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ベアーズがドラフト4巡目指名権と引き換えにDEクィンをイーグルスにトレード

2022年10月27日(木) 09:49

シカゴ・ベアーズのロバート・クィン【Scott Boehm via AP】

いまだ無敗のフィラデルフィア・イーグルスだが、トレード期限を前にしてあぐらをかいているわけではない。彼らは戦力を補強している。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとマイク・ガラフォロが現地26日(水)に伝えたところによると、シカゴ・ベアーズがドラフト4巡目指名権と引き換えにディフェンシブエンド(DE)ロバート・クィンをイーグルスにトレードしたとのこと。身体検査の結果を待つ間に、イーグルスとベアーズがそれぞれ今回のトレードを正式に発表している。

プロボウルに3度選出された経歴を持つ32歳のクィンは、ここ2シーズン以上をベアーズで過ごしてきたが、トレーニングキャンプの頃からトレードがうわさされていた。

ベアーズ(3勝4敗)は月曜夜にニューイングランド・ペイトリオッツを相手に大金星を挙げたが、11月1日(火)に迎えるトレード期限を前にして売り手となっている。一方、6勝0敗のイーグルスはNFLで4位にランクしている守備陣をさらに補強した。

クィンは2021年シーズンにサック18.5回を記録してプロボウルにも選出されたものの、今季はそのような活躍ぶりを見せていない。『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』によれば、7試合を通してタックル8回、サック1回を記録しているクィンのグレードは43.8とのこと。2020年シーズンを前に、クィンは5年7,000万ドル(約102億4,748万円)という大型契約でベアーズに呼び寄せられた。2020年シーズンはサック2回という記録にとどまったが、2021年シーズンに再び大活躍したことでシナリオが変わっている。

今季のベースサラリーが1,280万ドル(約18億7,330万円)となっているクィンは、今後2シーズンで合計2,680万ドル(約39億2,222万円)を基本給として受け取る予定だ。ベアーズは今季のベースサラリーの残りにあたる710万ドル(約10億3,910万円)をクィンに支払う予定だとNFLネットワークのトム・ペリセロが報じている。

クィンの移籍は特に驚くべきことではないとはいえ、残された選手にとってはフィールド内外を問わず大きな打撃となるだろう。特に、ベアーズで共に傑出した選手として活躍し、トレード候補にもなっているインサイドラインバッカー(ILB)ロクアン・スミスは衝撃を受けているようだ。記者会見の際にクィンのトレードを知ったスミスは感情的な様子を見せている。

『Shaw Local News(ショー・ローカル・ニュース)』のショーン・ハモンドによると、スミスは「俺は彼のことをものすごく尊敬しているんだ。ちくしょう、クレイジーだ」とコメントしたという。

ベアーズに加入する前、ロサンゼルス・ラムズやマイアミ・ドルフィンズ、ダラス・カウボーイズでプレーしていたクィンは、正真正銘の実力を持っていると思わせるときもあれば、貢献度が低いときもあるなど、浮き沈みの激しいキャリアを歩んできた。全盛期を超えたと周囲に思わせたシーズンは一度だけではない。クィンはこれまでに5シーズンで2桁のサックを記録しているにもかかわらず、サック5回以下で終えたシーズンが4回もあった。

クィンは12年のキャリアで5つ目のチームに加入し、才能豊かなディフェンシブフロントの一員になろうとしている。サック17回を記録してNFLで10位タイにつけているイーグルスは、すでにアウトサイドラインバッカー(OLB)ハサン・レディックやDEジョシュ・スウェット、DEブランドン・グラハム、ノーズタックル(NT)ジャボン・ハーグレイブ、DEフレッチャー・コックス、ディフェンシブタックル(DT)ジョーダン・デイビスのいるパスラッシュ軍団にクィンを加えるつもりだ。

日曜日にピッツバーグ・スティーラーズを迎え撃つイーグルスは、相手が憂慮すべきパスラッシャーの数を1つ増やしている。

【RA】