ナショナル・フットボール・リーグ（NFL）にとって初となるドイツでのレギュラーシーズンの国際試合が現地13日（日）に実施された。その歴史的な一戦ではタンパベイ・バッカニアーズとシアトル・シーホークスが相まみえた。

初めてドイツで実施された待望の試合ではバッカニアーズが21対16で勝利。ドイツ国内外から集まったファンがバイエルンの州都にNFLが上陸したことを祝い、ミュンヘンにフットボールフィーバーが巻き起こった。

ミュンヘンでの試合を数字の観点から見てみると、以下のような成果があがった。

◆ブンデスリーガのFCバイエルン・ミュンヘンの本拠地であるアリアンツ・アレーナで行われた試合のチケットは完売し、6万9,811人のファンが来場した。

◆この試合は米国内の記録上、『NFL Network（NFLネットワーク）』で最も視聴された国際試合となった。タンパとシアトルの地上波放送の視聴者を除き、580万人以上が視聴していた。

◆ドイツの放送局『ProSieben（プロジーベン）』は270万人の視聴者を獲得し、歴代最多記録を更新。これにより、今回の試合はドイツで最も視聴率の高いNFLのレギュラーシーズンおよびプレーオフゲームとなった。また、ここ3年のスーパーボウルに次いで、NFL史上最も視聴された試合となっている。

◆『DAZN Germany（ダゾーン・ジャーマニー）』のストリーミングプラットフォームではスーパーボウルに次いで最も視聴されたNFLの試合であることが確認された。

◆NFLのヨーロッパにおける独占的なイベント小売業者である『Fanatics（ファナティクス）』はアリアンツ・アレーナでの試合当日の商品売上が、米国外のNFLの試合において過去最高を記録したと確認した。

◆ミュンヘンでのゲームウイーク中、NFLジャーマニーのソーシャルメディアチャンネルでは、動画再生回数が2,000万回（週平均で360％増）、ファンの交流回数が340万回（週平均で717％増）、チャンネル全体での新規フォロワー数が3万人（週平均で526％増）となった。

◆NFLのインターナショナル・ホーム・マーケティング・エリア・プログラムでは、ドイツ市場におけるマーケティングとファンエンゲージメントの権利を与えられている4チームすべてが週末を通じてミュンヘンで活動していた。それらの権利を与えられているカロライナ・パンサーズやカンザスシティ・チーフス、ニューイングランド・ペイトリオッツ、バッカニアーズはそれぞれミュンヘンで“ブラウハウス”（バー）を開き、ファンのためにさまざまな活動を行った。

◆NFLはミュンヘン市内にある21の“ブラウハウザー”（バー）と提携し、チームやNFLをテーマにした体験を提供し、数万人のファンを受け入れた。

◆11月10日（木）から12日（土）にかけて、市内のオデオン広場ではNFLショップがオープンし、32個の巨大なNFLヘルメットが展示された。このイベントには数千人のファンが訪れた。

◆NFLフラッグフットボール・プログラムとその1回目となる全国規模のトーナメントは、ゲームウイーク中に若いファンやアスリートとつながるための重要なきっかけとなった。これにはドイツ国内の5都市（デュッセルドルフ、ベルリン、フランクフルト、ミュンヘン、ハンブルク）から12校300人以上の選手が参加。トーナメントで優勝したフランクフルトのチームは、2023年にラスベガスで開催されるプロボウルゲームに遠征し、NFLフラッグチャンピオンシップに参加することが決定した。

◆NFL UKアカデミーはミュンヘンでバイエルン・ウォリアーズのオールスターチームと試合を行い、世界中のファンがライブ配信を視聴した。また、スタジアムにはファンやNFLの伝説的な選手たちが応援に駆けつけた。

NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは次のように述べている。「ミュンヘンはNFLの歴史に永遠に刻まれるだろう。それは、ドイツのファンのためにも、リーグが継続的にグローバル規模で成長する上で重要なマイルストーンとなった。初めてドイツで行った国際試合は、長年の計画の末に実現し、大成功を収めることができた。試合当日にアリアンツ・アレーナにいられたことは、決して忘れられない特別な瞬間となった。非常に情熱的で敬意に満ち、NFLを快く迎え入れてくれたドイツの街とファンの皆さんに感謝している。2023年にドイツに戻り、将来、より多くのファンにNFLを届けられることを楽しみにしている」

NFLジャーマニーのジェネラルマネジャー（GM）を務めるアレクサンダー・シュタインフォースはこうつけ加えた。「ドイツでの国際試合の開催は、ミュンヘン市、アリアンツ・アレーナ、バイエルン州、DFL、そしてもちろんFCバイエルン・ミュンヘンといった素晴らしいパートナーの存在なくしては不可能だっただろう。それらは単に試合を開催することだけではなく、来訪した各チームの体験を成功に導くのに不可欠な存在だった。ここドイツで、われわれは試合後に寄せられているファンからの好意的な反応に圧倒されている。テレビ視聴率、ソーシャルメディアへの参加、商品販売において記録的な数字を達成することができた。数字の面だけにとどまらず、NFLの試合が開催されたとき、街は活気づいていた。この勢いに乗って、今後数年間、あらゆるレベルでゲームを成長させていきたいと考えている」

NFLは2025年までに少なくとも4試合をドイツで開催する予定だ。先日の1回目の試合に加え、今後3年間で毎年、ミュンヘンとフランクフルトでそれぞれ2回ずつ試合が開催されることが約束されている。

NFLはドイツでの試合以外にも、2022年シーズンにおける国際試合として10月にロンドンで3試合を実施した。11月21日（月）にメキシコシティのエスタディオ・アステカ・スタジアムで行われるサンフランシスコ・49ers対アリゾナ・カーディナルス戦がその締めくくりとなる。

【RA】