtime(ショータイム)』が実施するペイ・パー・ビューイベントで、ジェイク・ポール対アンデウソン・シウバのアンダーカードとして行われる。会場はアリゾナ州グレンデールのデサート・ダイアモンド・アリーナが予定されている。
プレスリリースの中でベルは「モスト・バリュアブル・プロモーションズがポール対シウバのペイ・パー・ビューに出ないかと声をかけてきてすぐに、俺は“出たい”って言ったし、相手が誰かなんてお構いなしだった」と話している。
「ユライア・ホールは俺のパンチのパワーを喰らって、サブミットされたみたいにタップするだろうな。彼は俺みたいな作りをしていない」
ベルは7月に、今季のNFLではプレーせず、ボクシングに集中するつもりだと話していた。9月10日にエイドリアン・ピーターソンを第5ラウンドでノックアウトしている。
ホールとの対戦は、ベルにとって初めてのプロとの試合であると同時に、プロボクシングの世界での初戦でもあり、195ポンド(88.45kg)で契約された4ラウンドのクルーザー級マッチとして行われる。
プロボクサーとしてボクシングリングで戦うのは両ファイターにとって初めてのことだが、ホールは10年以上にわたって格闘技の世界に身を投じており、2005年に総合格闘技(MMA)でのプロキャリアを開始している。2012年にジ・アルティメット・ファイター(TUF)に出場したときから始まったUFC時代の中で、長い間UFCミドル級のトップ10につけており、MMAでは17勝11敗、ノックアウト13回をマーク。クリス・ワイドマン、ゲガール・ムサシ、ティアゴ・サントスらを相手に白星を挙げ、今回のメインイベントに登場するシウバに対しても2020年10月にテクニカルノックアウトを決めている(シウバがMMAでの全盛期を超えて久しい時期ではあったものの)。
「リビオン・ベル、お前のベストを持っていよ。こっちはそうさせてもらうぜ」とホールは同じプレスリリースでコメントした、
38歳のホールによるボクシング転向がどう働くかは、まだ分からない。しかし、30歳のベルはNFLの元MVP選手との試合から、UFCの元ノックアウトアーティストとの試合へと、恐るべきステップをたどっている。
ピーターソンとの試合で、ベルは初めてにして唯一のビッグパンチを繰り出し、はるかに優れたフットワークを披露した。しかし、たとえプロボクシングの経験がないとは言え、ホールの方がずっとアグレッシブで、根本的に苛烈な戦い方をするはずだ。
ベルは2021年にNFLで8試合に出場しており、5試合がボルティモア・レイブンズ、3試合がタンパベイ・バッカニアーズのメンバーとしてだった。今の時点で、このゲームの最高のランニングバックの一人として活躍し、オールプロ選出2回、プロボウル選出3回を数えた2013年から2018年のピッツバーグ・スティーラーズ時代は、はるか昔のことのようになっている。契約問題から2018年をホールドアウトし、2019年シーズン開幕前に大型契約でニューヨーク・ジェッツに入団したものの、そこからのベルのキャリアは低迷している。
今、ベルは新たな世界で2度目の挑戦をしようとしている。ベルは再びプロになる。フィールドを遠く離れた、リングの中で。
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