元QBヴィックが持つイーグルスのラッシング記録を更新したQBハーツ「これ以上のことはない」
2022年11月29日(火) 10:35フィラデルフィア・イーグルスのクオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツは現地27日(日)に行われたグリーンベイ・パッカーズ戦で40対33の勝利を収めた際、その足で記録的なパフォーマンスを披露している。
イーグルスオフェンスはパッカーズを363ラッシングヤードで圧倒し、ハーツは17回のキャリーで157ヤードを足で稼いだ上にパスでさらに153ヤードとタッチダウン2回を積み上げ、チームを勝利に導いた。
『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、ハーツは少なくとも1950年以来、1試合で150以上のラッシングヤード、150以上のパスヤード、2回以上のパッシングタッチダウンを記録したはじめてのQBだという。
157ヤードのラッシングは2010年にQBマイケル・ヴィックが打ち立てた記録(シーズン第15週のニューヨーク・ジャイアンツ戦で130ヤード)を更新し、フランチャイズ記録を樹立した。自分のパフォーマンスはイーグルスの元QBであるヴィック、ドノバン・マクナブ、ランドール・カニンガムによるインスピレーションのおかげだとハーツは言う。
ヴィックの記録を更新したことについて「これ以上のことはない」と述べたハーツはこう続けている。
「彼らのことは心から尊敬している。俺の前に活躍した選手たちを。ランドールにマイク、マクナブ。彼らがプレーする姿はすごかった。俺はいつも彼らの戦い方に憧れていると話している。そんな彼らと同じカテゴリーに入れて幸せだ。本当に幸せだよ。それには相当の努力が必要だ。彼らを尊敬し、彼らのサポートに感謝している。ここでの俺にどれだけ影響があったかなんて本人たちは知らないだろうけど。感謝の気持ちは言葉では表せないくらいだ。心からそう思っている。本人たちが知らないところで、いろいろな意味で俺を導いてくれた。だから、彼らには感謝しているし、このチームにも感謝している」
ハーツは試合序盤からその足でパッカーズに深手を負わせ、開始から3プレー目で24ヤードを駆け抜けている。第1クオーターが終わる頃には103ラッシングヤードを稼いでいた。
どうやったらそんなに走れるのかと聞かれた24歳のハーツの答えは簡潔だった。
「俺は走って、彼らは俺を捕まえられなかった」とハーツは返している。
ヤード数を積み上げられるハーツの能力はイーグルスを危険な存在にする。ディフェンスが毎回のプレーでQBを警戒しなければならない分、他のオフェンスに対する守りが手薄になる。シーズンのこの時点では、ヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニのオフェンスはすべてを簡単にやってのけているように見える。
ハーツは単にクオーターバックとしてプレーしているランニングバック(RB)だと言う人は無視していい。彼は必要な時にその腕でディフェンスに打撃を与えることができる。ハーツは2022年に1試合あたり平均54.3ラッシングヤードを記録しており、105.6のパサーレーティングを獲得。NFL史上、1シーズンに平均50ラッシングヤード以上と105以上のパサーレーティングを記録したQBは、満場一致でNFLのMVPに選ばれた2019年のラマー・ジャクソンだけだ。
ハーツはグラウンドゲーム全体を通してランルートを作ってくれたイーグルスのオフェンシブラインを称えている。363ラッシングヤードという数字は1948年にイーグルスが376ヤードを獲得して以来、1試合での最多記録となった。
「このオフェンシブライン、このチームは勝つために必要なことは何でも喜んでやる」とハーツは言う。「このチームは勝利の喜びを知っているし、さっきも言った通り、俺たちはそのために努力し、話し合ってきた。それを実行することが感情をたかぶらせる」
サンデーナイトのイーグルスは実に簡単に実行していた。
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