「クオーターバックを守ることから手を引くつもりはない」とNFLの取締役副社長ビンセント
2022年10月19日(水) 12:402022年シーズンは重大なラフィングザパサーのペナルティがすでにいくつかあり、現地18日(火)にニューヨークで行われた秋季リーグミーティングでもこの話題が取り上げられている。
NFLフットボール運営部門取締役副社長のトロイ・ビンセントはフットボールの運営に係るセッションで、特定のペナルティをめぐっては健全で活発な話し合いがあったと述べている。その上で、リーグは今後もクオーターバック(QB)の保護を優先していくとビンセントは主張した。
ビンセントは「クオーターバックが健康でなければ勝つチャンスはないことは誰もが知っている」と火曜日に記者たちに話している。「それに関する姿勢を崩すことはなく、クオーターバックを守ることから手を引くつもりはない」
同じ日にコミッショナーのロジャー・グッデルも同様の回答をしている。
「守られていない状況やケガにつながるような無防備な体勢にある選手を守ることから手を引くつもりはない」とグッデルは言い、「そういったテクニックはゲームから排除していく」と述べた。
このペナルティが今シーズンに議論を巻き起こしているのは間違いない。シーズン第5週には、第4クオーター終盤の第3ダウンという重要な場面で、アトランタ・ファルコンズのディフェンシブタックル(DT)グレイディー・ジャレットがタンパベイ・バッカニアーズのQBトム・ブレイディを地面に投げ倒したことでラフィングザパサーのペナルティを言い渡されている。続くマンデーナイトゲームではカンザスシティ・チーフスのDTクリス・ジョーンズがラスベガス・レイダースのQBデレック・カーにストリップサックを決めたが、ジョーンズがカーに体重をかけて押し倒したとしてこのプレーは無効となった。
この2つのプレーについて具体的に聞かれたビンセントは、ジャレットへのコールは「見たくない」ものだが、「哲学的には支持できる」と答えた。
「ゲームを軟化させたいわけではない。違う形でより安全なものにしたい」とビンセントはつけ加えている。
NFL競技委員会の委員長を務めるリッチ・マッケイは火曜日に記者団に対し、今シーズンのラフィングザパサーのペナルティは過去数年の同じ時期に比べて少ないと指摘した。マッケイによれば、シーズン第6週を終えた時点で2018年は53回、2019年は59回、2020年は43回、2021年は52回あったのに対して、2022年は38回だという。
「オフィシャルに100点満点をつけることはない。全員がすべてのコールに同意するということはありえない」とマッケイはコメントしている。
マッケイはさらに、リーグは次のオフシーズンにラフィングザパサーのコールを見直すが、今シーズン中の変更はないと話しており、ペナルティをレビューできるようにすることについては短い議論があったものの、そのような規則を制定するのは難しいという。
マッケイは「主観的なファールを見直すということは、すでに確認されたものを主観的な目でさらに確認することになる」と述べている。
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