タイタンズとナッシュビル市が新リースと新スタジアムの条項に合意
2022年10月18日(火) 14:40テネシー・タイタンズは2026年シーズンの開幕日にオープンさせることを目標にした新スタジアムの建設に向け、推定21億ドル(約3,127億0,890万円)のドームスタジアム建設の資金調達に目処をつけた。この新施設がオープンすれば、フランチャイズはスーパーボウルを開催できるようになる。
現地17日(月)、タイタンズとナッシュビル市長のジョン・クーパーが記者会見で合意内容を発表。その内容により、メトロ・スポーツ・オーソリティーが発行する7億6,000万ドル(約1,131億6,932万円)の債券が提供されることになる。また、その取引は引き続きメトロ・ナッシュビル市議会の承認が必要だ。クーパー市長はこの新提案が納税者の負担を防ぐものだとして、声明で次のように述べている。
「何もしないことはわれわれにとって法的な選択肢ではなく、現在のスタジアムを改修することは財政的に不可能だと判明していたため、われわれはチーム、州、観光客、スタジアム周辺の消費者によってまかなわれる新しいスタジアムを提案している――あなたの家族によってではない」
ドームスタジアムの建設により、ナッシュビルではスーパーボウルをはじめとし、冬期の大規模なコンサートや、フットボールおよびバスケットボールのカレッジプレーオフゲーム、毎年開催されるCMAファンフェスト、レッスルマニアなどを開催できるようになり、それらがセールスポイントとなった。
タイタンズのバーク・ニヒル会長兼CEOは「ナッシュビルの新スタジアムは、地域社会にとって画期的なものであり、この偉大な都市と州の国内外での評判を高め、25年前には夢にも思わなかった世界クラスのイベントをこの地で実現することになるだろう」と述べている。
この契約により、将来のメンテナンスと2039年までのスタジアム投資にかかる推定18億ドル(約2,680億3,260万円)の費用が、ナッシュビルの納税者からNFLフランチャイズに移行される。また、建設費が予算を超過した場合には、NFLフランチャイズが負担することになる。
取引の一環として、タイタンズは過去4年間のスタジアム維持費としてナッシュビル市が負担すべきだった3,200万ドル(約47億6,528万円)を免除することに合意した。また、タイタンズは現スタジアムに残っている3,000万ドル(約44億6,745万円)の債券も返済することになる。
1%のホテル/モーテル税、スタジアム内の売上税、スタジアムとその周辺の50%の売上税が支払いに充てられる。税収が見込みを下回る場合は、ナッシュビルや市の一般資金ではなく、タイタンズが責任を負う予定だ。テネシー州議会はすでに5億ドル(約744億5,750万円)の債券を承認している。
月曜日に発表された、新たな30年リースを含む最終合意に至るために、タイタンズは数カ月にわたって市の職員と交渉してきた。
ナッシュビル市は1996年に締結されたリース契約に基づき、タイタンズが試算する市が支払うべきスタジアムの維持費を確認するために、独立したコンサルティング会社を雇った。“Venue Solutions Group(ベニュー・ソリューション・グループ)”はタイタンズの試算を基本的に承認し、リース契約の残り年数で17億5,000万ドル(約2,606億0,125万円)から19億5,000万ドル(約2,903億5,110万円)かかるとした。
タイタンズは、NFLからの援助と、パーソナルシートライセンスの販売で、8億4,000万ドル(約1,250億7,432万円)の資金を確保する見込みだ。タイタンズはタイタンズ分のスタジアムの資金をクリアしている。
オーナーのエイミー・アダムス・ストランクは、1999年8月にオープンした球団本部の建物を実質的に2倍に拡張する費用をすでに負担している。ストランクは25年前にチームをここに移したとき、自分の父親はこれより良いホームを想像できなかっただろうと、声明で語っている。
「テネシーの人々がこのチームを自分たちのものとして受け入れてくれる姿勢は本当に特別なものです。この新しい合意によって、私たちの未来がここナッシュビルで次の世代へと受け継がれていくことになると思うと、とてもワクワクします」
ニッサン・スタジアムはもともと1999年シーズンにオープンし、当時はアデルフィア・コロシアムという名前だった。このスタジアムのパッケージの金額は2億9,200万ドル(約434億8,026万円)だった。その取引は、2013年に亡くなったフランチャイズオーナーのバド・アダムスが、1960年にヒューストンで創設したアメリカンフットボールリーグの一部であるオイラーズのフランチャイズを、テネシーに移転させることを説得させるものだった。
タイタンズはもともとスタジアムの改修を計画していたが、調査の結果、費用が当初の見積もりの6億ドル(約893億4,300万円)から12億ドル(約1,786億8,600万円)へと倍増した。
球団関係者はフランチャイズがリース延長という選択肢を選んだ場合、スタジアムのメンテナンスに少なくとも18億ドルが必要になるという調査結果をナッシュビル市に提示している。
新スタジアムは現スタジアムと州間高速道路24号線の間にある駐車場に建設される予定だ。月曜日に発表された取引により、現在のニッサン・スタジアムの敷地を含む66エーカーの管理権がナッシュビルに戻される。市当局は公園や緑道、手頃な価格の住宅、新しい道路を特徴とする改修を計画している。
ナッシュビルではすでに2019年NFLドラフトが開催され、3日間で約60万人を動員している。
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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