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次回のベンガルズ戦はプレーオフのリベンジマッチではないとタイタンズQBタネヒル

2022年11月24日(木) 13:34

テネシー・タイタンズのライアン・タネヒル【Joe Robbins via AP】

テネシー・タイタンズは2021年シーズンにAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)の第1シードを獲得してフットボール界の大半を驚かせたが、ディビジョナルラウンドでシンシナティ・ベンガルズにホームで敗れ、その成果をすぐに無駄にした。

タイタンズを破ったベンガルズは最終的に第56回スーパーボウルに進出している。それを見ていたタイタンズがSoFiスタジアムでロサンゼルス・ラムズと対峙するのがベンガルズではなく自分たちであればよかったのにと願っていたとしたら、それは無理もないことだろう。

しかし、2022年のタイタンズにそのことを尋ねると、すべて過去の話だと答えるはずだ。現地27日(日)にベンガルズと再びホームで戦うという事実を別にすれば、今のタイタンズはベンガルズとは何の関係もない目標を持った新しいチームになっている。

そのため、タイタンズのクオーターバック(QB)ライアン・タネヒルの前ではリベンジについて触れてはならない。

タネヒルは火曜日に「木曜日の夜にも言った通り、それは去年の話だ」と報道陣に話している。「チームの半分はここに所属してすらいなかった。うちは新しいチームで、別の新しいチームと対峙しようとしている。もちろん、勝ちたい試合ではある。でも、それは去年とは何の関係もない」

タネヒルはオフシーズンに、プレーオフでの敗北によって受けた精神的なダメージについて率直に語り、2022年シーズンに進む前にセラピーが必要なほど“深い傷跡”が残ったと報道陣に明かしていた。そこまでの苦痛を感じることになった主な原因は、その試合におけるタネヒル自身のパフォーマンスにある。タネヒルはそこで3回のインターセプトを含め、タイタンズの敗北に直結するようなプレーをしてしまったのだ。

昨季からの立て直しを図っている今シーズン、タネヒルは統計的に非常に優れた成績を残しているわけではないが、先発した試合ではチームを6勝2敗に導くのに十分な貢献をしている。全体的に見れば、タイタンズは再び良いポジションにつけており、シーズン第12週を迎える前に7勝3敗でAFC南地区首位に立っている。

タネヒルがロースターの入れ替わりを指摘したのは妥当だ。例えば、新人ワイドレシーバー(WR)トレイロン・バークスはタイタンズが1月にベンガルズに敗れたとき、2022年のドラフトに備えていた。『104.5 The Zone(104.5ザ・ゾーン)』によると、バークスは今回の試合がリベンジマッチにあたることについて一切触れずに「俺たちはただそこに行ってプレーするだけだ」と報道陣に話したという。

ヘッドコーチ(HC)マイク・ブラベルもタネヒルと同じ感想を述べており、ディビジョナルラウンドから今に至るまでに体制が変わったことを改めて指摘した。

また、ブラベルHCはシーズン第12週を迎えるにあたり、選手たちにも同じようなスタンスをとってほしいと望んでいるようだ。

『ESPN』によれば、ディフェンシブタックル(DT)ジェフェリー・シモンズは「周りを見渡したら“まじか、この中の半分は(プレーオフで敗れたときに)うちに所属してすらいなかったんだ”って思う」と語り、こう続けたという。「でも、まったく違うチームになっている。俺たちは今年のことを気にかけているのであって、去年のプレーオフで起こったことを心配しているわけじゃない」

「今年のこと、それから日曜日にいかにして勝利を手にするかがすべてだ」

ベンガルズ戦に勝てばタイタンズは8勝3敗となり、12月を迎えた頃にはディビジョンで圧倒的に優位に立っているだろう。それ以外は、タイタンズの長期的な展望にとって、それほど大きな意味を持たないはずだ。タイタンズは大幅なロースター変更を乗り越えて再びプレーオフ進出候補となっている。

昨シーズンと同じように、タイタンズが真にタイトル獲得の候補になると見ている人は少ない。日曜日に勝利してもそれは変わらないだろう。とはいえ、シーズン開幕から2連敗を喫するなど、必ずしも高いとは言えないタイタンズのポテンシャルに、目が向けられるようにはなるかもしれない。

【RA】