ドイツへの遠征でようやくクオーターバック（QB）トム・ブレイディ率いるタンパベイ・バッカニアーズのオフェンスは足がかりを見つけられたようだ。

現地13日（日）、シアトル・シーホークスに21対16で勝利したバッカニアーズのオフェンスは、やっとシーズン前に期待されていたものに近い活躍を見せた。グラウンドゲームは遅まきながら機能し始め、ルーキーランニングバック（RB）のラシャード・ホワイトが105ヤードを稼ぎ、ブレイディはワイドレシーバー（WR）のクリス・ゴッドウィンやマイク・エバンスに鋭いパスを決めている。

奇想天外なコールでRBレナード・フォーネットのパスがピックされ、ブレイディらしからぬインターセプトがなければ、バッカニアーズはもっと楽に勝てていたことだろう。一週間前のロサンゼルス・ラムズ戦では試合終盤でギリギリ勝利をつかむことができたバッカニアーズにとって、オフェンスがボールを動かせるようになったことは明るい兆しと言えよう。

ブレイディは月曜日に「5クオーター前に比べてチームは明らかに良い方向に向かっている」と『SiriusXM（シリウスXM ）』のポッドキャスト“Let’s Go!（レッツ・ゴー！）”で述べている。「それに、ラムズに勝つ方法を見つけられたし、チームにとってあの勝利は重要だった。それからドイツでも勝って、バイウイークの前に5勝5敗に持っていくことが僕たち全員にとって大きな目標だったんだ。今年はNFLでの厳しい年だと思っている」

「昨日の試合のハイライトや、たくさんの試合を見て思ったけど、絶好調のチームが多い中でミネソタ・バイキングスがバッファロー・ビルズに勝ったりするのは簡単なことではない。フィラデルフィア・イーグルスも今年は安定している。カンザスシティ・チーフスも同じく。だから、それ以外は勝ったり負けたり、いい試合があったり悪い試合があったりの寄せ集めみたいなもので、どのディフェンスが活躍するか、どのクオーターバックが活躍するかということだ」

4勝6敗のアトランタ・ファルコンズに1ゲーム差で5勝5敗のバッカニアーズは、ひどい有り様のNFC（ナショナル・フットボール・カンファレンス）南地区で首位につけている。バイウイークの後にバッカニアーズは3勝のクリーブランド・ブラウンズ、および3勝のニューオーリンズ・セインツと対戦し、その後にサンフランシスコ・49ersと激突する。残りのスケジュールはNFLの中でもかなり楽な方で、バッカニアーズはシーズン初期の苦戦にもかかわらず、ポストシーズンへの切符を手に入れることができるかもしれない。

「見ていて面白い年だよ」とブレイディは話す。「これから一番重要になってくるのは、どれだけ最高のフットボールをできるかだ。それができれば、毎週勝つことができると信じなければならない。ただ、それをどう実現するかが課題なんだ」

「僕はいつも準備やプロセスに立ち戻るようにしている。自分たちがプレーできるように、そして最終的に試合当日を迎えられるように正しいことをしているか。そこから昨日のように、気持ちの面ですごく良いプレーができ、自由にプレーができ、ワクワクしながらプレーができるようなレベルに持っていけるか。昨日は今まで以上に、そういうことがチームの勝利にとって必要な方程式のようなものだったんだ。ディフェンスも良かった。オフェンスはマシになった。あとはそこからいかに良くなり続けられるかだ」

ブレイディ率いるチームがシーズン序盤で苦戦しながらも徐々にまとまりを見せ、プレーオフで勝ち進んでいく姿をこれまでにも見てきた。バッカニアーズはすべてがうまくいった時にビッグプレーを生み出すだけの才能をそろえている。ここ5クオーターはこのシーズンを救ったかもしれない。次の7試合でシーズンは決まる。

ちなみに、フォーネットからブレイディへのパスについてだが、その時に彼が高校の新人のように滑ってしまったことをTB12は勝利後に笑い飛ばすことができたようだ。

「ボールが空中にあった時からキャッチできないと分かっていたから、せめてタックルしてボールをキープしようとしたところ、滑ってしまったんだ」とブレイディは説明し、こう続けた。「だから、いろいろな意味であのプレーでは恥ずかしさと羞恥心を同時に味わうことができたよ。あのプレーは絶対に忘れない。それに、僕のキャリアでレシーブを受けることは滅多になかったから、ドイツでそれができたら面白いかもしれないと思っていたんだ。ものすごく遅かったけど、高速道路の速度制限のない国で、僕がワイドレシーバーとしてルートを走るのを披露できて良かったと思っているよ」

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