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経営陣の反対を押し切ってジェフ・サタデーを暫定HCに採用したコルツオーナーのアーセイ

2022年11月14日(月) 14:32

インディアナポリス・コルツのジェフ・サタデー暫定HC【AP Photo/Darron Cummings】

インディアナポリス・コルツのオーナーであるジム・アーセイは元プロボウラーのセンター(C)ジェフ・サタデーを暫定ヘッドコーチ(HC)に採用するという驚くべき決断を下すにあたって、経営陣の反対を押し切っていたと情報筋が伝えている。

今回の動きは、情熱的でときには衝動的なアーセイによる最新の権力行使で、アーセイは11月7日にヘッドコーチのフランク・ライクを解雇し、その2週間前にはベテランクオーターバック(QB)のマット・ライアンもベンチに下げさせている。

コルツのリング・オブ・オナーに選ばれ、第41回スーパーボウルの優勝チームのメンバーであるサタデーは、高校レベル以上の指導をしたことがなく、直近では『ESPN』にテレビアナリストとして採用されていた。サタデーにはリーダーとしての素質があり、情報筋によると、現地12日(土)のラスベガス・レイダース戦に向けてチームを整えるにあたって、コーチや選手と前例のない状況を切り抜けようと彼はその才能をすでに発揮しているという。

とはいえ、この異例の採用には組織の内外から厳しい目が向けられた。

コルツ会長のピート・ワードとジェネラルマネジャー(GM)のクリス・バラードをはじめとする関係者はアーセイと話しをして難色を示したと情報筋は言う。コルツのスタッフには元ヘッドコーチのジョン・フォックスとガス・ブラッドリーに加え、新鋭のスペシャルチームコーディネーターのババ・ベントローネがいる。ところが、情報筋によれば、アーセイはサタデーの雇用に固執していたとのことだ。そのサタデーは、ニューイングランド・ペイトリオッツに敗れた先週日曜日の試合の最中にアーセイから電話があり、コルツのオフェンシブラインが抱える問題について尋ねられたと明かしている。

それから24時間以内に、試合後ボストンに残ったアーセイはライクに解任を告げている。バラードはその決断への対応をチームに呼びかけた。そしてアーセイは、自分がインディアナポリスに呼ばれたのには理由があると確信したというサタデーを、この仕事を引き受けるよう説得した。

攻撃コーディネーター(OC)マーカス・ブレイディも11月1日に解雇された中、サタデーの最初の仕事の一つは、それまでライクが担当していたオフェンスのプレーコールを誰に任せるかを決めることだった。情報筋によれば、クオーターバックコーチのスコット・ミラノビッチは現行の契約を改定することなくその職務を依頼され、断ったという。そこでコルツはパスゲームのスペシャリストでアシスタントクオーターバックコーチを務めるパークス・フレージャーに矛先を変えた。フレージャーは優秀な若手コーチとして評価されているものの、NFLでプレーをコールしたことはなく、日曜日は厳しい状況下でのデビューとなった。

サタデーは今月7日に開かれた最初の記者会見でQBサム・エリンガーが日曜日のレイダース戦でNFL3度目の先発を果たすと述べていた。だが、ベンチに下げられた際には肩の負傷を抱えていたライアンは、ヘッドコーチの変更があってからこの日初めてアクティブとなり、先発に復帰している。

47歳のサタデーは水曜日に初めてのチームミーティングを開き、記者会見で語った内容の多くを繰り返した。彼はコルツを愛していること、コーチングスタッフを頼りにしていること、そして、これからの8試合、あるいはそれ以上の試合に向けて突然代わりを務めることを恐れていない、というのがその内容だった。

サタデーは水曜日に記者団にこう話している。「要はこういうことだ。私は人としての自分に満足している。リーダーシップもあると思っている。フットボールのゲームはよく知っているし、情熱もある。他の人と比べて資格があるかどうかは心配していない。私は14年間もロッカールームで過ごしてきたんだ。プレーオフも12回経験している。私と一緒にプレーした選手のうち5人は殿堂入りを果たしている。偉大であるとはどういうことか、知らないとでも思っているのか? 選手やスタッフがどうやって準備し、コーチやGMがどういう仕事をしているかを知らないとでも? 私はスーパーボウルに2度出場して、そのうちの1回は優勝している」

「つまるところ、誰にだっていい仕事ができる保証はない。私はこの仕事に向いていないかもしれない。8試合が終わった頃には“もうこりごりだ。私には無理だった”と言っているかもしれないし、はたまたすごくうまくやれるかもしれない。そんなことはまったく分からない。ただ一つ言えるのは、私は絶対に引き下がらないということだ」

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